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物語の欠片  作者: どこかの誰か
4/5

人生と、君と、私と、綺麗事。

「そんな壮絶な人生を歩んできた人にこんな事を言っても、綺麗事だって言われるかもしれないけどね」


 って言われた時、


 ああ、この人もこっち側の人なんだなって思った。


「上を見ていたらきりがないなんて言うけれど、上も下も見ていたってきりがないじゃない」


 私はそう返した。


「じゃあ、前後左右しか見れないね」


 って君は笑った。


 …そうだね。上も下も見ないで、右往左往していればいいんだよ。


 私達はそうやって、平面の迷路(じんせい)に迷っていればいいんだ。


 上も下もある立体的な世界を俯瞰して見れるのは、きっと神様だけなんだから。

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