08 これから何をしようかな?
ああ…7月中に投稿したかったな〜
8月になってしまった。
生活習慣変えないと、このままだとやりたいことできない!
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あ〜…だるい…とにかくだるい…。
負荷をかけすぎて、いくら治しても良くなることはない所までいっている。
これは早く身体を再構築した方がいいな。
データの海に飛び込んでから約四十時間四分。
重いまぶたを開けた。
あれ…?タウがいない 。
「レン…大丈夫?起きてる?」
∑の声だ。
「起れてない…身体が動かない…それよりタウは大丈夫なの?」
「タウの方は、脱水症状以外なんともないみたいだよ?」
どうして脱水症状になってるんだ?
「汗と涙で水分不足になってるらしいよ〜」
感情が物理ダメージとしてこちらにきて、タウの方に感覚がいったのか…。
身体をゆっくりと動かそうとしても、ビクともしない。
「今…自力で動くと関節がパージしそう…」
「今車椅子持ってくるよ」
「ありがと∑」
∑が部屋を出る入れ替わりで、今この施設にいる私が作った[彼女たち]とアプルそれからクーロとラン、次にタウが見知らぬ少女に支えられた状態で入ってきた。
「全く…なんでも勝手にしないでよ…心配したじゃん」
頬を赤くして膨らませながら、アプルが怒ってきた。
まるでリンゴみたいだ。
「ごめん…いつもの癖でやっちゃった。てへっ☆」
「『てへっ☆』じゃないよ?!こっちは何日も起きてこないから心配したんだよ?」
「それはそうと、みんなで何しに来たの?」
「なかなかこないから、こっちからきたんだよ」
誰だろう、このボーイッシュな少女は?
いやどこかで見たことが…。
いや…無理に思い出すのはやめておこう…。
さらにだるくなるから。
「オレは、クウカだ。こんな見た目で分かんないと思うが、転生者する前はアーモっていう名前だったらしい」
「らしい…か…」
「なんか…腑に落ちない顔をしているな…?」
ああ…だって…。
「あんたを死なせた覚えは無いのだが?」
「え…?」
αの記憶を見た時に出てきた、もう一人の自分。
別次元の自分だが、辿ってきた道はほぼ同じであろう。
ならばその別次元にも、同じ存在はあるはずだ。
そうなるとフレアの魂の転生は、別次元の世界のフレアがアプルに転生したことになる。
これで、魂の回収が出来なかったことも辻褄が合う。
元から消滅して出来なかったんだと。
少し頭が軽くなった気がする。
「ボクのαの記憶をさっき見たんだけどね?…ボクとほぼ同じ存在がいたんだよ〜…」
「つまり、どういうこと?」
「君たちは、別次元の自分と関わりがあるだけで、今ここにいるボクとは何も関わりはないということだよ」
ボクは私…私はボク…たとえ記憶が混ざり合おうとも…自分自身の記憶を忘れてはならない。
私がボクである限り…。
「それじゃあ…私が転生する前の世界のレンは、あなたじゃないってこと?」
アプルが、少し不安な顔つきをして聞いてきた。
「そういうことになるね?まぁ…そんなこと、どうでもいいんだけどね〜。ボクとしては、君という存在がいるだけで、嬉しいんだから〜」
「そっか…そうだよね!レンがそういう奴なのすっかり忘れてた…」
今のアプルは、正直複雑な気持ちだろう…。
「お母さん…私たちはどうなの?」
「[η]は自分で考えてみてどっちだと思う?」
ボクのことを『お母さん』と呼ぶのが、[シグマ・η]である。
彼女は、私がつくった中でも異質な形をしているのが特徴的だ。
何が特徴的かと言うと、細胞が暴走しているのにもかかわらず、自我を保ち、その暴走した細胞すらも自由自在操ることができることだ。
まぁ…見た目がアレだから、同じ世界に転移させられて、何も危害が無いことに、ボクはほっとしているのだが。
「ボクも[ε]も[θ]も[ι]も…お母さんと変わらないと思うよ?」
「ふふっ…やっぱりボクと変わらないな」
「そうなるようにボクたちをつくったなら、当然のことじゃない?」
そう言って笑っているのは、[シグマ・ι]。
彼女は、色々なものを開発したり、研究したりしている。
今のιにかかれば、ボクのダミークローンをつくるぐらいなら朝飯前だろう。
「それもそっか。って…あの二人は何をしているの?」
あの二人というのは[シグマ・ε]と[シグマ・θ]の二人のことである。
「辺り一帯を更地に変える爆弾を作ってるんだよ?」
「あんな場所もう必要ないでしょ?」
「?」
話が噛み合ってない?
なんの話をしているのだろうか?
…ああ、わかった。
私が目覚めたあの場所か…。
ということは…どうやら2人は、あそこにいた機械兵器を吹き飛ばすことを考えているのだろう。
「二人とも‼あそこはまだ…」
「マスターの居場所を知ってて教えなかったのが悪い。知っていればあんなことになることはなかった」
「そうだそうだ〜」
アプルが何か言おうとするも二人に阻まれた。
「うう…」
涙目になっている。
彼女だって万能じゃない。
だって…いくら転生者とはいえ、普通の人間であることには変わらない。
ボクたちとは違うのだ。
「持ってきたよ〜。って…あれれ?みんなどうしたの?」
∑が車椅子を持ちながら部屋に入ってきた。
「その…隊長が上手く伝えなかったことが、裏目に出たみたいで…」
ランが小さな声で∑に話した。
「ああ…あれのこと?ランとクーロも知らなかったんでしょ?」
「うん…あの時は施設の警備が任務だったから…」
「そうだな…。そういえば、なんで俺たちはあそこに行けたんだ?」
「実際…あの施設自体、アクセス権がおかしかったからね〜…。あの襲撃が起きて全て最低ランクになったんだと思うよ?たぶん、アプルの狙いもそこにあったんだと思うし…」
「………」
それを聞いてεとθは静かになった。
「デロータと契約を交わしたんでしょ?アプルもタウも…」
「うん…」
「三人はボクを治すために…色々手を尽くした…。だけどデロータはもう誰も信じれなくなってしまっていた。力の代償は必ずくる…。それが本人の意志とは無関係でも…」
デロータにとって、ボクは光のような存在だったのだろう。
光を守るため、さらなる闇に落ちていく。
「契約を破らずボクを救うには、この方法しか無かったのでしょ?」
「本当に…なんでもお見通しだね…」
グゥー…
「?」
そういえば、お腹空いてたんだった。
「この話はこれぐらいにして、何か食べよ〜」
「そうだね〜お腹空いちゃった!」
「「レンお嬢様お身体をお持ちします」」
∑とアプルが同時に言ってきた。
「ボクはお嬢様って柄じゃないでしょ?まぁ…よろしく頼むけど」
ボクは二人に抱えられて、車椅子に乗せられた。
「それじゃあ、みんなでしゅっぱーつ」
さて…何があるだろうか?少し楽しみだ。
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車椅子を∑に押してもらいながら、ついた部屋は、懐かしいリビングだった。
元の世界でホコリを被っていてボロボロだったテーブルも、この世界ではピカピカのままだった。
「そっか…この世界ではそんなに年月がたってないんだった…」
「レンの世界は、どれくらいたってるの?」
タウが聞いてきた。
どれくらいたっているだろうか?
千年…いや一万年ぐらいだっただろうか?
忘れた…いや…正確に覚えてないだけか。
「約一万年ぐらいたってるよ?正確に言うと一万二年だね〜」
∑がそう答えた。
よく覚えてるな…。
気にしてなかったし、僕たちの年齢とは違うからな〜。
車椅子が止まった。
「ボクはここの席なの?」
他の席が見渡せる、一番端の場所だ。
「だって、この中でも一番歳上でしょ?」
「だからこの席なの!」
「じゃあ…誰か付き添ってくれない?手が動かせないから」
ボクがそう言うと、クーロ以外のみんなの顔が、こっちの方にむいた。
この目は…獲物を狙う目だ。
「ボクのために、喧嘩はしないでよね?」
「大丈夫…これは喧嘩じゃないから…」
「これは…戦い…誰がレンに『アーン』をさせるかの戦いだから…喧嘩じゃないよ?」
そっか…みんな元気だね〜。
「止めなくていいのか?」
「うん、すぐに終わるから大丈夫だよ」
だって…ジャンケンで戦っているのだから…。
思考の読み合いで、超高速で繰り返されるジャンケン…。
「うっ…負けた…」
ランがショックで、ドロドロに溶けているそのの横で∑の声が聞こえた。
「まぁ…ボクはレンの目だがら、必然的に『ボクが』レンの隣になるんだけどね〜」
いつの間にか∑が、ボクの横の方に椅子を持ってきて座っていた。
「「「「∑…‼いつの間に‼」」」」
εηθιの四人がいっせいに声をあげた。
「そうなると…もう片方の隣は、タウになるね?」
「ボクでいいの?アプル?」
「いいよ?だってレンの隣には∑がいるじゃん」
「そっか〜!やった〜お姉ちゃんの横だ〜!」
「「「「なんで勝手に決めてるの?」」」」
息ピッタリだな…さすが自分‼。
頬を膨らませている彼女達は、この身体が動くようになった時、思いっきり撫でてやろう。
「みんな!席についた?」
「ついたよ〜」
料理が行き渡るのを確認した。
量が多くすごい豪華だ。
「それじゃあ…いただきます〜‼」
「『いただきます』」
こんな人数で食卓を囲むのはいつ以来だろうか?
そんなこと…どうでもいいか。今はとにかくご飯を楽しもう。
「レン〜口開けて〜」
ボクは差し出されたお肉大きなを、口いっぱいに頬張った。
ああ…幸せだな…。
ボクはそう思いながら、差し出された食べ物を次々と食べていった。
とにかく多くの人に読んでもらいたいな〜
まだまだこれからだけど…。