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若さ
いつもふざけて笑っている僕が、
それにのってくれていつも隣で笑っていた君が、
今「悩んでる」って言ったんだ。
いつものトーンはやめて、真剣な眼差しで君を見る。
すると君は笑いながら泣き出して、
何も言っていないのに、言えていないのに
そんな僕を見て「ありがとう」って言うんだ。
何に悩んでいるのかは教えてくれない。
それでも、隣にいるだけでよかったはずなのに、
息苦しくて、自分が情けなくて、君の辛い顔が見たくなくて、
逃げ出したんだ。
君はどんな顔をしたのかな。
あの時背中を向けていた僕には、分かるはずもなくて。
次に姿を見れたのは、
沢山の花に囲まれ、
棺桶の中にいた、
もう二度と目を醒まさない、君だった。




