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できることはやらせてください。

作者: 長屋ぽぴ

「全部わたしの勘違いだったかもしれないです。」

君は無理やり笑いながら、いままで1度も使われた覚えのない敬語で俺にそう言った。



いつもの店のいつもの席で俺は君の好きな人の話を聞く。この間、

「もしかしたら付き合えるかもしれない!!」

なんて君は俺にそう伝えてきた。

「えー俺じゃだめなのー?」

なんてふざけたりしながらも、ちゃんと

「おめでとう!」

って伝えた。本当はそんなこと思ってもなかった。俺だけのものになればいいのになんて思ってた。

でも君は本当に嬉しそうにしていて、とてもそんなこと言えない。



「勘違い..?」

「そう、私が勘違いしてたわ!じゃあ、ちょっと今日はもう、帰るわ!」

無理やり作った不格好な笑顔をした君はそう言って店を出ていった。

今なんじゃないか。俺が走り出すのは。今じゃないといけないのではないか。ここで君のところへ行かないと駄目な気がした。何故かは分からない。でも行かないと何か終わる気がした。



店を出れば少し遠くから見てもわかる肩を揺らしながら歩く君が見える。


俺は気の利いたことは何も言えないし君が好きだった人よりも口下手だし顔も良くないし背も低いしお金もきっと少ない。でも今の俺にできることはやっておきたい。だから、ありったけの君への想いを込めて、僕は、走る。追いついたら、こう言うんだ。


「俺じゃだめか?」


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