第十七話 山道を行く
日本ミツバチはハチミツを少ししか収穫できませんが、とても美味しいです。
ハチミツのビンに、スズメバチが入っていたりします。天然もののハチミツです。
もう一泊して、旅の準備をする。
漁師さんから朝採れの魚をもらったので、馬車の屋根の間の風通しの良い隙間に入れて、一夜干しを作りながら移動する。次に目指すのは山の中の村<サナルード>ドワーフの鍛冶師がいるという話なので楽しみだ。
冒険者さんたちは<サナルード>までは一緒に行ってくれる事になった。武器を研いでもらったり防具の傷みを直してもらうんだそうだ。
彼らもタコ討伐の報酬をもらっているのでそのお金を使うんだそうだ。
山道を登っていく、今までの街道よりずいぶん道幅が狭い。馬車のすれ違いは大変そうだ。
山道を行くにつれ、ミーアがぼくやセシルにくついて離れなくなった。
「この辺りではないですか、ミーアちゃんが捕まっていたのは。」
御者のじいちゃんが小声で教えてくれた。
そうか、ならしょうがないのかな。
こんな所は早く抜けた方が良いのかともおもったけどすれ違う馬車もあるので、相手の馬車を止まって待ったり。ギリギリでゆっくりすれ違ったりであまり速くは進めなかった。
ミーアもだんだん落ち着いてきて、休憩場所で休んでいる時。
マップ画面が「警戒」表示で赤色点滅し始めた。
「キラーホーネット襲来」と表示されている。
ホーネットってスズメバチだったっけ。単体ならそれほどでもないけど、集団だとやばいやつだって攻略本に書いてあった。
しばらくどうしたのみたいな感じだったが、だんだんみんなも気配に気づいたらしく。馬の世話とか手伝ってくれた。
大きいトイレのつもりで土壁を作り、馬を入れる。天井まで作る余裕が無かった。無事なのを祈るしかない。
後のメンバーは全員馬車の中に入る。
魚はもったいなかったが、ちょっと残して、後は少し離れた窪地に投げ入れた。
羽音が近づいて来る。集団が馬車に止まったりしているが、今のところ中へは入られていない。
隙間から時々見えるのがちょっと怖い。
攻略本を読んでいくと煙を焚く方法が有ったのを思い出したけど、時間的に厳しかったと思う。
しばらくするとキラーホーネットは魚を掴んで飛び去って行った。
子犬より大きかった。1.8リットルのペットボトルより大きいんじゃないか? 山育ちで蜂も平気だけどあれは大きすぎる。
あれにいきなり襲われたら本当にやばい所だった。
馬は寝てた。寝てた?
「怖かったよぅ。」
「はぁ助かりました。」
みんなは助かって喜んでたけど、ぼくは違うことを考えていた。
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