#6
「それじゃあ、社長に謝りにいきますか。」
と、陽菜が言ったので蓮と陽菜は喫煙ルームを出て社長室に向かった。蓮達が社長室に向かっていると、社長室の前の部屋から一人の女の子が出てきた。女の子は黒髪ショートでパンツスーツ、ぬぼーっとした表情だったが顔立ちはかわいい系だった。
「結衣はシャワーあがり?」
と、陽菜が女の子に聞いた。
「・・・うん。今日結構暑いから。隣のひとが新人?」
「西野蓮です。よろしくお願いします。」
「・・・松本結衣。よろしく。それじゃあ、また後で。」
と、言って結衣は別の部屋に入っていった。
「結衣は結構無口だけど気にしないでいいよ。」
と、陽菜は言った。
そうこうしている間に社長室の前に着いた。蓮は今更ながら緊張してきたので深呼吸をしてドアをノックした。すると、返事がしたのでドアを開けると、真夏にもかかわらず暖房がつけてありもあっとした熱気とともに、上半身裸のタトゥーのはいった白人の大男がプッシュアップバーで腕立て伏せをしていた。蓮はとっさに、
「失礼しました」
と言ってドアを閉めた。陽菜は
「どうしたの」
と聞いてきた。
蓮はとりあえず大丈夫と答えたが何が大丈夫なのか自分でも分からなかった。蓮はさっきの状況は幻覚であることを願い、もう一度深呼吸をしてドアを開けた。すると、やはりさっきと同じ状況で大男が腕立て伏せをしていた。
「やっぱり幻覚じゃなかった!!」