過去 終
16
ここで過去編は終わりになります。
次回から現在の時間軸になります。
一年後。
俺は高校を卒業し、県外の企業に内定をもらった。元々俺に将来の夢なんてものは無かった、ダラダラと高校を卒業し、近くの村に就職か、適当な大学に行くんだろうなと漠然と思っていた。けれど瑠美が死んでから県外のそこそこ大きな企業を志願した、その為に俺は勉強し、底辺を彷徨っていた成績を中の上まで持ち上げた。成績が低い高卒など雇ってくれるところなど、少ないからだ。
俺がここまでした理由、それはこの村から直ぐにでも出ていきたかったからだ。この村や近くの村や町では瑠美との思い出が転がっている。そこを見たり、聞いたりするだけで瑠美の事を思い出してしまう、それを思い出す度、心の穴が、今まで瑠美で埋まっていた場所が、開いてしまうのだ。それに俺は耐えられなかった。
これが逃げているなんて事、そんなことわかっている。けれど、それでも俺は耐えられなかった。
俺は今、瑠美の墓の前にいる。この村を出ていく、その前に、最後の挨拶に来た。今にも心が張り裂けそうになりながら。
線香をあげ、踵を返し、立ち去ろうとする。その瞬間、背後から声が聞こえた。
「私、待ってるよ」
俺は弾かれたように振り返る。
瑠美の家の墓石の後ろ、そこにはセーラー服を着た瑠美が、彼女がそこに居た。
読んでいただきありがとうございます。




