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煙
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肩に掛けたショルダーバッグから線香を取り出す、麓のスーパーで買ったものだ。
一緒に買ったライターで火をつけ、線香を振る。
「別にそんなことしなくていいのに」瑠美は俺の手元を覗きながら苦笑する。
「そんなわけにはいかないよ」俺は手元の線香を見ながら言う。
俺は線香を線香立てに寝かせて置き、手を合わせ、目を閉じる。
「……ねえねえ、私こっちだよ? 」
俺は目を開け、瑠美を見る。
「ああ、そうだね……なんか、黙祷をささげる相手が横に居るって不思議だね」
「えへへ、そうだね~」
瑠美はにかっと笑顔になる。
俺はそんな瑠美に釣られて、口角を上げ、微笑んだ。
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