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それでは恋を始めましょう。  作者: 紫野 月
7/22

 7 佐藤結花

いじめの表現があります。苦手な方はご注意ください。

 大学で一番のイケメンだと噂に高い西園寺様。

 日頃、彼とは全然接点の無い私でしたが、ある日大学の廊下で正面衝突し、その時落とした学生証を拾ってもらって顔見知りになりました。それから10日後の試験あけの日に鉄板焼き食べ放題でばったり出会い一緒に食事することになって、それから、なんだか意気投合しちゃった私達はお付き合いをすることになりました。

 今でも信じられません。

 あの西園寺様に「好きです」って告白されたなんて。

 これはもしかして、どこかのテレビ局が仕組んだドッキリなのでは… そのうちお笑いタレントがプラカード持ってやってくるかも? あまりに現実味がなくてそんな事まで考えちゃいました。

 でもこれは現実なのだと嫌な形で実感させられました。

 付き合いだしたのは夏期休暇に入った頃だったので何の問題もなかったけれど、後期の授業が始まり私達が付き合いだした事が知られると、視線とかヒソヒソ話とかが気になるようになりました。


 素敵な人と恋人同士になるとそれだけで注目を集めちゃうんですね。

 なんか皆に監視されてる気分です。

 西園寺様はこの大学で一番の有名人で、なおかつアイドル的存在の方なのでその注目度は半端ないです。

 知らない人に常に見られるのってこんなに疲れるものなんですね。初めて知りました。


 それからやっかみとか受けちゃうんですね。

 毎日毎日、いろんな人からいろんな事を言われます。

 地味。冴えない。なんであんたみたいな女と… ありえない。弱みでも握って脅してるんでしょ。早く別れちゃえ! etc

 なんか私のこと全否定されてる気分になります。

 正面きって言われるのも嫌ですが、影でコソコソ有る事無い事言われるのはもっときついです。

 でも、一番辛いのは仲良しだった真美に無視されるようになったことです。



「仕方ないんじゃない。真美は入学した頃から西園寺様の熱烈なファンだったんだよ。その人が友達の彼氏になっちゃったんだもの、ショックを受けるのは当たり前でしょ」

 相談した小春はそう答えた。そして、

「私だって複雑な心境だよ。素直な気持ちで“良かったね”なんて言えない」

「小春…」

 長い沈黙が続いた後おもむろに小春が言った。

「結花。私達、暫らく会わないことにしよう。じゃないと私、結花に酷いこと言っちゃいそうな気がする」

「……うん。分かった」

 小春は鞄を手に取り席を立つと、そのまま行ってしまった。

 取り残された私は必死に考えた。

 どうしたら真美や小春と仲良しに戻れるのか、どうしたら皆に西園寺様の恋人に相応しいって認めてもらえるのか… 

 無い知恵を絞ってひとつの方法を思いついた。

 私が西園寺様の隣にいても見劣りしない“いい女”になればいいんだ。お似合いのカップルだって思われるように私が努力すればいいんだ。

 そうだ。もう、これしかない。

 私、頑張る!

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