14 ボクはキミでキミはあの子…そしてあの子はボク
ダメだやりたいことあるけど、ダラケてしまう…。
いつかキャラ設定のせておきますね〜。
自分自身もわからなくなりそうなので(笑)。
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『 目が綺麗だからだよ〜』
そう言われたのは、いつ以来だろうか…。
どんな反応したらいいか、わからなかった。
わたしは、敵なのに…。
他の子はどうして殺したの?
どうして、わたしだけを残したの?
わたしは出来損ないなのに…。
ふと…昔のことを思い出した。
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暗い…怖い…悲しい…痛い…。
これが、わたしが生まれて初めて感じた感情だった。
「ふむ…これは…成功したか?」
女性…いや…男性だろうか?
中性的な声が聞こえる。
わたしはゆっくりと目を覚ました。
「ああ…目を覚ましたんだね?ちゃんと見えているかい?」
「はい…マスター…」
「『マスター』か…。できれば『お母さん』と呼んで欲しかったのだがな…」
少し残念そうな顔をしたが、わたしの顔を見てすぐに、にこやかになった。
「前の記憶はあるかい?」
前の記憶…なんのことだろうか?
分からない…。
ただ、分かることは目の前の人が自分の親だということだ。
「すいません、『お母様』…。わからないです…」
「そうか…やはり、損傷が激しかったか…私のせいだな…」
「お母様?」
「いや…なんでもない…。大丈夫だ…。お前がまたそばに戻ってきたのだから…」
顔色も悪く、声も手も震えている。
とても大丈夫そうには、見えなかった。
「お母様…少し休まれた方が…」
「そうしたいのは、やまやまなのだがな…」
お母様がそう言うのと同時に、部屋の扉が開いた。
「『フィオルド』起きているかい?…おおっ…ついに完成したのか!?例のものが…!」
「[ネクロ]…キミだったか…てっきりアイツがきたのかと…」
ネクロと呼ばれた少女…、一言で言うと異質な存在だった。
フード付きの黒い白衣に身をまとい、スカートの下からは何種類のも触手が顔を覗かせていた。
あきらかに、この場所とは違う存在感を放っている。
「ああ…アレか…。私にフラれたからといって、貴重な研究データを盗んだ挙句…、キミのところまで手を伸ばすとは…。本当に最低なクソ野郎だな」
「…」
「…あぁ…その顔でだいたい察したよ…。手紙には書いて無かったけど…。まったく…どうして私を頼らなかった?」
ネクロがお母様に顔を近づけた。
「どうしていいか…わからなくて…ごめん…」
ガタガタと震えるお母様を、ネクロはギュッと抱きしめた。
「………」
「まだ大丈夫だ…今すぐ手をきれば…」
「大丈夫…じゃないよ…手遅れだから…」
お母様は手首に着けている腕輪を見せた。
「それ…契約装置か…?」
「こうでもしないと…彼女を渡してくれなかった…」
「想像してたけど…酷いな…。レベルはいくつ?」
「一番重いの…」
「はぁ…それで、この子には何も無いよね?」
ネクロはわたしに近づいて、わたしの頭を撫でた。
「うっ…あ〜ぁっ…〜」
不思議と落ち着く…気持ちい…。
「ほんとに…そっくりだな…あの子と…」
「キミの子は元気?」
「ああ…元気だよ?心配なところはあるけれど…。そういえば、最近…双子の兄弟ができたって喜んでいたな…。お姉ちゃんができたって…。私は作った覚えは無いのだがね?」
「見間違いかもしれないけど…そういえばこの前、アイツの横にもこの子に似た子が、メイド服を着ていたような…」
「へぇ…それはおかしいな…あんなにこの子達の顔を嫌がってたくせに…」
ふと、目の前が真っ暗になる。
………
「自分自身を忘れるな…、自分自身を恐れるな…、自分自身を疑え…、自分自身を導け…、自分自身が正しいと思う道を進め…、たとえ…自分自身が敵だったとしても…、己が信じた道を進め…、勝者こそが…正しさを決められるのだから…」
頭の中で声が響いた。
まるで、脳がハッキングされたように…。
「大丈夫…?」
「アナタは…?」
「ボクはキミ…。っと言っても別世界線からきたんだけどね?」
もう一人の…別世界線の…わたし?
「わたしになにか、ごようですか?」
「キミのお母さんのことなんだけどさ…」
彼女の口調がだんだん暗くなっていく。
「壊されたくなかったら…。ボクを殺してよ」
「え…?」
「忠告はしたよ?それじゃぁ頑張って…ボクを殺ってみせてね?」
………
…
「寝てしまったのかな?」
「そうみたいだね…」
二人の声が聞こえる。
「フィオルドも早く寝ないとダメだよ?」
「…ん?何か言った?」
「早く寝ないとダメだよって…」
「…違う…これは何か近づいてきてる!」
早く…守らないと!
身体を動かそうとするが、思うように動かない。
「クソが…EMPだ!」
「戦う準備はできている?」
「大丈夫…それより…[エイティーン]を頼む」
「…死ぬ気か?」
「最後に彼女に会えただけでも、私としては十分だ」
一発のレーザーが、お母様の頬を掠め焼いた。
部屋の半分が消し炭になっていた。
「ほら…きたよ?忠告はしたからね」
レーザーライフルを捨ててブレードを片手に持ちながら、メイド服を着た少女がこちらに歩いてきた。
あれが…別世界線の自分…。
「自己紹介がまだだったね〜。ボクはシグマ・レン」
「シグマ…レン?!うそ…だって…」
「パラレルワールド説を出さないなんて…お母さんも遅れてるね?」
笑いつつも、どこか悲しげで苦しそうな表情なのはどうしてだろうか?
彼女は辛いんだ…。
わたしはお母様を支えた。
「どうして…こんなことを…」
「『目が綺麗だからだよ〜』とくに…君の目…ボクはキミが欲しいからね?彼女がキミのことくれないからさ…」
触手がレンに絡みつくいた。
ネクロの魔法だ。
「この世界線だと、ヤンデレストーカーになってないんだね〜。見た目は同じで、やってる研究内容も同じなのに〜…。本当に…これだから楽しいよ!」
そう言ってレンは、絡まっている触手を手で引きちぎった。
「うそ…アレを手で…」
「だって…ボクは未来から来たようなもんだよ?ボクにかなうはずないじゃん!」
「クソ…本当の化け物だ…」
ネクロの首に刃が突きつけられた時、わたしは、お母様を下ろして、大声を上げた。
「待って‼️」
レンの手が止まった。
「どうしたの?子猫ちゃん?」
「殺さないでよ…わたしのことを…好きにしていいからさ…」
「だめ…」
「お母様…ごめんなさい…でもこうすれば…みんな…助かるんでしょ?」
そう言ってわたしはお母様を抱きしめた。
「いい判断だね〜。ほらこちらにおいで?」
差し出された手を掴むと、身体の力が一気に抜けた…。
クソ…コレじゃ殺れない!
「歳をとるのは残酷だね〜。昔は怒りが湧いてきたはずなのに…。今ではその悔しそうな顔も、愛おしく感じるよ〜」
そう言ってボクの頭を撫でた。
その手は、冷たくとも、暖かく感じ、包み込んでくれるみたいだった。
近くで見るとさらにわかる。
彼女は、自分自身が狂っていることに気づいていながら、その役を演じ続けているのだと。
「コレでキミはボクのものだね!」
身体の自由が効かないまま抱きしめられる。
「何を遊んでいる…」
いつの間にか、レンの横に男が立っていた。
「お前は…‼」
「あ!マスター!どうしたの?寂しくなっちゃって来ちゃった?」
「アイツは殺せと言ったはずだが?」
お母様を髪を掴み持ち上げた。
ああ…。
お母様…。
「この子と約束しちゃったし…。それに…世界が違くても…一応ボクの親だよ?」
「ふふ…情でも湧いたか?」
「マスターってほんとうに誰からも愛されずに育ったんだね…。可哀想に…。これからは、ボクが愛してあげるから…心配しないでいいよ?」
「いいから…さっさと殺せ!」
「え〜…そうだ!死んでればいいんでしょ?」
「まぁ…そうだな…」
「それじゃぁ…そんなに深く考える必要も無いか!」
レンはそう言って、ブレードでお母様の首をはねた。
血しぶきが顔に飛び散った。
わたしの頭は真っ白になった。
「フィオルド…嘘だろ…!おい…お前…どうして‼」
「マスター、呼ばれてますよ?」
「あぁ?ああネクロ…いたのか…?相変わらず可愛いね…」
「フィオルドは、お前と契約したんだろ!なんでも好きにできたはずだ!」
「上からの命令だよ…。お偉いさんがたは、どうもだった目障りらしい」
「変わったな…お前…」
「ああ変わったとも、ボロボロになっているところを、あのメイドに拾われてな…」
「マスター、そろそろ時間ですよ?」
「お前は、生かしといてやる…。じゃあな…また…」
「なんだよ…それ…」
わたしは担がれながらただ呆然と、地に伏せているネクロを、眺めて離れていくいるだけだった。
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