03 エラーコード
遅くなりました…
ほんとにごめんなさい…
最近youtubeでゲーム配信始めました…
とにかくコメントがほしいです…
どうも夜マグロです。
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とある世界のかたすみに、一人の少女が住んでいました。
少女の名前は[シグマ・レン]。
シグマには、離れて暮らす兄妹がいました。
ある日の夜のこと。
シグマの耳に『兄妹がバケモノに殺された』ことが届きました。
シグマは、バケモノを倒すべく軍に入ることを決心しました。
幼馴染の[アプル]と共に軍に入ったシグマは、次々と任務をこなしました。そして、シグマは[シグマ部隊]の隊長となり、アプルは副隊長になりました。
それから数週間がたったある日のこと…
基地内に警報が鳴り響きました。
シグマとアプルが調査に向かうと、そこには、シグマの兄妹とそっくりな顔をしたバケモノがいました。
「私の名前は[デロータ]私は君達を苦しみから解放するために…この世界を私色に塗り替える‼」
デロータと名乗るそのバケモノは、
そう言って辺りの兵士を殺しました。
仲間が次々と殺されていく中、シグマとアプルは物陰に身を潜めて反撃の機会をうかがいました。
反撃の時、二人は同時に引き金を引きました。
シグマが撃ったライフル弾は、デロータの左肩アプルの撃ったミサイル弾は、デロータの右腕に当たり、同時に吹き飛ばしました。
「これがキミたちの答えなんだね…」
デロータは少し悲しみながらも、嬉しそうな声で言いました。
それを見たシグマは、一人でデロータの方に向かい、ナイフを一本投げ渡しました。
「どっちが正しいかこれで勝負しよう…」
そう言って、シグマはナイフを構えました。
二人は口元を吊り上げナイフの刃を交えると、目に見えない速度で互いのナイフを受け流しました。
「これで終わりだよ…」
シグマはひとつ後ろに下がり、全身に身体が弾け飛ぶほどの力を込めました。そして、デロータをナイフを持った手で殴りつけ、ついにデロータを倒しました。
こうして世界に平和がおとずれました。
シグマは目立つのが嫌なので旅に出ました。
そんな彼女は、世界を救った英雄として人々に語られるのでした。
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「この英雄譚が書かれている絵本の絵が人型だったんだよ〜」
ランは絵本を懐から取り出した。
「なんでそこにあるんだよ!」
「お守りみたいなものだから…」
クーロがツッコミを入れると、ランは嬉しそうに答えた。
「それにしても、どうしてこの子がデロータだとわかったの?」
「彼女の一部で一番大事な部位だからね〜……
デロータの情報が欲しいからその子、貸してもらえる?」
「いいよ」
そう言ってランからデロータを受け取った。
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まずは彼女の記憶をたどる。
彼女がこの世界に来たのは十年前…
この時あるシステムがエラーを起こした。
[コードアンチゼロ]…
あの人たち、兄妹を殺すために作られたシステムだ。
デロータの場合、そのシステムが封印されていたのにもかかわらず 、時間歪曲の影響で機動してしまった…。
そして、この世界の兄妹を殺したのだろう…
それからというもの、システムは暴走を続けた…
それはこのまま止まらないかに思えた…しかし、ある出来事で変わったようだ。
ボクのことを見つけたのだ。
その時の映像を解析すると、あまりにも酷い状態だった。
「うわぁ…」
その映像に映っているボクは、両手両足共に潰れていて、首も有り得ない方向に曲がっていた。
そんなボクを抱き締めながら、デロータは赤い涙を流していた。
少し時間がたち、空を見上げる彼女の顔には笑顔があった。
それから、ボクを背負って歩き始めた。
どこへ向かうのだろうか?
座標を確認する。
指定されていた場所は、ボクが今いる場所だった。
そして、終末戦争でのもう一人の自分との交戦を最後に、ログはここで途切れている。
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記憶を見終わると、役目が終わったかのように手から零れ落ちた。
彼女は…もうここには居ない…
「無くなったね…」
「彼女は役目を終えたから……。ラン…あの子…デロータを見つけてくれてありがとね…」
ボクはそう言って、ランに抱きついた。
するとランは、ボクの頭を撫でた。
「泣かないの?泣いてもいいんだよ…」
「嘘泣きなら得意だけど…ボクは…泣きたくても涙が出ないんだよ…」
「そっか…」
「そろそろここを離れようか…アイツらも来そうだし…」
「そうだね」
「ラン、隊長から無線があったんだが…その二人を連れて座標まで来いだとさ」
「そうなんだ…二人はどうする?」
「ボクもΣもついて行くよ〜」
「そっか〜それじゃあ急いでいこうか…遅れると怖いし…」
こうしてボク達は、指定された座標にむかって歩き始めた。
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指定された座標に行くと、誰かの声が聞こえた。
「やっと来た〜こっちから迎えに行こうと思ったのに…」
声がした方向を見ると、赤い髪をした少女が手を振りながら駆け寄ってきた。
その少女は、雰囲気がどことなくフレアに似ていた。
「隊長!」
「ランとクーロ…二人とも無事で何よりだよ。Σも目的を果たせたみたいだね!」
「これはキミの目的でもあった…。だからボクが
失敗することはない…そうでしょ?」
「Σ…知り合い?大体の予想はつくけど…」
「この人がいなければ、あそこにはたどり着けなかった…初めて会った時、まるで自分自身と話してるみたいだった…だからレンも知っていると思う…」
「そっか……それなら彼女が[アプル]か…いや…『久しぶりだね[フレア]ボクに殺されてからどこにいたの?』とでとも言うべきかな?」
ボクがそう言うと、赤い髪をした少女…アプルは、涙を浮かべ笑いながら抱きついてきた。
「仕方ないじゃん…私だって…キミとずっと一緒がよかった…でも…気づいたら、赤ちゃんだったんだよ…」
「転生か…なるほど…そうなるとボクがここに来る未来は決まっていたのか…キミとは縁が切れないから…」
「レン…私の願いは叶えてくれた?」
「そこにいるよ…?」
「え…」
ボクはΣに指を指した。
「Σの中にはキミの記憶が入ってる。本当だったこの身体にキミが入る予定だったんだよ…」
「そうなんだ…」
「だけど…これでよかったのかもね…だって…この世界に来ることが出来て…ボクがもう一人いるんだもん‼」
「なんか嬉しそうだね…私だけ泣いてるのに…」
「仕方ないじゃん…キミのせいで涙が出なくなったんだから…」
君を殺した感覚は、忘れたくても忘れられない…。
「あの時か…あの事はレンのことを信じなかった私が悪かったよ…」
「…いや…違う…終わったことを言ってもしょうがない……あの兵器はここにはないよね?」
「ないよ、この世界には奴らは生まれていないよ。産まれる前に滅びたから」
「そっか〜…そうだよね…この世界では二つの世界が滅んでいるんだもん…」
「誰か教えてくれたの?…って顔色がすごく悪いけど…大丈夫?」
「やばいかも…頭が熱いし…痛い…自分達から記憶共有がいきなり来た…それに…これは…」
ボクはアプルに抱きつくように倒れた。
データの処理が出来ないのは初めてだ。
汚染地域に壊れた装備をつけて、長時間居た時よりも酷い気持ちが悪い…吐きそうだ…。
「レン…?!」
薄れゆく意識の中、焦るΣの顔が見えた。
ボクは思う…コレだからイレギュラーなことは、面白くて嫌いなのだと…。