Issue#03 I I Dreamed A Dream CHAPTER 4 34
※以下の文章の大半は、昨日の削除事故以前に執筆していたものです。
当時の勢いのまま書かれておりますので、少々場違いに感じられるかもしれませんが、よろしければお読みください。
これにて第3話・チャプター4は終了です。ここまで長らくお付き合いくださり、心より感謝申し上げます。
20時投稿分より、いよいよチャプター5へと突入します。どうか引き続きお楽しみください。
自分でこう言うのは気恥ずかしくもありますが、次章は珠玉の出来だと確信しています。
集大成です。ここまで放置されてきた、あらゆる物語の断片が意味を伴ってきらめきます。
この一章をもって本作を名作と呼び得る――そう言い切れるだけの手応えがあります。
ここまで本作を読み進めてくださった皆さま、すなわち、私とどこか似通った感性をお持ちの方々にとって、この感想はおそらく普遍的なもののはずです。
どうぞ、期待もハードルも存分に引き上げて、お待ちください。
そして最後に。
先日の削除事故という大きな失態を経てもなお、ここに戻ってきてくださった皆さまに、あらためて感謝を申し上げます。
あの出来事を無駄にせず、より強く、より良い形で本作を育てていくことをここに誓います。
もし再出発に力を貸していただけるのであれば、高評価やブックマーク、宣伝やXでのご紹介などを通じて応援していただけましたら、これ以上の励みはありません。
皆さまのひとつひとつの反応が、この再起の歩みを確かなものにします。
この物語を、さらに遠くへ向かわせるため――どうかお力添えを。
その、人間だった頃の響きを残す声に、ハヤカワは淡々と答えた。
「今井、だったか。わしには、そんな名前はどうでもええが」
テラリア兵に押さえつけられたゴリラと、ただ銃を下げて立つ老いた猟師。戦場の喧騒が嘘のように、2人の間だけ、時が止まっていた。
ハヤカワは、地に伏す獣の、しかし知性を確かに宿した瞳を、じっくりと見下ろした。
「わしは猟師だ。人は撃つことはない。……だから、吉濱さんからこの仕事を任されても、正直なところためらった。お前が人の心を持ったというのなら、それはもう、わしの獲物じゃあないからな」
その脳裏に、15年前の記憶が蘇る。風に揺れる麦の匂い。警官たちの怒声。そして、好機を逃し、防風林の闇へと悠然と消えていった巨大な影。彼の誇りに、ただひとつだけ刻まれた、消えない傷。
「たがその考えは間違いじゃった。お前は、あの日の狩りを変わらぬ心で続けておる。わしらに対して、そしてこの世間に対して……」
ハヤカワはそこで言葉を切り、その瞳に、全ての迷いを振り払った狩人の光が、氷のように静かに宿った。
「だったら、わしらの関係もあの日からなにひとつとして変わってはおらん。……だからわしは猟師として、あの日果たし損ねた仕事を終わらせに来た。
ただ、それだけのことじゃ」
ハヤカワはそう言い残すと、静かに背を向けた。彼の戦いは、終わったのだ。
「……!……ふざけっ……!俺がっ、どうしてっ……こんなことでぇッッッ……!」
ふたたび絶望に直面した今井が、もはや意味をなさない威嚇の声を上げ続ける。それが、日本という国家の全てを掌握せんという野望を抱いた男の、哀れな末路だった。
ハヤカワは、その一部始終を振り返ることなく、ただ、半生をかけて止めていた息を、ようやく吐き出すかのように、深く、長い息をついた。




