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テレビ

 とりあえず、水も止まったことだし、二階へ。


 自室に入ると、さっきまで涼しかったのに、なぜか生ぬるい風を感じる。気温が変わったのかなと思いながら、座って作業を続けること数分。今度はテレビが付いた。


 結構深夜でもやってる番組はあるようで、急に大きな音で笑い声が流れた。


 さすがにびっくりして、持っていたマニキュアの刷毛が踊ってしまった。おかげで、微妙な部分の色分けが……泣くしかない。



「ちょっと! ビックリするでしょ!」



 とテレビを消すと、部屋の中は静かになった。


 やっぱり、集中するときは無音じゃないとダメなんだよね。


 しばし、集中。

 


 すると、今度は消してあった扇風機が付いた。

 


「やめてよ! やりづらいじゃない!」



 怒りたくもなるじゃない。人の趣味の邪魔はやめてほしいってもんだよね。



 扇風機を止めて、真剣にネイルに集中。細かい作業だけに、集中力も並みじゃない。もう、何人たりとも邪魔するなって心の中で念じながら、指先の刷毛に目を凝らしていた。


 すると、彼は懲りない性格らしい。


 私の耳元でささやいた。



「一人はさびしいでしょ。俺と一緒にいいことしようよ」



 誰もいない部屋の中に聞こえてきたのは、男性の声。しかも、私好みの低音。


 できることなら顔を拝みたいところだけど、天は二物を与えずということわざがあるくらいだから、期待しない方がいいだろう。


 さて、見えない相手ということは、言わずと知れた『霊』ということだけど、霊に「いいことしよう」と言われても、どんないいことだろうか……。



「こんな夜中にひとりで起きてたら、寂しいだろ。俺が楽しいことしてあげるよ」



『こんな夜中』も『あんな夜中』もないだろう。それより、ネイルの邪魔をされてることに腹が立った。



「いい加減にしろ! うるさいんだよ!!」

 


 そう言うと、私は立ちあがり窓へと指を向けた。もちろん出ていけのポーズ。



「出て行けって言うの? でも、また入ってこれちゃうよ」



 とりあえず良心はあるようで、出て行ったらしいので窓を閉めた。すると、今度は窓に顔を張り付けてきた。今までは、いるなって分かっていたけど見えてなかったからよかったけど、さすがに窓に張り付かれると悲鳴ものですよ。しかも、思った通り天は二物を与えてくれなかったみだいだし。


 でも、ここで平常心を忘れては相手の思うつぼ。なので、勢いよくカーテンを敷いて、エアコンをつけた。



 この話を後日友人に話したけど、



「本当に作り話が上手~」



 とバカにされたんだけど。あの霊に、この友人を紹介してあげてもいいものだろうか。



 さて、これが深夜二時の訪問者の話なんだけど。


 あなたはどう思ったかしら……。



end 


最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。この話は、かなり霊感の強い女性が高校生の頃に体験した話で、本当にこんな感じだったそうです。あまりにも霊感が強いので、霊を見るのは日常のことだから、こんな反応になるそうです。いや~、おつよい^^;


明日からは、また別の作品をアップしますね~


よろしくお願いします。

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