表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/32

26 誤帰宅任務

はい…お久しぶりです…。

夜マグロです。

社会人になり…仕事が始まったので…

更新ペースはいつもと変わらず不定期です。

━━━━━━━━━━━━━━━




眩しい光が収まり目を開ける。


「ここに…戻ってきたか…」


ログアウトした場所だ。

タウは他の子達の設定に付き合ってるし…そのあいだ何してようか…?


後ろからムギュっと誰か抱きつかれた。


この感触は…。


「ファルシール?」

「…!!」


彼女を抱いて、頭を撫でる。


落ち着く…。


「バレちゃいましたか…。ふふふ…」

「ほかのみんなは?」

「ギルドで待ってますよ」


ファルシールがボクの手を握った。


「それでは…行きましょうか」


どうしたのだろうか?

彼女の手が少し震えている。


ああ…この感じは…。


「胸騒ぎがする?」

「え…?どうして…って愚問でしたね」

「怖がることは無いよ?僕達はそのためにいるのだから」

「はい。頼りにしてますよ」


そう話しているうちにギルドについた。


扉を開けて中に入ると、大勢の冒険者が集まっていた。


「人間がおおいね…」


そっとファルシールを抱き寄せる。


「…あっ!レン様こちらです!」


人ごみの中から手を挙げてぴょんぴょんとはねているのが見えた。


フェネスティーだ。


人ごみをかき分けたどり着くと、あの3人がいた。

ハイカ、ザビー、マナノだ。


「やっと来たか…!」

「何があったかだいたい予想はつくけど…」

「アイツがダンジョンの中で大発生してるらしい…」

「何十人かもう犠牲になった」


思ったより、まだいい方だ。


「なら、さっさと始めるか〜。そろそろ準備も終わっただろうし…」


ギルドの扉が強く開かれる。


「待たせたな…!」

「一度言ってみたかっただけでしょ…!」

「ボクまで来ちゃったけどいいのかな?まぁ…元はと言えば…ボク達の存在が原因でもあるのだからいいのか…」


ε、θ、ηの3人…∑はお留守番か…。

他には…雨お姉ちゃんも来たのか。

彼女がいれば早く終わるだろう。


「なんでオレたちまで…」

「いいじゃないですか〜隊長のお守りですよ〜」

「兄貴まさかビビってるのか?」

「わたしが不満か?」


ああ…アプルと…ラン達も来たのか。


「おまたせ〜」

「ご苦労さま、タウ」


これでみんな集まった。


「そうだ、ファルシール。偵察ドローンはどう?」

「そうですね…ダンジョンの中層までは確認しました。ただ…肝心の最深部がジャミングで…」

「ああ…まぁ大丈夫でしょ!」


周りからの注目も痛いし…さっさと行くか…。


「ちょっと待ってくれ」

「どうしたの?ハイカ?」

「ほんとに大丈夫か…?」


ああ…特殊作戦用のボディースーツとアーマー、ヘルメット…。


明らかに、この世界の雰囲気には合わないのだ。


「大丈夫だよ?彼らは強いから…」

「その事じゃなくて、あんたの事だ…」


ボクのこと?

なんだろうか?


「顔色が悪いぞ?」

「そう?」


特になんともないのだが。


「さぁ…行こうか…」

「それではお気をつけ行ってらっしゃいませ」


フェネスティーとファルシールに見送られながら、ボク達はギルドを出てダンジョンに向かった。




━━━━━━━━━━━━━━━




作戦の内容は簡単だ。

敵を無力化して対象を保護する。


まずはダンジョンの状況確認。

モンスター…いや、魔物か…。

1体も姿はない。


「暇だね〜」

「いつもならこんなに歩くことも無いしね〜」


ハイカ達がいることで歩くことになったのだ。


おぶって走る手もあるのだが、ダンジョン内では狭い場所もあるので却下となった。


「それにしてもレンの装備は、それで大丈夫なのか?」

「普段着の方が動きやすいから、これでいいんだよ」


こうして話しているうちに、何事も無く中層に入った。


中層に入ってからは、生臭い血の臭いがするようになってきた。

生き物が沢山死んでいるのだろう。


「警戒した方がいいのかな?」

「まだ大丈夫でしょ」


進んでいくうちに血の臭いも濃くなっていく。


少し広いエリアに出た。


「ここら辺から、警戒していこう」


各自で武装の確認をする。


「銃を使うのか?弾薬が入ってる」

「ああ…そうだよ。魔銃じゃないのはびっくりしたか?」

「まぁだって…弾薬だと高価だからな」

「あの子は使わなかったの?」

「カヅハか?あの子は自分で作ってたな。血を使って」


ああ、鉄血弾か。

血液から鉄を精製して弾薬に変える。

生物相手なら効果がある弾薬だ。


「獣狩りに使われた術だな…」

「そうだったのか…?!」

「獣狩りと言っても突然変異で自我を失ったもの達だ。魔物と変わりない」


獣狩りはどうしてもあの記憶が出てくるから、あまり思い出したくないな。


「そういえば、あの子と知り合ったのは牢の中だったけ」

「そうだ、奴隷商で知り合ったんだ。獣人狩りにあって…牢に入れられて…。そこであの子に会った」

「…」

「初めて見た時は、あの子は死体の様だった。だが…顔は笑顔だった。ずっと…。それが不気味だった」

「…」

「ある日冷たくなって、奴隷商等に連れていかれた。それから数日たつと戻ってきた。顔からは笑顔が消えて人形のようになった」

「…」

「その日から、ほかの獣人達が連れていかれては、発狂して戻ってきたり、凶暴化して戻ってきたりするようになった。アタシは怖くなった」


何かしらの実験か…。


「ついにアタシの番になった。だが…あの子が前に出て遮ったんだ…。目の前でボコボコにされて…顔が分からなくなるくらいに…」

「…」

「次の日…隣を見るとあの子がいた。何も無かったように…。目を覚ますといきなり『なんで、わたしはここにいるの?』って聞いてきた」

「おそらくだが…一度身体が死んだことによりリミッターが外れたのだろう。よくある事だ」


今の発言でハイカは少し引いたように笑った。


「なんだろう…やっぱり…アンタと話していると、あの子を思い出すな…」

「そりゃ…生みの親でもあるし…元がボクだからね」


遠くで赤い光が見える。


「ああ…敵か…!」

「どうする?壊す?」

「鹵獲できそうなら、鹵獲しよ」


雨お姉ちゃんもいることだし…。

解析はいくらでもできるだろう。


「長距離射撃用意…」

「バーン!」

「ちょっと…!タイミング合わせてよ〜」


はぁ…面白い…。


「…」

「どうしたの?」

「いつもこんな感じなのか?」

「いや…いつもと違うよ?完全に遊んでる」

「え…」


だって『ゲームの世界』として入ってるから。


「ほらほら〜どんどん来たよ〜」

「やっちゃえ〜!」


脚部を破壊、武装を破壊、システムを無力化…。

やりたい放題だな…これ…。


「あまりはしゃぎすぎて、本来の目的を忘れるなよ?」

「ヒャホーイ!」


聞いてないな…これ…。


「ボク達だけでも、先に進もっか?」

「ああっ…」


ハイカ達とタウを連れて先に向かうことにした。




━━━━━━━━━━━━━━━




「ああ…戻ってきた…」

「ここで別れたんだ…」


まさにボス部屋と言ったところだろうか。

広い部屋に入口と出口があるだけのシンプルな部屋だ。


ここに来るまで数体の敵と遭遇したが、特に何事も無く、無力化してきた。


個体差はあったが、そこまで苦戦するほどでもなかった。


まるで…糸が切れたようだ。

指揮をされてない、ロボットと同じだ。


「あの奥が最深部…」

「地形変わってなければ…家と一緒か…」

「え…?」


ボクは奥へと足を進める。

よく知っている入口だ。


珍しく武器を構えながら、突入する体制を作る。


「えっと…わたし達はどうすればいいのかな?」

「後から来て…最初にボクが行く…」


自分でも分かる…今のボクは正気ではないと。


落ち着かない。

言葉にならない気分のせいで。


「ボクもついて行くよ」

「タウ…」


「左目になってくれる?」

「お安い御用だよ。ボクはキミだもん」


思考回路が重なり共鳴しあう。


「それじゃ…ここで待っててね?」

「ああ…アタシ達はこの先お荷物ってことか…」

「悪いね…ここの施設は特殊なんだ…」

「分かった…だが…約束してくれないか?…ちゃんと連れて帰ってきてくれ…」


ハイカに抱き寄せながらされながら言われた。


「ああ…大丈夫」


頭を撫でる…ネコミミも一緒に。


「…後で…覚えておけよ…」

「そんな嬉しいそうな顔で言われたら、期待しちゃうよ?」

「…!?って、さっさと行け!」


それじゃぁ行きますか。


ボクとタウは、武器を構えながら素早く突入を開始した。

こんな小説を読んでいただきありがとうございます。

感想やご意見お待ちしております。

ブックマークはしたかったらどうぞ、よろしくお願いします。

Twitter

→@yadokarimaguro

質問箱→https://peing.net/ja/yadokarimaguro

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ