09 これから何をしようかな?
前に投稿してた小説を、途中まで書いたやつ、どこやったけな〜。
また、新しく書く時の参考にしようと思って…。
それがいつになるか分からないけど…。
昨日はあれからも、大変だったな〜。
お風呂入る時も、寝る時も、ボクの取り合いであの高速ジャンケンが起こるのだから。
ボクへのみんなの好感度バグってない?
あの七人はともかく、ランもクウカもあのジャンケンに参加するのは…やっぱりボクの好感度バグってるな。
うん、そういうことにしておこう。
「迎えに来たよ。レンレン〜」
部屋の扉を開けて、車椅子を押して現れたのは、白衣を着たιだった。
「もう準備できたんだ〜」
「クックック…ボクも成長しているんだよ〜」
思いっきり撫でてやりたいけど、この身体は本当にゆうこときかないな…。
「よし…あとは頼んだよ?」
「了解‼まかせてよね〜。ちょちょいと治してあげるから〜」
ボクは車椅子に乗せられ、研究室に向かった。
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研究室に入るとすぐに、ベットに仰向けにさせられた。
「そういえば、ほかの人はどこ行ったの?」
「ボクとタウ以外は、あのガラクタを花火に変えに行ったよ〜」
「そっか〜無事に帰って来ることを祈るばかりだね〜」
「そうだね〜」
ιは話をしながら、ボクに鎮痛剤を打ち、左腕にメスを入れ肉を切り開いた。
血液が吹き出し、辺りに飛び散り赤き染る。
そして、金属製の外骨格と骨がむき出しになる。
その光景は、不思議と嫌悪感は無く、むしろ綺麗に見えた。
「よくこれで動いてたね…。細胞がこんなにもボロボロなのに、かたちを保ってるって…やっぱりすごいね〜」
さらに、肩にメスを入れて左腕腕を少し外し、血管と内部配線のコードを切断して、確実に切り離す。
そして、断面に特殊なカバーをかけて止血をする。
「外骨格…どうなってる?」
「少し溶けてて、電子回路と元の体の細胞が、一体化しそうになってるよ?これはまずいね…このままだと脳にも影響があるかもね…」
能力の低下はそのせいだろう。
「それなら…脳にある全てををデータ化して、そのデータをボクのコアとともに、小型兵器にぶち込んで」
「え…大丈夫なのそれ?」
一般の人の基準が考える、『普通』なら無理だろう。
だが、ボクたちはその普通では無い。
だって魔力があり、魔法が使えるから。
「わかった…。小型兵器は、なるべく可愛いやつを用意しておくね〜」
「ありがと、ι」
ιは、接続用のコードをパソコンに繋げて、すぐにデータをとり始めた。
「容量…足りるかな?メモリをさらに小型すればいけそうだな…。レンレン、コアいじってもいい?何かあったら責任とるからさ」
「いいよ、ボクに入ってるコアは旧型だし、キミ達がいるから…、壊れたところで意識が分散するだけだからね〜」
「意識が分散…。それだけは避けたいなぁ〜。まぁやるけどね〜」
「後は任せたよ〜」
「その前にさ…タウには報告しておいた方がいいんじゃない?」
あっ!それは報告しないとまた怒られるな。
なので、急いでタウをよんだ。
「ふぅ…頭の整理が追いつかないよ…。ボクはまだ十八年ぐらいしか生きてないんだよ?でも…なんでだろう…ワクワクしてる?」
「それは、ボクの干渉したことで、ボクに同調してるね」
「やることが、めちゃくちゃなのは分かった。必ず成功させてね?…じゃいないと…ボクがお姉ちゃんになっちゃうよ!」
それもいいかもと思ったことは、言わないでおこう。
「それじゃあ、始めるよ〜」
ιが勢いよく、ボクのコアを抜いた。
するとすぐに、プツッと意識が途切れた。
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「………この状態で生きてるの?」
「いや?『この身体は』正確には死んでるよ?」
この声は、タウとιの声だ。
「それじゃあ…レンは?」
「そこにいるよ?まだ目覚めてないみたいだけど…」
成功はしたみたいだ。
落ち着いて感覚をつかもう。
まずは、体の構造をイメージする。
これは…人型だ。
指を動かす信号を送る。
動く。
目をゆっくり開ける。
天井が遠い?
ゆっくりと体を起こす。
体は動く。
?!
はぁ…まったくιはおかしいな…。
もちろん褒め言葉だ。
こんな簡単に、技術を更新していいのだろうか…。
どう見てもオーバーテクノロジーじゃん。
改めて身体を見る。
サイズはだいたい十二分の一ぐらいだろうか?
身長は約十五センチ~十四センチぐらい。
フィギュアサイズじゃん。
しかも、この感じ…あの時空歪曲の爆発の前より、力強くなってるだろ…。
リミッターかかってるはずなのに、一、二段階解放したぐらいの力だこれは。
「起きたみたいだよ?」
「お姉ちゃん…なの?」
ちゃんと喋れるだろうか?
「あ…あー、あ〜、聞こえる?」
どこからこの声出してるんだ?
こんな小さい身体で、機械音声じゃない声を。
「聞こえるよ〜!お姉ちゃん…ずいぶん小さくなったね?」
「ボクも驚いてるんだけど…。小型化の魔法と比べ物にならないくらい、やばいよこれは…」
「ここまでうまくいくとは、思わなかったよ〜」
うっ…褒めてあげたいけどこの小さい手じゃな〜…。
あっ…!そうだ、いいこと思いついた〜。
「ιおでこ出して、こっちに顔寄せて?」
「こう?」
「なでなで〜。元の身体を治すのも、頑張ってね〜」
「えへへっ。まかせて‼」
ιは、そう言って作業に戻った。
さて、今から何しようか?
そう考えていると、タウがソワソワしながら話しかけてきた。
「お姉ちゃん!一緒に遊ばない?」
「いいけど、何で遊ぶの?」
「今流行りのオンラインゲーム‼VRMMORPGなんだけど…」
「いきなりゲームってどうしたの?」
「だって…息抜きも大事だし、リハビリにもなるかな〜って思ってさ〜」
「そうなんだ〜。でもこの身体じゃできないんじゃない?」
「大丈夫だよ〜。USBで接続できるようになってるから」
「USBなんてどこにあるの?」
「お姉ちゃんに尻尾みたいにはえてるよ?」
「え?」
後ろの方に手を回し確認すると、尾骶骨辺りからUSBのコードが伸びていた。
「こんなのついてたんだ…。触ったらゾクゾクする…」
なんでここにも感覚があるんだよ…。
「なるべく触らないようにしないといけないね〜」
そう言いながらも、タウはボクのUSBを触った。
「タ…ウ……ダメ…」
力が抜ける…。
「…は‼ごめんなさい…お姉ちゃん…」
「許すから、はやくゲームやるよ!」
「うん‼それじゃあ…ボクの部屋までレッツゴー」
タウは、ボクを手のひらに乗せて研究室を飛び出した。
どんな景色があるのかワクワクするな〜
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タウは部屋に入るとすぐに、パソコンの電源をつけた。
「お姉ちゃんは、ここにいてね〜」
そう言ってタウは、パソコンの横にボクを置いた。
「さてと…やりますか〜。お姉ちゃんは、そこにUSB差し込んで〜」
「わかった」
ボクは、言われた通りにUSBをパソコンに差し込んだ。
その瞬間ボクの目の前が真っ白になった。
「ボクは、コレをつけて…」
タウの声は聞こえる…どうやらまだ、視覚だけの接続らしい。
「目の前が真っ白だけどいいの?」
「それでいいよ〜。今から始めるけど、準備はいい?」
「いつでもいいよ」
少し深呼吸する…。
「それじゃあ…いくよ!ゲームスタート!」
タウの声と共に、吸い込まれるようなサイバー空間へと、落ちていった。
ボクはゆっくりと目を閉じた。
日にちが経つにつれて、やる気がだんだんなくなっていくよ…。
誰か〜TASUKETE〜




