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ある晴れた真夏の深夜、上海マフィアの洪連幇の構成員の王沢平は福岡県北九州市にある組の事務所から近所にある自宅に帰る途中だった。自宅の前は車が1台通れるかどうかくらいの細い路地で車通りも人通りも少なかった。しかし、珍しく自宅の前にトヨタ・ハリアーが止まって車の外にはカッパを着た小柄な男が立っていた。王は車が邪魔だったので、男に話しかけた。
「コレはあんたの車か?そうなら退けてくれ。」
「あぁ、わかった。それとあんたが王沢平か?」
「そうだ。俺に何か用か?」
すると、男はどこからともなく大型のシースナイフを取り出し王の首を斬りつけた。王の体は首から大量の血飛沫を撒き散らしながらその場に倒れた。男は
「もう、用は済んだ。」
と言ってその場を車で立ち去った。
王が殺されたとき、反キリスト教団体の北九州支部の幹部である川原直人は市内にある自宅に帰宅すると郵便受けにメール便の小包が入っていた。
「また、差出人なしかよ。と、言うことは直接うちのポストに持ってきてるのか?暇なやつも居るもんだな。今度も殺害予告か何かか?」
それを家の中まで持って入ろうとするとプツンという糸が切れる音がすると、数秒後に小包が爆発した。小包を持っていた右腕は吹き飛び、身体中には小包の中に入っていたと思われる金属片が大量に突き刺さり即死した。