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第28話 変化! 何かもやもやするけど、悩みなんてポイポイしちゃうの!

「ん?!」


 わたしは、何処から見られている気配を感じた。

 それは、前に感じた嫌な感じとも、師匠の嘗め回すような感じとも違う。

 何か、身体のサイズを測られている様な感じ。


「あれ? わたしを見てたの、カナエちゃん?」


 今は、体育、水泳の時間。

 もうすぐ夏休みが始まろうとしている時期なの。

 視線の方向へ振り向くと、わたしを見ていた親友のカナエちゃんが居た。


「あ……。う、うん。メ、メイちゃん、スタイル良いなぁって」


 今はスクール水着を着ているのだから、わたしの体型はモロ分かり。

 スレンダーだとは思うけど、決して男子からの視線が飛び交うような体型ではない。

 第一、一緒に泳いでいる男子の視線は、カナエちゃんに集中している。


……カナエちゃん、お胸も大きいし、ウエスト細いもん。裁縫クラブ所属であまりお外にも行かないから、肌真っ白だし。


「カナエちゃん、この間から何処か変だよ?」


「それはメイちゃんもだよ。あ! ご、ごめん、わたしの方が変だよね」


 カナエちゃんは、最近明らかに何処かおかしい。

 妙にわたしへの視線が多いし、何か言いたそうで言ってくれない。

 「バルキリーちゃん」の事も、一切言わなくなった。

 普段の明るい表情では無く、メリハリのあるスタイルの美人さんがもったいない。


「何か悩み事があるの、カナエちゃん? わたしで良かったら相談に乗るよ」


「あ、ありがと、メイちゃん。大丈夫だよ、メイちゃんこそ、無理はしないでね」


「う、うん」


 わたしは、何か心に引っかかったまま、授業を続けた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「先日は助けて頂き、ありがとうございました。今日は、お礼を言いたくて、来てしまいました」


「いえいえ。大した怪我も無しで良かったですわ」


 今日は日曜日、昨日は退院した師匠の道場へ行って、師匠のリハビリという名の「修行相手」に指名されて、痛い目に合った。


 ……道場が復活していたのは良かったけど、ししょー病み上がりでも、わたし1人じゃどーにもならないのぉ。2人がかりは厳しいって言ってたけど、絶対わたしと遊びたかったに違いないのぉ!


 ラーラちゃんが、こっちに来た日にレギーオに襲われていた衣笠(きぬがさ)真子(まこ)さんが、わたし達にお礼が言いたいという事でウチに来ている。


 ……最近は、すっかり「バルキリーちゃん」フィーバーだから、気にしてたんだろうなぁ。


「本当に命を助けて頂き、また最近の報道で皆様が戦っているのも気になって、ぜひお礼を直接言いたいと思ってました」


「おねーさん、わたしは当たり前の事しただけだもん。気にしなくていーよ。でも、お礼は嬉しいから、ありがとうございます」


 わたしは、胸を張ってマコお姉さんに逆にお礼を言った。


「メイ! 大人の世界じゃ、そういう訳にもいかないのよ。衣笠さん、あれから大丈夫ですか? ここ暫くはレギーオの活動は大人しいですが……」


「ええ、大丈夫です。それに非番の時は今日みたいに石垣(いしがき)さんが、一緒に居てくれますし」


 そう、マコお姉さんの横には、お姉さんが襲われた時に交番でお姉さんを助けた警官のお兄さん、石垣さんが居る。


「本官、いえ自分は警官として市民を守っているだけです。それよりもレギーオと戦っている皆様の方が素晴らしいです」


 少々顔を赤くしながらも、警官っぽい答えをする石垣お兄さん。


 ……あ! そういう事なんだぁ。吊り橋効果だったっけ? 危険な時にカップルが生まれやすいのって。でも、石垣おにーさんは真面目そうでかっこいいし、マコお姉さんも美人さん。これは応援しちゃおうかな?


「あらあら。石垣さん、無理しないで良いのよ。こんな時代、若い子達が仲良くするのはイイ事ですしね」


 わたしよりも海千山千のお母さんには、2人の関係は見え見え。


「え、わたし、あの、その……」

「自分は、そのような……。えっとぉぉぉ」


 茹蛸になりそうな2人は、わたしが見ていても微笑ましくて初々しいカップルだと思った。


「わたし、お兄さんお姉さんを応援しちゃうよ!」


「なかよし、すてきなの!」


「メイ、勝手に盛り上がるなよ。姉さんもラーラもそうだ。まったく女ったら……」


 ウチの(かしま)しい3人の女性がコイバナに盛り上がる中、お兄ちゃんは顔を赤くしながらも茶化す。


 なお、ラーラちゃんの事は他言無用と説明して、マコお姉さん達に紹介した。


 ……アニメに出そうな可愛い猫娘の登場に盛り上がったのはしょうがないよね。


「そういえば、タカコさんはどうしてわたしが今後やっかいな事になるかも知れないと言われたのですか?」


 話題をコイバナから変えるためなのか、真剣な顔をしてマコお姉さんがお母さんに聞いた。


「それは、レギオーの特徴に由来するの。まもなく国からも正式発表があるとは思うのだけど、先に衣笠さんには教えますわ」


 お母さんは表情をキリっと変えて話し出した。


「レギーオ、異界のロボットですが、彼らの動力は『世界にありたい、存在したい』という力、存在の『力』(イグジスト)を使っていますの。この力を使ってわたくし達も戦っていますが、個人差があって強い人と弱い人がいます。衣笠さんが襲われたのも、それが理由。『力』が強い衣笠さんは、レギーオにとって魅力的な『ご飯』だったの」


 わたしも、ぼんやりとしか知らなかったけど、レギーオが人を襲う、心臓の周辺を喰らうのは、襲った人の生きる力を奪うため。

 『命』を喰らう事で、活動エネルギーを得て更に人々を襲う。


「人を襲う現場を目撃しちゃったのもあるのでしょうけど、魅力的な獲物を前に襲ったのだと思いますの。たぶん、ラーラちゃんを捕まえる為に、エネルギーをもっと欲しがったのでしょうね」


 ……レギーオってホント殺戮兵器なの。人を襲ってエネルギーを得て更に人を襲うなんて。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 マコお姉さんと衣笠お兄さんは、わたし達に何回もお辞儀しながら帰っていった。


 ……わたし、頑張って皆を守らなきゃ!

「これ、カナエ殿はメイ殿の事を感付いているのでは無いかや?」


 チエちゃん、ネタバラシはご勘弁を。

 そのあたりは明日の更新で描きますから。


「では、そろそろ日常が壊れるのかや? 今回、ワシは出張れないので、とても気になるのじゃ! メイ殿が心配なのじゃ!」


 ご心配頂き、ありがとうございます。

 メイちゃんが、どう戦うのか、どうぞ応援宜しくです。


「あい、分かったのじゃ! 読者の方々も応援御願いするのじゃぞ! ブックマーク、評価、感想、レビュー、待っておるのじゃ!」


 では、明日をお楽しみに!


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