15 ボクはキミでキミはあの子…そしてあの子はボク
昨日2話ぐらいだす予定だったけど、寝落ちしました。
ああ…月曜日から…時間割が元通り…。
朝起きれるかな…。
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視界が開けた瞬間にマシンガンをぶっぱなす。
薬莢の落ちる音すら聞こえずに、敵は蜂の巣になった。
「はぁ…さすがに腕にきてるかな…」
「補給してあげよっか?」
「いや、まだ使えるからいいよ〜」
「そっか〜」
「それよりそっちのセンサーは、大丈夫?」
「横が見えなくなったけど、視界は大丈夫だよ」
「なら問題無いね〜」
「さっ!早くみんなところに行こうか!」
ηとボクは、みんなと合流するため、目標地点を確認する。
「前…こんなに入り組んでいたっけ?もっと簡単だったような…」
「多分いじられてるね〜」
「ねえ…η…」
「なーにー?」
「めんどくさいから、道作って?」
「一直線でいい?」
「いいよ」
「了解!」
ηは黒い粒子を腕に纏わせ、ねじるように前方に放った。
赤黒い濁流が一直線に螺旋状に流れ、射線上の物は全て吸い込まれ、喰われるように消し飛んだ。
「ごちそうさま〜!」
「あぁ…いつ見てもグロいな…」
床や開けた穴のふちには、赤黒い細胞片と飛び散った血のような何かがあった。
全てを喰らう力か…。
開けた穴を進んでいく。
「到着〜」
「とりあえず、爆弾設置しようか?」
「そうだね〜」
壁や床に爆弾をつけていく。
━━━ドカーン━━━
遠くで、爆発した音が聞こえた。
「あれ…?もう爆発させてるの?」
「いや…何かがおかしい…」
周囲を警戒する。
床、壁、天井、空気、それぞれから情報を瞬時に集める。
爆心地には一つの影があった。
「あれ…!どうして…ここに…!?」
「どうしたの!?」
「[雪夜]がいる!」
「え…えぇ!?」
どうして彼女がここにいるのだろうか?
何か様子がおかしい?
こっそり、近づいてみよう。
聞き耳を立てると、何か話しをているのが聞こえた。
「何とか大丈夫です…。転移装置はまた失敗ですね…」
「座標送れる?」
「はい」
「むむ…同じ座標なのに…これは…」
「周囲にアイツらの反応があります。すぐに離れないと…」
「ごめん…こっちらからは救援出せないかも…」
「何とかするよ…通信終了」
話が終わったみたいだ。
(イータ)
(何?)
(周囲警戒よろしく)
(接触するの?)
(ちょっとね〜、この子よろしく)
(任された)
おそらく、ボクの知ってる彼女じゃないだろう…。
なら…、多少強引に。
「動くな!武器を捨てて、手を見える位置に出せ!」
こんなセリフ言ったの初めてかも…。
「…え?!反応が無かった…いつの間に!」
「いいからさっさと、武器を捨てろ!」
反撃をしようとしてきたので。
一発の威嚇射撃で、相手の武器を破壊。
二発目で、通信機を破壊。
三発目を、相手の足元に撃ち込む。
あとは近づいて、後ろから手を回し抑え込む。
「ぐ…わかった…捨てる。こうでいい?」
「膝をつけ」
そう言ってボクは、膝カックンをする。
「ぐっ…」
暴れないようにギュッとしめていく。
「キミはどうしてここにいるの…雪夜?」
「その声…お姉ちゃん?!」
「へぇ…『お姉ちゃん』ねぇ〜…。それはさっきの無線の相手?」
「……」
「図星みたいだね。となると…やっぱ別世界からか…」
「…別世界…お姉ちゃんが言ってた世界とは…また別の世界なのか!?」
「…っと…聞きたいことはこれじゃなかった…。キミは敵か味方か…。目的を話してもらおうじゃないか!」
そう言いながらボクは、ボディチェックをする。
色々触ってるけど、別に問題ないでしょ!
「わたしはぁ…くぅ…」
「あ…やりすぎた…。まぁお持ち帰りすればいいか〜」
ツボを刺激するのは、良くなかったらしい…。
反省反省…。
「あーあ、やっちゃったね…」
「今なら、触り放題だよ〜」
「本当に…お母さんに似てきたね…そんなところとか」
「そのセリフ…ブーメランになるよ?」
「ふふ…そうかな〜?」
━━━ギュウィーン━━━
何かしらの音が近づいてくる。
今日は色々なことが起きるな〜。
騒音共に現れたのは、四足歩行のロボットと、一人の少女。
いつものペアだ。
少女の方はほかのやつとは、少し違うみたいだけど。
「みんな言うこと聞かないから、死んじゃったな〜。まったく…、あのシステムは本当に邪魔だね…」
ボクは彼女を知っている。
見た目は少し違うが、紛れも無くボクの知っている彼女だろう。
シグマ・α…。
死んだと思っていたけど…。
生きていたのか…。
「あれ…?∑とη?どうしてここにいるの?あと…その子、ボクのところの子なんだけど」
ボクの背中で寝てる、この子のことか…。
「この子は、ボクがもらうからね〜」
「…あの人はそっちの手に渡ったの?」
「うん!今はちょっと治療中だけどね〜」
「なら…いいよ…。こっちの方が安全そうだし…」
「αは来ないの?」
「βもΓまだ返してもらってないし…。あっちの世界にいるマスターにも、恩返ししたいしね…」
やはり、世界が違くても…レンの気持ちは変わらないのだろう。
「そろそろ、お別れかな…」
「次会うときは、おそらく敵同士だね〜」
「そうだね…。今のマスターはボロボロだから…もう長くは無いのかもしれないし…。他のアルファタイプのクローンも、暴走気味だから…」
「それじゃ頑張ってね?」
αのことをそっと抱き、頭を撫でる。
「似てきたね…」
「ηにも言われたよ?」
「ふふ…それじゃあね?そうだった…別働隊が来てるかもしれないから頑張ってね…死なないでね…可愛い私の妹達…」
白い光とともにその場から消えた。
「行っちゃったね…」
「そうだね…」
「兄弟同士で争う必要あるのかな…」
その通りだが…現実はそう甘くない。
「自分自身を忘れるな…、自分自身を恐れるな…、自分自身を疑え…、自分自身を導け…、自分自身が正しいと思う道を進め…、たとえ…自分自身が敵だったとしても…、己が信じた道を進め…、勝者こそが…正しさを決められるのだから…」
「それと、力には代償をだね!」
「責任を取らなければ、災いが起きるからね」
それがボクたちであり、世界である。
「彼女達が起きる前に、みんなと合流したいね」
「そうだね。それで今はどこに?」
「交戦中みたいだね〜。場所は…この上?」
やな感じがする。
上を見上げる。
「なんか…ヒビ入ってきたね…」
「少しズレていようよ〜」
「そうだね〜」
端の方に行くと同時に、先程までいた場所の天井が崩れ落ちてきた。
「痛たた…」
「片足壊れちゃった…」
εとθだ。
だいぶ、ボロボロだな…。
「大丈夫?」
「あ…!ηと∑!」
「他の人は?任務はどうなった?」
「一応爆弾は全部仕掛けた。後は撤退するだけなんだけど…あれがきたから…」
ああ…αが言ってた別働隊か…。
「みんなが撤退する時間を稼いでたんだけど…このザマだよ」
「他とは違うエリートだね…」
それは…めんどくさいな…。
土煙の中から、紅く目が光っている少女が歩いてくるのが見えた。
「はは…やっぱり弱いね〜…二人がかりでこれなの?」
ボク達より背は小さい。
被弾面積が小さく攻撃が当てにくいのは、難点だが…。
「全員…指揮系統全部ちょうだいよ…」
「え…っそれって…」
「いまのボクは、レンの代わりでここにいる…。何だってやってやるさ…。今のボクなら彼女を越えられる!そのために…彼女からもらった左目がある‼」
ボクが変わらないと…!
「わかった…やるよ〜」
「ちゃんと使ってよね」
「久しぶりだね…こういうの!」
「それじゃぁ…行くよ…」
左目がエメラルドグリーンの炎のような光を帯びる。
エンゲージシステム作動…。
リンクスタート…。
リンク完了…。
演算…完了。
最適解ヲ実行。
「ハハ…二人がかりでダメなら倍の人数でねぇ…。いいよ受けてあげる…無駄だと思うけど…」
ターゲット。
ロック。
さァ…今から…地獄を見せてアゲル!
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