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それでは恋を始めましょう。  作者: 紫野 月
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 6 宮沢佳樹

いきなりですが、西園寺様の友人登場。

 俺と貴文は初等部の頃からの付き合いだ。

 出会ってから高等部を卒業するまでの間同じクラスになったり分かれたりしたが、お互いに馬が合ったというか一緒にいると楽しくてなんとなくつるんでいるうちに、気付けば親友と言っていい間柄になった。

 幼い頃の俺は身体が弱くモヤシみたいにひょろかったため、苛めという程じゃないが嫌な思いをしてきた。初等部3年の時、貴文と同じクラスになって俺の日常が変わった。それまで周囲の目を伺いながら片隅でひっそりしていた俺に声をかけ、俺を皆の仲間の輪に入れ本当の意味でのクラスの一員にしてくれたんだ。貴文がいなかったら、俺はずっと何かに怯えながら学校生活を送ることになっていたと思う。本当に貴文には感謝している。


 俺の通っていた学校はお金がかかる事で有名な私立の名門校で、周りはみんなそれなりの金持ちばっかり。芸能人の子供とか大企業の社長の子供とかもいて皆の注目を集めていた。そんな中でも貴文の存在はずば抜けていて、その貴文と友達になった俺も自然と表舞台に立つようになっていった。こういっちゃなんだが、中等部、高等部と進んでいくうちにイケメンへと成長した俺は、女の子に騒がれるようになった。…まあ、貴文には敵わなかったけどね。


 女の子の憧れの的である西園寺貴文は家柄、容姿、振舞い、総てがSランク。性格も文句なしの完璧人間だが、中身は普通の生身の男。悩みもあるし、弱音を吐くことだってある。まあ、それに気付ける奴はいないみたいだけどね。そして、貴文自身それを他人に悟られないようにしている。俺はそんな貴文の弱い部分を知っている数少ない友達。だから、親友だと思っている。


 そんな人気者の貴文は中等部の頃から彼女を切らした事がなかった。

 いつも女の方から告白してきて、付き合って、暫らくして別れる。

 なんでも、自分以外の女にも優しく平等に接する貴文が許せなくなるらしい。その他大勢で貴文を見ている時は、誰彼隔てない態度がいいって言ってるくせに、付き合いだした途端それを許せないって、女ってのは我が儘で面倒な生き物だとつくづく感じた。

 そのせいかどうか分からないが高等部2年の終わり頃から貴文は誰とも付き合わなくなった。

 まあその頃から受験勉強が忙しくなったってのもあるがな。

 この学校は大学の付属校で、簡単な試験を受けるだけでその大学に入学出来る。だからほとんどの学生がその大学に進学するんだが、貴文は突然K大に進学すると言い出した。そのことを貴文から打ち明けられた時、おれもK大を目指すことにした。同じ学部はさすがに無理だったが、猛勉強のおかげでなんとかK大に滑り込んだ。

 大学に入ってからも貴文との仲は良好だ。





『3名様以上で鉄板焼き食べ放題飲み放題90分。御1人様1800円』というのに行ってみたい。と貴文から誘いがあった。

 俺と貴文ともう一人、安倍祐一っていう俺と同じくあっちの学校時代からの悪友三人で行くことになった。

 俺や安倍と違って超お坊ちゃま育ちの貴文はこんな店に行ったことが無いはずだ。だから興味があるんだろう。

 その店に三人の女の子がいた。

 安倍と同じ学部の橋本さんと、時々パンキョーで一緒になる竹下さん。とその友達の女の子。

 竹下さんは人目を引く美人で前から気になっていた。これは絶好の機会だろう。安倍と橋本さんは知り合いだし、俺と竹下さんは顔見知り。貴文も一緒にいることだしナンパは絶対成功する!

 安倍が橋本さんに相席させてもらえないか声をかけた。案の定、彼女たちは戸惑いながらもOKをだした。そして、その場は即席合同コンパになった。

 予想通り女の子三人は貴文にばかり関心がいく。

 ま、それでもいいさ。

 今日のところは知り合って名前を覚えてもらえれば。

 ドサクサにまぎれて竹下さんのメアドをゲットしたし。

 これからゆっくり口説かせてもらうよ。


 ありがとな、貴文。

 もし竹下さんとうまくいったらなんか奢るよ。

 と、心の中で呟いた。

モテチャラ男設定の佳樹君でしたが、うまく表現できなかったです。軽い男くらいにはなったでしょうか?

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