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それでは恋を始めましょう。  作者: 紫野 月
15/22

15 佐藤結花

今回は結花のターンですが、後で西園寺様がちょこっと出てきます。

 西園寺様に泊りがけで旅行に行こうと誘われた。

 これって、つまり、あれだよね。

 大人の階段昇っちゃおうってことだよね。


 最近のカレカノは付き合いだしたその日にって人もいるそうだけど、私達はゆっくりペースで進んできた。

 手を繋ぐのに3ヶ月かかったし、キスだってついこの間初めて… きゃ!

 智美には「イマドキの高校生より健全だね。そりゃ中学生レベルのお付き合いだよ」とからかわれた。

 実は私は男性経験が無い。というか、男の人と付き合ったことが一度も無いのだ。

 だから、西園寺様とのデートはいつも緊張している。『これでいいの? これであってるの?』って、常に考えていて余裕が無いの。

 きっと、西園寺様もそれに気付いているんだと思う。だから私に合わせてくれているんだよね。

 付き合い始めて4ヶ月が過ぎた。

「あんまりもったいぶってると振られちゃうわよ」と真美に言われ、「これ以上我慢させるなんて西園寺様が可哀相だよ」と小春に忠告された。

 なので、その旅行の話を受けようと思う。

 

 正直言って恐いし、すっごく不安。

 私の貧相な身体を見て幻滅されちゃうんじゃないかとか、初めては凄く痛くておまけに血が出ちゃうらしいとか、体の相性が悪いと別れる原因になるとか、頭の中にいろんなことが浮かんできて混乱状態だ。

 でも、避けては通れないよね。うん、頑張れ私。大丈夫だ私。

 初めてが大好きな人となんだ、それはとても幸せなことじゃないか。

 そうだ、怖いことなんて何もない、多少痛いのなんかも平気。だって西園寺様となんだもの。きっと優しくしてくれる。

 それに西園寺様のことだ、今まで沢山の女の人と付き合ってきたのだろうから、きっと経験豊富で上手いに違いない。超ラッキーじゃないか! ……そんな考えに至り激しく落ち込んだ。私って馬鹿。


 悩んだり落ち込んだりを繰り返しているうちに、とうとう旅行の当日だ。

 行き先は長野にある西園寺様所有の別荘。お金持ちだとは聞いていたけど、別荘を持っているなんてスゴイよね。

 近くにスキー場があるので、スノボを教えてもらう約束をしている。

 楽しみだな。ゲレンデにシュプールを描きながら颯爽と滑る西園寺様。きっと、途轍もなく格好いいにきまってる。


 今夜の覚悟も決めた。

 もう、私に迷いはない!!

 …はず。





















 僕に寄り添うようにして結花が眠っている。

 腕にかかる重ささえ愛しい。

 昨日、漸く結花を僕のものに出来た。

 白く柔らかい肌、甘く香る身体、こぼれ落ちる吐息… 彼女の全てが僕を夢中にさせた。

 好きな人とのセックスがこれほど気持ちのいいものだとは… 僕は今、とても満ち足りた気分だ。

 

 カーテンの隙間から朝日がこぼれる。 

 もうそろそろ起きないと。今日は結花にスノボを教える約束だし…

 でも、今日はこのまま一日中ベッドで過ごしたい気もする。

 上手に結花を丸め込んでしまおうか。


 僕の邪まな考えも知らず、結花は安らかな寝息を立てている。

 欲望だらけの企みを実行するべく、僕は結花に口付けた。


すみません。すみません。御免なさい。

思いっきりの朝チュン。なんて期待はずれな展開…

一生懸命考えたんです。シチュエーションだって考えてたのに…

窓の外は雪。暖炉のあるリビング。フローリングに毛皮(金色)のラグが敷いてあって、そこに寄り添いながら座って二人仲良く炎を眺めているうちに、みたいな。

でも、どうしても文章にならなかったんです。

私の力不足でせっかくのロマンティックな場面が… (泣)


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