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三つ子・カイドウについて

作者: 雨風
掲載日:2026/06/03

駄文ではありますが、なんとか出力。

アカお兄ちゃん、名前だけサルビア兄さん、ルビィくんをお借り。

エミリーというオリキャラが出てきます。

★出会い


私の名はカイドウ。三つ子の一番下。

女に甘いサルビアと、狂犬のアカを見ているため、私はちゃんとしなければ…と密かに思っている。

常識人ぶって仕事をこなし、笑顔を振りまいているが 実は私は………。


「ねえ、そこの」

金髪を一つ結びにした女中を呼び止める。

「…?わたくしですか」

「きみ以外に他にいないでしょう。…お願いがあるんです」

そう、実は私は…。

「私のことを痛めつけてはくれませんか」


声をかけたかわいらしい女中は、エミリーと名乗った。私の突飛な提案にもちろんキョトン、としていたが…。

「……」

私が真剣な顔をしていたのだろうか、エミリーも神妙な面持ちに変わった。

「…第三王子の貴方は常識人に見えて、変わった趣味をお持ちなのですね」

「褒めている?」

「いえ…意外だった、と言いましょうか。…先程の提案なのですが、わたくしにはお受け致しかねますわ。わたくしは女中。頼まれ事だとしても、王子の顔に傷でも付けたら、わたくしは……」

「……」


絶対に許されない関係だからこそ、私のことを痛めつけてほしいのに。

…ということは流石に口にできなかった。

「それよりカイドウ様、お庭で取れたいちごでジャムを作りましたのよ。ヨーグルトやパンと一緒にいかがでしょう」

「…ああ、いただきます」

さっきの提案はまるでなかったかのような笑みで私は応えた。


★ある日


「……カイドウ様」

エミリーの声だ。後ろを振り返ろうとする。

「…な」


パァン。

空気を割くような音。痛む頬。


一瞬状況が掴めなかった。

「…」

頬をはたかれたのだ。

「…エミリー?」

「あなたの後ろ姿を見て前に仰っていたことを思い出して。…申し訳ありません!身分を弁えず…」

エミリーが何か言いかけるのを遮るように、近くにあった部屋に彼女を連れ込みドアを閉めた。

書斎だ。王宮なのでそれなりの数の本が収蔵されている。知識は力になる。私はそう思っている。

「カイドウ様、何を…」

「嬉しいよエミリー。その調子で私のことをもっと…」

本をまとめる際に使うロープが視界に飛び込んできた。

私はそれを手に取り、エミリーにこう言い放った。


「これで私を縛ってくれないか」


エミリーは目を丸くした。嘘でしょう!とでも言いたげだが、私は少し不思議に思った。

「私をはたいたのは他の誰でもなくきみだろう。大人しそうなきみが、私の後ろ姿を見て自発的に行ったことだ。…きみは自分でもわからない心の奥底に、加虐心を抱いているのでは?」

「カ、カイドウ様…?」

ロープを左手に持ち、私は彼女に迫る。

「エミリー、私はね。きみのような大人しそうな人に好きにされたい、そうゆう心を奥底に飼っているんですよ」

窓際に彼女を追い詰める。暖かい陽の光が、このシチュエーションとはまるで真逆のもののようで少し可笑しくなる。

「カイドウ様…!やめ…」

「コラァ!!!!!!カイドウ!!!!!」

バァン!とけたたましい音を立ててドアが開け放たれた。私とエミリーが驚いてその方向に目をやると、アカが仁王立ちをしていた。

「アカ!?」

組んでいた腕を解き、彼はズカズカと近づいてきた。

「なにやらニヤついた顔で使用人を書斎に連れ込むのが見えたから、よからぬことでもするのかと思って、後をつけてきたんだよ。そしたら…お前 何をさせるつもりだったんだ?怯えてんじゃねえか、可哀想に」

「……」

エミリーは目を伏せ、俯いている。

「…はぁ。興醒めです」

私はエミリーから距離を置き、手にしていたロープを放り投げた。

「不快な思いをさせてすみませんでした、エミリー。…うっかり私の心の内をさらけ出してしまいましたね」

「お前本当に何させようとしたんだよ…」

エミリーを一瞥する。目が合った。

私は人差し指を唇に当てた。

「秘密ですよ」

ぱんぱん、と手を叩き、重たい空気を晴らそうとする。

「エミリー、この前くれたいちごのジャムはまだあります?あれ とても美味しかったから、アカにも是非食べてほしくて」

「え?あ、ええ…まだたくさんありますわ」

私は優等生ぶった笑みを浮かべる。

「じゃあ、サルビアとルビィも呼んでおやつにしよう。人数は多い方が楽しいでしょうから」

そうしようそうしよう、とエミリーを促しながら歩き出すカイドウを見ながらアカは

(常識人ぶってるけど、本当はお前も結構ヤバい奴?)

と思わずにはいられなかった。

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