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科学魔法の自警団  作者: asutarisuku
猫と少女と自警団
9/53

7 施設への侵入

短いですが出来上がったので投稿します。


 時刻は現在夜。

 僕は今、施設の近くで待機していた。

 暗い路地裏を、やけに冷たい風が通り過ぎていく。

 僕はその風に身震いしながらも、これからのことを間違えないように作戦会議を思い出していた。





 --少女の感謝の言葉の後、僕たちは改めて自己紹介をした。


 ・・・そして現在、僕たちは顔を向かい合わせている。


「・・・では、作戦会議を始める」


 そう告げるのは仁だ。理由は、この作戦会議の進行を担当する事になったからだ。

 作戦会議をするにあたって誰が進行を担当するかという話になったとき、全員が仁の方を見たためこうなった。仁の印象が、そうさせたのだと思う。


「まずはそうだな。俺たちは現状をそこまで詳しく知っているわけじゃない。そこでまずは姶良の方からなにか作戦を提示してほしいのだが」


 仁は姶良さんのことを呼び捨てでよびながらそう言う。

 たとえ初対面であろうと対等な関係なら苗字を呼び捨てで呼ぶ。それが仁だった。僕の時も、そうだった。

 突如として距離を詰められて、昔の僕はだいぶ戸惑っていたと思う。

 その点、姶良さんは全く動揺していなかった。

 仁に話をふられて、姶良さんは少しの間考えていた。

 そして、不意に顔を上げる。


「・・・施設はセキュリティー万全だから、入り込むには強行突破しかないと思う」

「・・・? 逃げるときはどうしたんだ?」

「・・・逃げるときはハッキングして扉の鍵をあけた。・・・けど、もう無理だと思う。同じ手は、通用しない」


 仁はそれを聞いて考え込む。

 そして顔を上げたと思ったら、深く息を吐いた。

 何だろうと思っていると、仁が口をひらいた。


「・・・これは、考えてもどうしようもないな」


 仁の言葉に、全員が首を傾げる。

 その様子を見ていた仁が、説明しようと口をひらく。


「強行突破てことは確実に気づかれるだろ? 壊すのなら明石が魔法でってことになるだろうしな。最初に強行突破ならその後も一緒だ。俺たちが取れる手は、強行突破一択ってことだよ」


 その説明に全員がなんとなく頷く。

 そうかなあとは思うものの、現状そうするしかないのも事実だ。


 その後、多少はいろいろ考えてみたものの、結局、作戦は強行突破になった。





 --あまりにもおおざっぱな作戦に、僕は笑うことしか出来ない。

 今回の作戦をもう少し詳しく説明するなら、僕の役割は少女の防衛である。

 少女をメインコンピュータールームまで送りこんで、そこで少女ができれば説得を、出来なければ物理的な破壊を試みる。

 言葉で言うのは簡単だなあと、しみじみ感じていた所だった。


「姶良さん、準備できてる?」


 僕の問いに、近くにいる姶良さんは小さく頷いた。

 仁と猫は、自警団本部で留守番である。仁が作戦を決めたのにと思わなくもないが、仁は戦えないので当たり前の判断だといえる。


 敵の戦力は、姶良さんと猫から聞いたかぎり警備ロボット多数。一対多の勝負になるだろう。

 できるかどうかはわからないが、やるしかない。


 僕はもう一度、姶良さんを見る。

 姶良さんは僕の目を見て、深く頷いた。


「いくぞっ」


 僕は走り出す。後ろに姶良さんがついてくるのがわかった。


 まずは、入り口を破壊する。

 僕の周囲に水色の粒子が飛び散る。魔法を使用するときの前兆だ。


 僕は、いかにも頑丈そうな扉に向かって風の固まりを勢い良くぶつける。

 暗い路地裏に、ドンッという重い音が響き渡った。


 ・・・扉はまだ、壊れていない。その見た目相応の耐久力があるようだった。

 だが、確かに扉は歪んでいる。


「もう一発っ・・・!」


 ドンッともう一度音が響く。

 その後、ガキッと何かが外れる音がした。


 扉は、開いていた。

 僕たちはそこに駆け込む。

 ・・・無事に、僕たちは施設への侵入を果たすことができた。


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