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科学魔法の自警団  作者: asutarisuku
猫と少女と自警団
4/53

3 少女の事情

いろいろあって、結構中途半端なところで終わってます。

続きはできるだけ早く上げれるよう努力したいと思います。

 僕と仁はパソコンの前にパイプ椅子を持ってきて座っている。

 猫は僕たちの準備が整ったとみるとしゃべり始めた。


「ネコが、検索補助プログラムってことは説明したよみゃ? ネコとしては説明は、もとが検索補助プログラムだったから、質問に答える方がやりやすいみゃ」


 その言葉に、事情が聞けると思っていた僕たちは肩透かしをくらう。

 固まっていた僕に変わって、正確にその発言の意図を読み取った仁が確認のために発言した。


「つまり、質問しろということか?」


 その言葉をなぜか猫は胸を張りながら肯定する。

 仁は、そんなもんかなあと少し釈然としていない様子だったが、その疑問は飲み込んだようだ。

 とりあえず、質問しろということならと早速質問してみる。


「そうだな・・・じゃあ、何であの子は焦っていたのか教えてもらおうか」


 僕の最初の質問は、僕が一番気になっていたことだ。

 ――出会った時からあの子はずっと焦っていた。そしてそれは、猫と再会したあとも変わらなかった。

 だから、あの子がなにを焦っているのか、それが分かれば僕になにが出来るのかが分かるような気がした。

 猫は、単刀直入に言うみゃ、と前置きしたあと答えた。


「ネコたちは、失敗したみゃ。本当は、お嬢は囮のはずだったみゃ」


 僕は、その言葉の意味するところを理解できなかった。

 猫は続ける。


「ああ、言葉足らずだったみゃ。そうだみゃあ・・・なんといえばいいのか、お嬢は、姐さんを助けようとしたんだみゃ」


 ・・・猫は説明があまりうまくないようだ。猫の答えを聞きながら僕はそう思っていた。

 仁が、見かねたのか会話に割り込んでくる。


「まず、その姐さんってのが誰なのかを教えてくれ」


 説明が下手ならひとつひとつ突っ込んで聞いていくしかない。仁はそう思ったのだろう。

 割り込まれた問いに、猫は一瞬の間をおいた後、答えた。


「姐さんは、あの研究施設のリーダー的な存在だったみゃ。そして、お嬢のことを一番心配してくれたみゃ。子供がしっかり頑張っているのに、私たち大人が頑張らなくてどうすんだいっていつも大人たちに言ってたみゃ」


 仁は、いつの間に取り出したのか手帳にメモをしていた。

 仁は手帳から顔を上げる。


「姐さんとやらのことはわかった。研究施設とか聞きたいことが増えたが、次は、さっきの話の続きだ。具体的にどうやって姐さんとやらのことを助けようとしたんだ?」


 僕は、情報を聞き出すのを仁に任せることにした。僕より、仁のほうが適任だと思ったからだ。ここで僕が質問しても、話が分かりにくくなるだけだろう。

 僕はパイプ椅子に深く腰掛けた。

 猫が仁の質問に答える。


「お嬢は、さっき言った通り囮になることで姐さんを間接的に助けようとしたんだみゃ。姐さんは、そのことを知らなかったみゃ」

「知らなかった? どういうことだ?」

「最初、姐さんはお嬢と一緒に逃げようと思ってたみゃ。けどお嬢はその話を断ったみゃ。つまりは、そういうことだみゃ」


 ・・・どういうことだ?

 僕が首を傾げていると、仁が呆れた顔をして言った。


「説明をあきらめるな。つまりどういうことだ」

「うっ・・・。つまり、お嬢は自分はまだ施設にいる必要があったけど、姐さんは逃がしたいと考えていたみゃ」

「なぜ姐さんとやらに言わなかった?」


 僕が抱いた疑問を、仁も抱いたようだ。

 猫は、そんなこともわからないのかと呆れたような顔をしている。

 その顔に苛立ちを覚えていると猫は理由を話し始めた。


「姐さんはお嬢のことを心配していたみゃ。そして、自分は大人だと、だから子供を守る責任があるといっていたみゃ。そんな人に自分が囮になると言ったところで、反対されるに決まってるみゃ」

「だから、言わずに影ながら助けようとしたが失敗したと?」

「そうだみゃ」

「・・・そうか。だが、なにがどうなればその姐さんとやらが逆に囮になることになる」


 仁の言葉に、猫は悲しそうな顔をした。


「それは、よくわからないみゃ。けど、明らかに姐さんたちは監視の目を意図的に集めてたみゃ。たぶん、姐さんか、一緒に逃げようとしてた人たちの誰かが、お嬢が逃げ出すことに気づいたんだみゃ。それで、お嬢が囮をやるなんて誰も思わないから、お嬢を逃がすために、計画を直前で変更したんだとおもうみゃ」


 傍観を決め込んだ僕だったが、とっさに声をあげてしまう。


「ちょっと待ってよ。姐さんがあの子を助けようとするのはまだわかるけど、なんで一緒に逃げよようとしてた人までそれに協力するのさ」


 仁は、僕が傍観に徹しているとなんとなく気づいていたのか少し驚いた顔をしていたが、僕の言葉に頷きをもって同意した。

 僕たちは、答えを求めて猫のほうを見る。


「それは簡単なことだみゃ。姐さんについていった人たちは、みんな姐さんの意志をくみ取った人たちなんだみゃ。みんな大人の責任をずいぶん重く背負ってたみゃ」

「・・・重く背負ってたって、そんな言い方はないだろう。まあ、すこし釈然としないが、そういうことにしておこう。結構話が本筋からそれたな。ずいぶんと聞くのが遅くなったと思うが、次の質問は、そもそもなんで逃げようとしたのか、ということだ」


 仁の質問に、猫はジト目をしている。


「本当に、聞くの遅いとおもうみゃ」

「お前が説明が下手なのが悪い」


 仁は即答した。

 猫は、人選間違えたかもしれないみゃ、とつぶやいた後、しゃべり始めた。


「姐さんが、逃げようと思ったきっかけは、研究施設に関係することだみゃ。だからまず、研究施設について説明しようと思うみゃ」


 僕たちは、少女が囮になった原因を聞くために耳を傾けた。

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