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過去3
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「重い……」
俺は大きなスイカと修学旅行の時に浮かれて買った木刀を抱えて、子供たちの遊んでいる川に向かって歩いていた。
木刀は子供たちにスイカ割りをさせたら盛り上がるだろうという俺の粋な配慮だ。
子供たちの喜ぶ姿を想像しながら歩を進めていると前方から水着の少女が走ってきた。
「お兄ちゃん、お兄ちゃーん」走りながら、泣きそうな顔で俺の事を呼ぶ。
ただ事ではない、その表情に俺は不安を覚える。
「どうしたっ」俺も駆け寄り少女に問う。
「あのねっ、あのねっ瑠美お姉ちゃんがっ……」
そこで、少女は何かが切れたように座り込み、両手で目を押え、わんわんと泣き出した。
瑠美に何かがあったことは分かったが、それ以上は聞き出せないなと泣きじゃくる少女を見て思った。
ただ事でないこの状況を嗤うかのように太陽は心なしか輝きを増した。
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