17/20
梢、涙、陽の光
17
生温い風が木々の隙間を縫い、吹き付ける。
俺の意識は現実へと引き戻される。
「どうしたの? 」
先に行ったはずの瑠美が背伸びをし、俺の顔を覗き込んでいる。
「……何でもないよ」
「ふーん……じゃあ、その涙は何? 」
「え、」
俺は慌てて頬を触る。……泣いていた。
気づいた途端、涙がより溢れ出す。それはもう、とめどなく。
何故だ、俺は分からず瑠美を見る。
うぐっ。
喉の奥で変な音が鳴る。眼の奥が熱くなり、鼻がツンと痛くなる。
あぁ、あぁ。
瑠美は不思議そうに眉をひそめる。
木々の梢の間から漏れる陽の光に照らされて、俺は蹲り、両手で顔を覆い隠した。
読んでいただきありがとうございます。




