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物語の欠片  作者: どこかの誰か
2/5

若さ

いつもふざけて笑っている僕が、


それにのってくれていつも隣で笑っていた君が、


今「悩んでる」って言ったんだ。



いつものトーンはやめて、真剣な眼差しで君を見る。


すると君は笑いながら泣き出して、


何も言っていないのに、言えていないのに


そんな僕を見て「ありがとう」って言うんだ。



何に悩んでいるのかは教えてくれない。


それでも、隣にいるだけでよかったはずなのに、


息苦しくて、自分が情けなくて、君の辛い顔が見たくなくて、


逃げ出したんだ。



君はどんな顔をしたのかな。


あの時背中を向けていた僕には、分かるはずもなくて。


次に姿を見れたのは、


沢山の花に囲まれ、


棺桶の中にいた、


もう二度と目を醒まさない、君だった。

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