婚約破棄から始まる愛国令嬢の狂気お手紙【短編シリーズ】② 退屈
前作の前日譚のため短めです。
前作はこちらです。
『婚約破棄から始まる愛国令嬢の狂気お手紙』
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今回は第二話「退屈」、ルフ視点のお話になります。
※前作をお読みいただくと、よりお楽しみいただけます。
退屈だ
齢12にして初陣を遂げその後10年
戦場で俺に敵に伍するものはいない
味方もついてこれない
敵を打ち払い、王都に帰れば論功行賞だ。
俗物たる親父が褒章を受け取る、それだけだ。
くだらん。
18歳のある日親父が俺の婚約を決めてきた
3歳下の女だったが、名を何と言ったか?
犬のように俺に仕えるのだと、真顔で言い放った。
馬鹿馬鹿かしい
その後は決まった日に侯爵家に通い、帰っていく。
俺の修練を黙って見つめ、言葉を交わすわけでもなく時間が来れば帰っていく。
だがいつからか、女が一人舞っているのを見た
なぜ舞っていたのかはわからぬ。
ただ、それは花の香りがするような、そんな心地にさせる舞であった。
俺は幻をみたのか?
だがその舞は俺の矛に合わせるかのように、
そうだ俺の矛の動きに合わせられるものが、ありえるのか?
だが視ている、この娘には俺の矛をとらえているのだ。
舞とは定型のモノではなかったか。
我が矛の自在の動きに合わせなど、可能なものなのか。
俺の愛馬が、俺以外に懐かぬあの荒馬が、女の舞を見つめている。
心地よさそうに。あの馬があんな顔をするのかと。
少し、ほんの少しだけ。
名すら忘れた犬のような女に興味を持っていたのを知った。
父よりの文を読み終えると、しばらく目を閉じた
内容は相も変わらず凡俗だ。だが、そうだ。
俺は初めて、なにかを惜しいと、そう思ったのだ
名すら覚えていない、何かを。
お前の武功、確かに聞き及んだ。
だが王は何も分かっておらぬ。
王家は腐った。
この国はもはや文官どもの跋扈する国となった。
このままでは我らは使い潰されるだけよ。
明日、我らは王城にて旗を翻す。
これは謀反だ。
お前も兵をまとめて出陣せよ。
追伸
あの娘の家は王党派だ。切り捨てよ。
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シリーズ続編も順次投稿いたしますのでよろしくお願いいたします。
次回はついに愛国ちゃんの出撃です




