表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

水の音

実話です。

子供の頃から霊感は強い方だったけど、最近は頻繁に目があう。もう、諦めるしかないって感じなんだけど……。



 あれは、私が高校1年の時だったな。


 結構頻繁に霊に会ってるから、いい加減慣れてきてはいたんだけど。それでも、不健康そうな顔してるのが、目の前に急に現れたりしたら不気味じゃない。


 あの夜もそんな感じだった。



 私の趣味はネイルなんだけどね。


 爪を買ってきて、そこに塗ったり付けたり貼ったりして飾るの。これが結構人気があって、最近では個人的にネットで売ったりしてる。お小遣い程度にはなってるの。


あ、これ税務署とうちの親には内緒ね。



 その夜もネイルを楽しんでた。


 夜は眠れない方だから、かなり遅い時間まで起きてるんだけど、その時も2時近かったな。俗に言う、丑三つ時ってやつね。


 夏だったけど、うちって周りが緑豊かな田舎なわけよ。しかも隣はお墓。霊感少女には絶妙な立ち位置。てか、死にそうな境遇……。


 でもさ、子供の頃からここに住んでるわけだし、いまさらね。ビビってもしょうがないじゃない。お風呂でバッタリ出会ったり、トイレに入りたくてドアを開けたら先客が居たりって、こういうの日常だったから。


 

怖い?


 私的には笑うしかないんだけど。



 そういう訳で、窓を開ければそれなりに涼しいわけよ。


 だから、その日も窓を開けてた。風はそれなりに入ってきてた。カーテンはしめてなかったな。閉めちゃうと風の通りが悪いから。


 扇風機も必要ないくらい。というか、扇風機をつけてると、人工的な風がネイルの邪魔になるからつけたくないわけね。


 

 その夜も、そんなシチュエーションで楽しんでた。家の人は全員寝てた。


 うちは兄と両親と犬が二匹。兄は爆睡。両親はお酒飲んで夢の中。犬は両親の寝室で夫婦の仲を邪魔すべく、いびきをかいて寝てる。



つまり、家の中には私だけが現実世界で遊んでたわけ。



 ちょうど切りの良いところで喉が渇いた私は、台所へと向かった。階段を下りて、廊下を右に曲がる。進んでいくと台所。


 台所で冷たい水を飲もうと冷凍庫を開けて、氷を取り出した。さて、コップに氷を入れましょうと思ったら、さっき出したコップがない。


 変だな……


 早くも健忘症?


 ないない! だって、まだ花も恥じらう女子高生よ!



 とか、自分に突っ込んでみながらコップを探すと、なんと出したはずのコップに水が入ってる。氷を入れる前に水が……?


 まぁ、入れたことを忘れちゃったのかもしれない。


 そんなことはないだろうけど、そう思うしかないじゃない。


 コップに氷を入れて、歩き出した。


 そうだ、小腹がすいたからって思って、戸棚からお菓子の袋をチョイス。


 さて、二階へ戻ろうと階段を歩いていると、お風呂場から水の音。



(あれ? お母さんがお風呂? 寝てるはずだけど……。それともお兄ちゃんかなぁ)



 ってことで、とりあえず確認確認。



「誰か入ってるの?」



 先に言っておくけど、うちって夜中にお風呂に入る習慣がないわけよ。それなのに、お風呂から水の音がしてくるってことは、最悪水を出しっぱなしにしてることも考えられるわけね。それって、限りある資源を無駄にしてるわけじゃない。だから、出しっぱなしになってるならちゃんと水道を閉めておかないと……もったいないし。



 ということで、再度



「誰か入ってるの?」



 ところが、お風呂場の電気は消えてる。水道の音だけが聞こえてくる。



(やっぱり誰か出しっぱなしなんだな。ダメじゃん!)



 ということで、風呂場の電気をつけて中に入ろうとドアを開けると、水の音どころか、床が濡れている形跡もない。



(変だな。さっきまで水道の音がしてたのに)



 と、電気を消すとまたしても水道の音。


 はっきり言って、気持ち悪い。


 そこで、一言。



「水道代、高いんだから! 出しっぱなしにしないでよね!」



 と言ったら止まった水の音。


 心の中では……わぁぁぁぁぁぁお!!!


 と叫んでいたけど、平常心。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ