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異世界イベントで異世界へ  作者: ゆたここ
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第十四話 うらしま太郎じゃないからね

貝殻とか踏んじゃうんで、砂浜を裸足で歩くのは好きじゃない。

 ちょっと高台にある冒険者ギルドから、漁師さんが居そうな砂浜へ降りていく。


 マップの海岸近くでオレンジの色の点がいくつも有った。小走りに近寄っていくと。


 村の子にいじめられている猫が居た。海岸でいじめられていたけどウミガメじゃなかった。乙姫様は出てこないらしい。


 「おいやめろ少年たち。大勢で一人をいじめるな。」


 「口出さないで下さいよ。こいつは、たき火で焼いていた魚を食いやがったんだ。」


 「あ~そりゃ駄目だな。」


 食べ物の恨みは恐ろしいって昔から言うから。


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 猫は泣きながらうずくまっていた。

 服もボロボロで耳もたれ尻尾も足の間へ隠している。


 殴るケルは止まったので少年たちと話をした。


 お腹が空いていたのでちょっとムキになったなったかもしれない。と言っていたので。


 さっき薬草を売ったお金を少年たちに渡して勘弁してもらった。


 猫、猫耳の獣人はその後もしばらく泣いていた。


 どうしようかとセシルと相談して、いったん宿屋へ連れて行って、タライの水で体を洗った。


 その間もぐずっていたが、洗ったあと、ぼくの予備の服を着せ。宿のご飯を食べさせると。


 寝た。泣きながら、寝た。


 何で助けたのかって、名前が<ミーア・アンダルシア>だ、家名が有ったのと、集団での暴行は嫌いだから。でも一番はモフモフしたかったから、つい。


 宿のおばちゃん。いえおかみさんによると、最近山道で非合法の奴隷商人討伐が有ったっていうので、そこから逃げてきた、奴隷の子じゃないかと言っていた。おばちゃんの情報網はあなどれない。


 確かに首輪が付いていて、鑑定したら従属の首輪と表示された。攻略本には色々な形が有ると書いてあったので、機能重視からオシャレなのまで色々あるんだろう。オシャレなのは貴族の奴隷用とかだろうか。


 セシルによると、奴隷だとは分からないようにして連れ歩く連中がいるらしい。教会的には奴隷は勧めないそうだ。ぼくも奴隷なんて、なるのも使うのもやだけどね。


 ギルドに報告しに行った。ギルドに人が少なかったのは非合法の奴隷商人の討伐や、捕まっていた人の対応。合法的な奴隷商に引き取ってもらったり、人によっては、借金奴隷になって借金を返し終わっているはずなのに働かされていた様な人もいて住んでいた村に帰るか別の町へ行くかでもめたりしたらしい。


 借金だらけの村には帰りたくないよね。


 ギルドで報告したら、帳簿だけはしっかり(もちろん裏帳簿だけど)付けていた奴隷商で、ミーアをどこで奴隷にしたかも書いてあったそうだ。


 森の中で迷子になっていたのを捕まえたとか。ひどい話が書いてあった。


 奴隷になる理由が無いという事で、報告書だけ作れば良いそうだ。多分討伐で隠れ家が混乱している時に逃げ出したんだろうという事だった。今は寝ているから聞かないが、目が覚めたら話を聞きたいので連れて来てくれと言われた。


 合法的な奴隷商人(雑貨屋と派遣業をいっしょにやっている店だった。奴隷商人て派遣業なのね。)の所へ連れて行って、首輪の解除をしてもらった。ポーターにおぶって運んでもらった。


 主人(違法な奴隷商)は討伐で死んでいたので、簡単に登録解除できた。


 しばらくしたら目を覚ましたけど、お腹が空いたと魚を食べまくったり、すぐ寝たりして大変だった。


 ギルドに連れて行けたのは次の日になってからだった。


 ごはんをいっぱい食べさせたからなのか、称号が勇者の仲間になっていた。昨日までは何も無かったのに。


 猫族少女 

 名前:ミーア・アンダルシア

 年齢:10歳(多分)

 称号:勇者の仲間

 職業:武闘家(レベル3)

 HP:45

 MP:14

 スキル(特技)

 戦闘:パンチ、キック、ジャンプ

 補助:なし

 技能:なし


 「今日からよろしくお願いします。」


 と言われてしまった。


 猫族だけど語尾に「にゃ!」は言わなかった。


 ギルドの聞き取りで、森を彷徨ったのは覚えているけれど家族の事とか思い出せないと言っていた。


 何か言えない事が有るような気がするが、今は聞かないことにした。


 昨日旅に連れて行くことはみんなで決めてあったので、冒険者登録をしたり、町の店へ行って洋服やちょっとした装備を買うのに、またセシルにお金を借りてしまった。


 どんどんセシルに頭が上がらなくなる気がする。ざんねん見習い神官なのに。


続きが気になる方はブクマしていただくと嬉しいです

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