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朱色  作者: 脱兎田 米筆
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過去7

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 次の日。瑠美は見つかった、下流、この村と隣の村の境目の辺りで、死体となって見つかった。

 川の脇に引っかかっていたらしい。捜索を開始してすぐに見つかった様だ、それは俺が夜、なかなか寝付けず、布団の中でもぞもぞとしまくり、やっと眠りについた頃の事だったそうだ。

 

 見つかった時、瑠美の脚には太い水草が巻き付いてたそうだ。それのせいで瑠美は水面に上がれず、窒息した後も水面に上がってこなかった、それが夜のうちに流れの速さと瑠美の体重によってじわじわと水草は根っこからじわじわと抜け、下流に流れ着いたと後に聞いた。

 

 慢心だった、そもそもこんな事、子供たちだけで行うのが間違いだった。いや、この川遊びが始まった当初は親が一緒についてきていた時期もあった。しかし、転んだりして擦り傷を負うことはあったが、大きな怪我などは無く、俺と瑠美も大きくなってきたという事で親たちは段々と俺と瑠美だけに任せるようになった、そして、今回の事が起こってしまったのだ。

 

 瑠美が見つかったその夜、瑠美の通夜があった、恋人である俺も呼ばれたが部屋に引きこもり、結局通夜には顔を出さなかった。しかし、その翌日、葬式が行われる頃には人と会話ができる程には回復したため、俺は葬式には参列した、そこには、あの日遊んでいた子供と親も参列していた。その中でも瑠美の命と引き換えに助けられた花ちゃんは親と一緒に何度も何度も頭を下げ、「すみませんでした」と瑠美の両親に謝っていた。

 俺はそれを無言の涙と共に眺めた。

 結局、俺は瑠美が骨壺に入るまで瑠美の体を、顔を、見ることは出来なかった。生まれた時から、ずっと俺の隣にいた恋人の変わり果てた姿は、見ることが出来なかった。


読んでいただきありがとうございます。

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