#4
車に乗って1分ほどたつと、寺山が蓮に話しかけてきた。
「陽菜も自己紹介したらしいけぇ、ワシも自己紹介しとこうかのぅ。ワシは、寺山雅也じゃ。広島弁ってよく初対面の人に喧嘩売っているとか怒っているとか判断されるんじゃけど、喧嘩も売ってないし怒ってもいないから気にせんでくれ。年は21じゃ。」
「じゃあ、俺もする。俺は西野蓮。新入りだから色々と宜しく。」
「まだ、ワシが会社で最年少か・・・。そういえば、ワシ煙草買うの頼まれてたんじゃった。ちょっと、コンビニ寄ってええかのぉ?」
夏の暑い日で、蓮も陽菜も喉が渇いたので寺山の意見に賛成した。コンビニで蓮と陽菜は飲み物を買い、寺山は飲み物と赤マル・ボックスとメビウス・プレミアムメンソール・オプション・イエロー8とパーラメント・ロング・ボックスとJPSをそれぞれカートンで買って車に乗った。
「ワシは吸わんのんじゃけど他のメンバーが吸うから物がいっぱいじゃし、タスポ提示せんといけんしたいぎいのぉ。まぁ、金は事前にもろぅたけぇええけど・・・」
と雅也は文句をいいながら、エンジンをかけた。車がコンビニを出て少しすると、空き地にぽつんとたつ鉄筋コンクリートづくりの3階で1階は入り口と駐車スペースの消防署のような建物に到着した。
「ここがうちの会社じゃ。じゃあ、ワシは買ってきたタバコみんなに渡してくるけぇ、案内は陽菜にしてもらいんさい。」
「了~解」
会話を終えると、雅也は先に階段を上っていった。
「さて、私たちも上に行きますか。」
「そうだね。」