28 何回目の軍事学校
お ま た せ
ここから2章です。
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ベットから目を覚まし、目覚まし時計を止めた。
ボクは、朝食のサンドイッチを食べながら、学生寮を飛び出し学校へ向かった。
久しぶりという不思議な感覚を感じながら。
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━━━キーンコーンカーンコーン━━━
学校の朝のチャイムが鳴り響く。
ボクはいつも通りの時間に席に着き、いつも通り目を閉じ机に伏せる。
教室では色々な話しが聞こえてくる。
恋バナ、ゲーム関連、好きな有名人、昨日の出来事など…。
その中に混じってある話が聞こえてくる。
「あの子が来てるよ!?」
「シグマちゃん…見ない間に雰囲気変わったよね…」
「厨二病になったんじゃ…」
「いや…それは元からだから…悪化したと言った方が正しいんじゃないか?」
「胸が成長している!?」
ああ…ボクのことか…。
ドタドタドタと足音とともに、教室のドアが行き良いよく開かれた。
視線がそちらに集中する。
「ハァ…ハァ…ハァ……おい…!オレを置いていくなよ!」
「あぁ…わすれてたよ…アーm……クウカ」
「おまえな…あれだけ『オレが起こしに行く』って言ったよな…。なのになんで居ないんだよ!!」
「『いつも通り』にしてたからね?」
「いつも通りって…?何言って…?」
「いつも通りだよ〜『ボク』にとっての…ね」
「!?」
クウカは身震いをした。
「そういうことかよ…」
ボクが彼女であることに変わりはないのだ。
タウがボクに干渉して互いに会ってる時点で、ボクは彼女になれるのだから。
「早く席に行った方がいいんじゃない?」
「そう…だな…」
そんな彼女とのやり取りが、周りから不思議そうな目で見られていた。
その中に、何があったのか聞きたそうな顔をしてる子が数名いた。
後でからかいに行こうかな?
1時間目はこの前サボった射撃訓練だ。
更衣室に行って着替えて来なければならない。
「クウカ〜」
眠そうな声で彼女を呼ぶ。
「…なんだよ」
「……おんぶ」
「…」
「…おんぶ」
「…はぁ…わかった…お嬢様」
そう言って彼女はボクを背負った。
身体を彼女の背中にこすりつける。
「!?…なにして!!」
「マーキング?キミは今はボクのものだから」
クウカは顔を真っ赤にしている。
「ほ〜ら行くよ〜」
「…むぅ」
更衣室についた。
ロッカーは…あった。
開いて服を脱ぐ。
「レン…やっぱ綺麗だな…胸もあるし…」
クウカはそう言いながら横で着替えている。
「新しいからね〜この身体〜。まぁ…胸はιに盛られたけどね〜」
「こうしてみるとやっぱりアイツと違うな」
訓練用の服に着替える。
少しキツイな…。
前は、つるんすてーんまではいかないが、手に収まるほどだったのに…。
こんなに実らされて…まったく…。
「…エロいな…みちみちしてるし…」
「タウの匂いがする…ふぅ…」
「やっぱりヘンタイだな…」
「今頃気づいた?」
装備を確認して、ロッカーを閉める。
準備完了
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訓練所に行くとチラホラ、クラスメイトが集まってきた。
ほかのクラスの生徒も集まってきている。
周りから視線を感じる。
そんなに異質だっただろうか?
「人気者だな」
「少し学校休んだだけなのにね〜…。いつもこうなの?」
「そんなことないぞ、レンの変わりように驚いてるんじゃないのか?」
意外と周りから見られてたのか…。
「おはよう、諸君…。今日の射撃訓練は…そうだな…」
教官の方に全員が視線を向ける。
やっとはずれた。
「シグマ・レン…お前が指揮をとれ」
「は…ぁ……?」
また視線がボクに集まった。
あの教官はボクに何を感じたのだろうか?
いや…アプルの差し金か…。
「Fクラスのアイツが指揮だぁ?出来るわけねーじゃん」
「どうしてFクラスのやつなんかに…」
一部のクラスから批判が出てきた。
まぁそうなるだろう。
━━━バンッ━━━
上空に空砲が放たれる。
「ああ…そうだ、シグマ・レン。これからの授業は合同演習がほとんどになる。お前が全部の指揮をとれ…と理事長が言っておられた。正直、私からしたら頭が狂ってるとしか思えないのだが…。やれるのか?」
「ご命令とあらば…ご覧に入れて差し上げましょう」
と言ったものの、何から始めようか…。
とりあえず的を撃つ基本的なものでいいか…。
指示を出す。
従う生徒とそうでない生徒…半分半分といったところだろうか…。
S、A、Eそして我らがFクラスとその他のクラスの数名は指示通りに動いてくれるのだが…。
まぁいいか…。
高台の方で見ていると、一人の生徒が話しかけてきた。
「シグマ・レンさん…、いいえ…指揮官。あなたはいいのですか?」
「えっと…あなたは…生徒会長ですよね?」
タウの記憶でうっすらと覚えてる。
「はい、そうです。生徒会長をしている、[ストストラ=レーバテイン]です。『ストレバ』とおよびください…『英雄様』」
「わかった…だけどボクは英雄様なんかじゃないよ?…まぁあの子に言っても違うと言われるだろうけどね」
「?」
「いや…こっちの話だ」
「ころころ変わる、面白い方…」
「それよりも、ストレバは終わったの?射撃訓練のタスク」
「はい、終わりました〜」
「さすが『Sクラス』の実力者」
頭を撫でて褒める。
「ほぇ?!そ…そんなこと無いですよ!」
身体をくねらせながら照れている…。
絶対に他人には見せられないだろう。
「レン、おまえの番だぞ〜!」
クウカが呼びに来た。
「ここからやる…当てるだけだから…」
「え…さすがにおまえでも…ここからじゃ…」
ハンドガンを構える。
適正射程外だが、弾が当たればいいのだ。
━━━━バンッパンッバンッ━━━
何発か弾を撃つと、遠くの的が全て倒れた。
生徒たちがザワついているのが見える。
再度ターゲットが現れる。
次はアサルトライフルに持ち変えて、バースト射撃で撃っていく。
それを何回か繰り返す。
あ…ほかのレーンにあるやつも撃ったみたいだ。
あの人には後で謝っておこうか…。
「やったな…おまえ…」
「思う存分やっていいって言ってたじゃん」
「だからって…」
「見えるからいい…。訓練なんだから実戦と変わらないでしょ」
化けの皮も猫を被るもボクにはないからね。
「後でレポート書いておくか…」
「?」
「全員が終わったら報告よろしくね」
「わかりました」
「仕方ねえな…」
全員終わるまでゴロゴロしよう。
「オイ、おまえ…。オイ、聞いているのか!」
「ん…誰ぇ?」
いつの間にか寝ていたみたいだ。
この身体になってから、眠くなる事が多い。
目を擦りながら伸びる。
「Fクラスのクセに…良い気になってんじゃねぇ!!」
あぁ…殴りかかろうとしているのか。
確かに訓練中に居眠りは良くないな…。
そう思いつつオデコで受け止める。
「痛ってぇ!テメェ…クソ…腕がぁ!!」
目の前でのたうち回っている。
さすが普通の人間だ…脆すぎる…。
彼の右腕は肩から手にかけて使い物にならなくなっただろう。
「ざぁこ…♡ざぁこ…♡こんな美少女のおデコに負けるなんて…よわよわなんだね〜…お兄さん…♡」
口角をあげ、それでいて目は無表情のまま相手を挑発する。
「レン、全員終わったぞ…って何やってんの?!」
「コレが殴ってきたからデコで受け止めた…。Dクラスの奴みたいだね〜」
クウカが呼びに来たみたいだ。
ボクはふらつきながら立った。
「大丈夫かよ…」
「すまんな、まだ眠気がとれていないみたいだ…。ふぁ〜…ん…」
さて、コイツをどうするか…。
一応指揮官は、私だからな…。
「トリックorバレットどっちがいい?」
「はぁ?」
銃を相手の額に突きつける。
「どっち?」
「バレッド…」
ほう…意外とすんなり答えるんだ…。
ボクはすぐさま引き金を引いた。
ゴム弾だ、相手は気絶して倒れた。
「さて…行こっか」
「え…」
ボクは二人を抱えて、高台から飛び降りた。
「ちょ…やめろぉぉぉ〜!」
クウカが楽しそうに叫んでいる。
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「お疲れ様〜みんな〜」
ボクがその場に来ると、生徒たちはビシッと列に並び、ボクの方に顔を向けた。
「これ保健室に連れてって〜。あっ…そうだ、言う事聞かないほかのクラスのヤツらに見せしめにしておいて〜」
「わかった…」
面倒な荷物はクウカに任せて…っと。
「休憩した後に、実戦を模した演習をするからしっかり休んでね〜」
「質問よろしいでしょうか?」
一人の生徒が手を上げた。
「どうぞ?」
「演習内容はなんですか?」
「敵の無力化か、破壊。最近増えつつある武装テロ集団を模した敵だ。………ああ…私が指揮官に選ばれたのはこれのせいでもあるのか…」
「その敵に詳しいのですか?」
「ああ…専門家だからね!詳細は後で話す」
「了解しました」
「他に質問はないね〜。これで一旦解散!」
ふぅ…一つ片付いた。
「レンちゅわん〜!会いたかったよ〜!」
何かが飛びついてきた。
「委員長…?すこし変わった?」
「ごほん…アナタほどじゃないですよ?それで…その目と髪…どうしたのですか?」
「イメチェンしただけだよ〜!」
「そうでしたか」
「っと言うと思った?」
「えっ?!」
驚いた顔が面白い。
「ボクはね…。別次元のボクなのだよ」
「むむむ?」
「君の知る『レン』はここにはいないってこと」
「レンちゃんだけどレンちゃんじゃない…」
「そういうこと〜」
抱き寄せ耳元でつぶやく。
「扱いにくいと思うけどよろしくね〜」
「はひぃ!」
彼女が密かに(?)好意を抱いていたのはしっていた。
それが異常なほどのストーカー気質であることも。
「ああ…そうだ…委員長には先に話しておこうかな〜」
「はぇ」
こんなとろとろな状態でも聴いているのだろうから話そう。
「キミはボクを壊せる?」
「へ…?」
「正確的には、量産型のクローンだけど」
彼女の青くなる顔を見ている私の顔は、きっと悪い顔をしているのだろう。
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