俺の異能が危なすぎたので研究施設へと隔離された件
辺りが光に包まれた。
気付いたら俺は病院にいた。あの光の後に気を失ったようだ。
隣の部屋から声が聞こえる。
「お前はアホかSランクの魔族がこの世界に来るはずないだろ。」
声だけでイケメンなんだろうと分かる程爽やかな声だ。
「まず来たとしても誰が追い払ったんだよ。現場に居たのはお前と無能力者とテレポーターだけだろ」
『うぅ、でも見たんだもん』
今にも泣き出しそうだ。ざまぁみろエリートさん。と言っても俺もあの黒い影を見ている。
嘘を言っていないことは俺が一番分かっている。
考えられる可能性は一つ
・Sランク異能力者が助けた
それしか考えられない。しかしSランクは13人と少ない。そして俺が知っているSランクは一人しかいない。
俺の妹だ。
一つの地区にSランク異能力者が複数人集まることは滅多にない。国によって分けられているのだ。
だが俺の妹は家からは出ない。いわゆる引きこもりだ。俺の妹も小さい頃から異能が開花し天才と呼ばれていた。しかし目立つのが苦手な妹は家へと引きこもり自分の心を守っている。
つまり、あの状況で助けに来るSランク異能力者は存在しないということだ。
そんな事を考えているうちに話し声は聞こえなくなった。
ガチャ!
病室のドアが開く。すると20代前半ぐらいのイケメンが入ってきた。
「柊勇人くんだね」
さっき聞いた爽やかな声だった。俺は無言で頷く。
「君は魔族を見たかい」
俺はまた無言で頷いた。
「そうかだとしたら...」
その人は黙り込み何かを考え始めた。
数分後その人は口を開いたを
「アイツが言う情報に誤りが無かったら。君の異能が魔族を追い払ったという事になる」
「つまり君は異能を使えるようになったんだ」
そう。その可能性があると俺も考えていた。
「そして君は14人目のSランクという可能性が高い。」
しかし俺の身体にはなんの変化もない。異能の力を使おうとしても使えない。自分でコントロール出来ないSランク能力など危なすぎる。
核ミサイル数百個を撃ち込まれるより危ない。
そして俺は軍の研究施設へと連れていかれた。