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嗚呼
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俺は五分ほど階段に座り息を整えた。
自分の心臓が跳ねる音、木々の隙間を通り抜ける夏風の音。それらが紡ぐ音を聴きながら。
俺はあれから五分ほど歩いた。
すると、木々の隙間を通り抜ける風に乗り声が聞こえてきた。
「――――い、こっちだよーおーい」と。
俺は顔を上げ、自分の登っている階段を見上げる、そこには彼女が、瑠美が大きく手を振っていた。
俺は階段を登る速度を速める。顔には自然に笑みが張り付く。疲れなど吹き飛んだ。
ああ、久しぶりに会えた。
泣きそうだ。
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