07 共有ストレージ
夏休み入ったので更新ペースあげたい‼
けど…就活もしないといけないし…動画投稿もしたいし…3Dソフト使ってモデリングもしたいし…
やること多すぎるだろ‼
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この国はあまり好きではない。
元の世界にいた頃からそうだが、よく[真似っ子]する国だ。
そう、あの人たちのクローン…いや…まがい物を大量生産した国だからだ。
その技術にはレン姉の技術も使われている。
どうやら、この世界でも変わらないようだ。
私は知っている。
だって、私は『そこ』で生まれたのだから。
この国は、嫌いだ。
だが、この国の王子とマスターには感謝しないといけないな。
私を外に出してくれて、他の兄弟たちも助けてくれたからだ。
だから私は、王子とマスターに従う。
戦争を終わらせるために。
今日は、王子から頼まれた仕事の初仕事だ。
私は教室のドアを開け、教壇に立った。
「おはよう諸軍、またせたな…本日付で、このクラスの魔法講師となった、シグマ・ξだ」
生徒を見渡しながら挨拶をした。
みんな私を見て、驚いた顔をしている。
声は幼く、身長は同じぐらい、こんなやつが講師をするんだ。
誰だってそんな顔をするだろう。
「なんでお前がここに?!こんな奴…魔法講師だとは認めない」
そう言ったのは、私と同じぐらいの身長の、少し悪ガキな少女だった。
こういう時は、実力を示すのがちょうどいい。
ああ…めんどくさいな…私だって本当は遊びたいのに…。
「うるさいよ?口を閉じないと、ここで最後にするよ?」
「こいつ‼」
「そんなに死にたいの?」
「は…?」
その場が凍りついた。
空気が?いやそのまんまの意味だ。
「あ…足が…足の感覚が…」
「私だって…こんなことしたくないんだよ?」
「だったら早く解いてくれ!謝る!謝るから…」
「嫌だよ?キミたちの教育をしないと戦場に行かされるから」
「なっ!」
「安心してよ…死なせないから…」
「やっ…やめ…」
徐々に凍らせていく。
「先生…いくらなんでもやりすぎだと思います」
彼女このクラスの学級委員長だ。
「そう?」
「このままだと本当に死んでしまいます」
「大丈夫だよ?この魔法は凍らせてるわけじゃないから」
「あ…あれなんともない?」
不思議そうな顔をしている。
「一定値の恐怖の感情で、パニックを起こさせてその間に相手を洗脳する魔法だよ。威力は弱くしてあるから死にはしない。これは…黙らせるのに最適だね…だが実戦向きでは無いか…」
少し実験として使ってみたが悪くない。
「そんな魔法聞いたことがない…。ちょっと待ってください…。今言ったことだと、生徒を実験台にしたんですか?!」
委員長が私に問いかけた。
「まあ…キミの言う通りその通りだよ?」
「なんてことを‼それが講師としてやることですか?!」
「ああ…そうだな…だが、『間違ってる』とは言えないよ。私にだって復讐する権利ぐらいあるだろからね?」
「だからと言って…」
「これで彼女は私に従うのだ…それでいいだろ?」
委員長は口を閉じたまま何も言わなくなった。
これ以上言っても変わらないと、判断したのだろう。
「最初に言っておこう。私はキミ達とは違う存在だ。簡単に言えば私は[旧世界の兵器]でありながら[史上最悪の化物]でもある。それに付け加えて[転生者]ときた…。どれだけ規格外の存在かわかるか?この国の王は、戦争に利用しようとするだろう…。だが今は、王子のおかげでそれは避けられている。それも時間の問題だ…。だからキミ達が集められた。この国を変えるために‼私達がこの世界の最高戦力になるんだ‼わかったか‼」
私たちが戦うのは今ではない。これから起こる未知との戦いである。
「さて…気を取り直して…みんなに自己紹介をしてもらおうかな?まずは一番前のキミから順番にね〜」
私は一番前の生徒に指を指した。
「はい、私は[テクターゼ]と言います。名刀を集めることが趣味です」
名刀か…この世界にはアレはあるのかな?
けして折れないと言われている[シュツルムクロムシリーズ]の刀…。
ボクたちの武器でもあり天敵でもあるんだけどね…。
「[ミスティル]…です。よろしくです…」
宝石みたいな目をしている…キレイだな。
「[エウリアス]だ。よろしく頼むぞ教官殿」
お父さんは軍人さんかな?なにかの影響を受けていることには変わらないだろう。
「[ヨルバ・ウォレック]名前の通り貴族ですが、ここでは位なんて関係ありません…。ビシバシと教え下さい!」
「[ヨルバ・エルサイド]です。姉と同じく私も遠慮は入りません、よろしくお願いします」
双子か〜…そういえば、あの人たち兄弟五人のうち二人は双子だったな〜。
「[ハザ]は、ハザだよ〜。みんな仲良くしてね〜」
マイペースで、可愛い。
「…[イオリット・ヘラルゼス]…」
さっき私に突っかかってきた少女だ。
イオリット…どこかで聞いたことがある名前だ…。
ああ…あの人と一緒か…。
私を…私たちを『研究』してた1人だ。
この世界で初めて私を起動した、私のマスターの名前と一緒だ。
そういえば、さっきの口振りからして、私とどこかで会ったのだろうか?。
「そうだな…ターミナスって知ってる?」
「オイラの親父の名前だ‼やっぱりお前…」
「キミがマスターの子供だったのか…。何か勘違いしているみたいだけど…、君のお父さんは『私のマスター』であって『私のお父さん』じゃないよ?…それにあの人は、キミを見捨てたわけじゃないよ?」
「それじゃあどうして、親父はオイラのことを避けるんだ‼」
「キミを守るためだろう?そもそも、ボクたちのことを、軍事目的で使用しようとしたこの国が悪い。軍事目的で使用させないためには、何も知らないふりをしなくてはならない…。だから家族とも距離を置いているんだよ…。まあ…私がここにいる時点で意味はあるのか疑問に思うのだがね?」
「…」
「この話は後でしようか…二人っきりで…。えっと…次は誰かな?」
さっき止めに入ろうとした委員長だ。
「[ステイオミ]です。ご存知だと思いますが、クラスの学級委員長を努めさせてもらってます。先程は…」
「ああ…あれは気にするな。私自身こういうことは初めてだからな」
「わかりました…。なにか手伝えることがあったら言ってください」
「ありがとねステちゃん」
「ステ…ちゃん?」
ステイオミだからステちゃん。
他の子も呼びやすくしようかな?
ヘラルゼスは、ヘラル。
ハザは…そのままでいいや。
エルサイドは、エルサ。
ウォレックは、ウォレ。
エウリアスは 、エウリー。
ミスティルは、ミスティー。
テクターゼは、テクター。
うん…これでよし。
「先生〜今日は何をするの?」
「今日は、早速実戦でもしてみようか〜」
「え…」
「そんな難しいことじゃないから、安心して」
「どんなことをするのですが?」
「この城に爆裂魔法を仕掛ける!」
「はぇ…?」
最初の授業は、頭を潰すことを覚えてもらおう。
これがマスター達の助けになるのだから。
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この世界では、[転生者]は特別な存在だ。
だからといって、いい暮らしができるとは限らない。
私は、本を広げながらそう思った。
「すまないな…[アリス]…いや…π…」
この世界での父だ、優秀な騎士だが不器用な性格が難点だ。
私が生まれ、母を亡くしてからは、親子関係は上手くいってるとは思わないだろう。
「無理して昔の名前を言う必要は無いですよ?」
「そうか…」
「要件はだいたい察しが着きます…。戦争に行くのですね」
「ああ…」
「お兄様にまた羨ましがられますね…。そんないいことでもないのに…」
「その事なのだが…」
先の考えを読むのは、私にかかれば朝飯前だ。
「『私を連れて行きたくはない』と…いうことですか…」
「そうだ…」
「迷いがあるのなら、どちらかに割り切って下さい。[戦友]か[我が子]か…。まあ…どちらにしても、私は戦争に行きますけど。大丈夫ですよ…私はそんな簡単に死にません」
「…」
私は椅子から立ち上がり、父親の頭を撫でた。
「そんなに難しく考えなくていいですよ?それに今回の戦争は[こちらが側]の血は流れませんから」
「すまない…」
「一人で抱え込むことは無いですよ?全て私に吐き出してください」
「本当はまだ、お前を戦争に行かせるのが怖いんだ…また…大切なものを無くしてしまいそうで…」
「…」
「情けないよな…こんな父親で…」
「そうは思いませんよ?あなたは優しすぎるとは思いますが…」
そう言って私は部屋のドアを開けた。
「お兄様にしばし別れの挨拶をしてきます。それでは、また後ほどお父様」
部屋を出て扉を閉める。
こんな時に、別の世界で兄弟が死ぬとはな…。
パスが途切れていてもわかる、この不快感…。
これが[本当の死]…代わりの肉体にも代われず、ただ苦しみ、もがき、抗おうとする身体。それら全て無駄になるこの感覚…。
あまりいいものでは無いな…。
不快感だけで済んでるのは、レンのおかげだろう。
立ちくらみのように視界がふらついた。
「アリス…‼しっかりしろ‼️」
「おにい…さま?」
兄の[アクノス]が私の体をささえた。
「どうした?何があった!?」
「[本当の死]が…ここまでひどいとは…」
「何を言って…?」
震えが止まらない。吐き気が酷くなってきた。
「…とりあえず、部屋に運んでやる」
そう言ってお兄様は、私をお姫様抱っこで抱き抱えた。
「すいません…お兄様…」
私は落ち着きゆっくりと目を閉じた。
そういえば質問箱してます。
何か質問ある方はこちらに送ってもいいです。
https://peing.net/ja/yadokarimaguro