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第13話 強敵! 外道は、わたしがギッタンギッタンにしてポイポイしちゃうの!

「吼えろや、このガキが。切り刻んでやる!」


 わたしの挑発に乗ってくるガンダルヴァ。

 年恰好からしたら、わたしよりは10歳は歳上のはずなのに、なんの威厳も賢さも感じない。

 何も考えずに放電をする斧を振り上げて、わたしに襲い掛かってきた。

 それが、わたしの誘いとも思わずに。


「メイに何をする!」


 その隙を狙ってガンダルヴァの背後から横薙ぎに火炎を纏った大剣を振るお兄ちゃん。

 わたしの意図に気が付いてくれて嬉しいの。


「なにぃ!」


 予想していなかったお兄ちゃんの渾身の一撃を腹に喰らったガンダルヴァは、どーんと吹き飛ぶ。

 硬い鎧と防御フィールドのおかげで切断まではいかないものの、衝撃と火炎はガンダルヴァに十分届いている。


「ぐぅぅ。卑怯なぁ」


 ……オマエが言うな! ラーラちゃんのお父様を殺して、更にラーラちゃんを虐めたお前がぁ!


 尻餅をついたガンダルヴァに、わたしは突撃をする。


「あめぇ、このメスガキがぁ!」


 まだ動けないから、わたしが突撃をする軌道上に斧を被せるガンダルヴァ、しかし甘い!


「ふぅ!」


 わたしは槍の石突を地面に着き立て、突撃の軌道を変える。


「なにぃ!」


「これは王様の分!」


 わたしは踏み込みなおして、槍の柄でおもいっきりガンダルヴァの顔をぶっ叩いた。


「ぐわぁ!」


 わたしの一撃で、ガンダルヴァの兜が吹き飛ぶ!

 そしてガンダルヴァの黒い長髪が、ぱっと広がった。


「これはラーラちゃんの分!」


 そして槍先をガンダルヴァの腹部に当てて、フィールド最大展開&噴射、発剄(はっけい)気味に突撃(ランスチャージ)を行った。


「はぁぁ!!」

「ぐぎゃ!」


 更に吹き飛び、倒れ伏すガンダルヴァ。

 でも、ここで油断はしない。

 怒りにまかせて追撃をしたら死に繋がりかねない。


「こ、これが正義の力なのぉ!」


 わたしは、息を整えつつ吼えた。


「ちぃ、トドメを刺しに来ないか?」


 しかし、何のダメージも無かったかのように起きだすガンダルヴァ。

 わたしは、槍先が全くガンダルヴァに突き刺さらなかった感覚で、攻撃が殆ど効いていないのを理解していた。


 ……どうしよう。こいつムチャクチャ硬いの! 思っていたよりも強いの!


「オマエら、面白れぇや。隙見せたら攻撃をしてくるが、深追いはしねぇ。さっきまでのヤツラと大違いだ。もっとオレに攻撃を見せろや。そして絶望しろ!」


 舌なめずりをして、今度はわたし達を挑発するガンダルヴァ。


「では、今度はわたくしが相手しますの」


 今まで静観していたお母さんが動く。


「もう無茶しちゃだめよ、2人とも」


 そう、こそっとわたしに呟いたお母さんは、ガンダルヴァへ向かう。


「今度は、ねーちゃん。いやさっきのメスガキと姿顔形にオーラも匂いも似てやがる。それにさっきの会話からして……。まさか、母親、ババァなのか?」


 鼻をひくつかせて、嫌そうな顔をするガンダルヴァ。


「あら、わたくしにそんな無礼な事を言った方で生き残った方は、いらっしゃらないわよ!」


 お母さんは、ガンダルヴァに対し凄みのある笑顔をする。


 ……あの顔のお母さん、一度だけ見たけどすっごく怖かったのぉ!


「勝手に吼えろや、ババァ!」


「そっちこそ!」


 お母さんとガンダルヴァの切りあいが始まった。

 その激しいぶつかり合いに、わたしはお母さんを助けに行く事も出来ない。


「あれ、間に入れないよな……」


 お兄ちゃんは、わたしの横に来てぽつりと呟く。


「うん、そうだよね。ちょっと無理」


 お母さんとガンダルヴァの戦いは、お互いにフェイントも入れあう激しい戦い。

 一瞬の隙でも見せたら、そこから一気に均衡は崩れてしまうだろう。

 わたし達では、死に兼ねない刃の暴風。

 そして、例えわたし達が入ったとしても足手まとい、お母さんの邪魔にしかならない。


「あれ、おにーちゃん。そーいえば、さっきまで何やっていたの? わたしと攻撃を合わせてくれたのは嬉しかったけど」


「怪我人を退()けていたんだ。戦うのに邪魔だったし」


 よく見るとお母さん達の戦場に、もう怪我人は居ない。


「邪魔って言うのはダメだけど、ありがとね。おにーちゃん、優しいんだから」


「邪魔だから退けただけだぞ……」


 天邪鬼な事を言いながら、赤面しているお兄ちゃん。

 わたしは戦うのでいっぱいだったのに、お兄ちゃんはちゃんと周囲を見れている。


「もういいの、ほんとにありがと。じゃあ、後はコイツ倒したら勝ちだね」


 怪我をしていた人々の活躍で、既にゴブリンは全部退治されている。

 しかし、本当にガンダルヴァは硬い。

 着ている鎧が優秀なのもあるのだろうけど、それ以上に防御フィールドが厚くて硬い。

 お母さんの刃が何回か切り込むも、フィールドに弾かれている。


 わたし達も変身後は、『力』を使った同じ防御フィールドを(まと)っている。

 これには個人差があって、お兄ちゃんは厚め、わたしは薄め、お母さんは2人の中間よりやや厚め。


 フィールドを持つ者同士の戦いは、どうやってフィールドを破るか。

 レギーオに普通の武器や火器が効きにくいのは、彼らもフィールドを纏うことで、半分こちらの物理法則から外れた存在となっているからだ。


 そして、わたし達が人外な動きを出来るのも、このフィールドのおかげ。

 お父さんが言う難しい言葉だと、慣性制御って効果がフィールドにはあるんだって。


「このままじゃ不味いよね。おかーさん、ああいってもスタミナは多くないし」


「ああ、そろそろ俺達も加勢するぞ!」

「うん!」


 若く見えても、お母さんはアラフォーじゃすまない歳。

 全盛期程のスタミナは無い。


 ……それでも瞬間なら、たぶん現役戦士じゃ最強クラスじゃないかな?


 わたしは、ガンダルヴァの動きを凝視した。


「くっそぉ、ババァやるなぁ。オレの動きについてこられるったは。猫の王とやらは、もっと弱かったぞ」


「あらぁ、卑怯な手を使ったそうだけど?」


 お母さんはガンダルヴァの挑発に、逆挑発を仕掛けた。


「好き勝手言ってろ。じゃー、オマエも猫王と同じ技で死ね! おらぁ!」


「きゃ!」


 ガンダルヴァは、お母さんに突然蹴りを食らわせて吹き飛ばし体勢を崩した後、放電する2つの斧をカチンと合わせた。


 ……あ、あの技!


 わたしは、思わずガンダルヴァへと突撃をしていた。


 ……あの技、今のおかーさんじゃあ全部避けられないの! わたしがなんとかしなきゃ! おかーさんが死んじゃう!!


「死ねよ!『パラシュラーマ(斧乱舞)』!」

「作者殿、いいところで切るのは溜まらんのじゃ。早う続きを見せるのじゃ!」


 チエちゃんにそう言われるのは光栄です。


「じゃって、いつもならワシ介入して、あのようなザコなぞプチっと潰すのじゃ。今回はそれが出来ぬので、たまらんのじゃ!」


 辛抱、ごめんなさいね。

 また、今度チエちゃんが暴れられる作品書きますから、それで許してね。


「うむ、先日のコラボくらい遊べるのが良いのじゃ! また、どこでもワシを呼ぶのじゃ!」


 そのコラボをした作品は以下です。

 また楽しくコラボしたいですね。


「戦隊ヒロインのこよみさんは、いつもごはんを邪魔される! ~君の想いが、料理が、ウチを強くする~」

https://ncode.syosetu.com/n0206gj/


「では、明日の更新を待っておるのじゃ!」

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