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ブラックリスト  作者: 一宮 沙耶
第1章 メタバース(西暦2090年)

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6話 自爆

目覚めた、その時だった。また、埃ぽい部屋で大きな出発の合図が響き渡る。

武器をしっかりと持ち、眩しい外での戦闘に参加した。


顔の横を弾丸が飛んでいく。

頬にかすり傷がついている。

あと1cm顔に近づいていたら、頬はなくなっていたと思う。

本当に死と隣り合わせの戦場。


リーダーがブロック塀から顔を出した時、弾丸がその目を射抜く。

血が飛び散り、目から血が流れる顔を空に向けて地面に体が転がった。

コンクリートのブロックの上で、リーダーの頭から血が勢いよく流れる。


体が倒れるとき、スローモーションのように見えた。

即死だと思うけど、先に脱落したことを私に謝っていたみたい。

悔しいような、苦笑いしているような。


あの優しそうな人が、目の前で死ぬなんて。

私も、いつまで生きられるかわからない。

死と隣り合わせになった時間が永遠と続く。


撃たれたのは1人ではない。

見えるだけでも5人は地面に倒れ、放置されている。

でも、前に進み、攻撃することはやめられない。


こんな過酷な状況から逃げ出したい。

でも、私の役割を引き継いでくれる人はいない。

逃げ出せば、代わりに同僚が死ぬ。


私みたいに逃げることを考えている人はいないように見える。

みんなが、自分の大切な人を守ろうと勇敢に前に進む。

私は、仲間達が、筋肉がはち切れそうな足で土を踏みしめ、前進する姿に圧倒された。


怖さを乗り越える大義がみんなにはある。

戦わなければ、家族、パートナーといった人達が殺されてしまう。

それはなんとしても阻止しなければという気迫が周りを包み込む。


サブリーダーが率いる中で、2手に分かれ、敵を挟み込み銃撃戦に持ち込んだ。

双方から攻められた敵は一時退却を始めた。

そして、私達も避難所に戻った。


「リーダーは亡くなり、俺がリーダーを務める。苦しい戦いだが、頑張るぞ。よろしく。」


みんなを見守っていたリーダーは、もういない。あまりにも、過酷な現実。

みんなは疲弊していることもあり、一言も喋らずに新リーダーを見つめる。

聞こえるのは、新リーダーの声と、仲間達の乱れた息の音だけ。


「戦況は悪化するばかりだ。武器のエネルギーは、もう底をついてきた。今、できることは、一人ひとりが、武器そのものになって、敵の中に飛び込み、ビーム手榴弾を投げ、この武器で打ちまくることしかない。もちろん、敵の中に飛び込むときに敵の銃弾を受け、生きていける可能性はゼロに近いと思う。だから、納得できない人は離脱してもいい。無理強いはしない。どう、やってくれるか?」

「もう、それしかないんですね。もちろん、僕も、みんなも、その作戦をやり抜きます。いいよな、みんな。」

「俺も、やる。」

「ありがとう。みんなで相互に援護射撃もして、敵に少しでも近づくぞ。分かったな。」

「はい。」


自分の命を犠牲にする指示にも、明るく従うしかない。

私達には、もう他の選択肢は残っていないから。

でも、決して逆説的ではなく、納得のうえ、明るい未来に向けた歓喜の渦に包み込まれる。


今夜は、缶詰の肉が配られた。

それを食べていると、昨日、喧嘩していた2人が肩に手をかけて大笑いしている。


女性だと、あんなひどい喧嘩になれば、もう関係は修復できない。

男性って、こんなに簡単に仲直りできるの?

それとも、こんな過酷な環境だから?


みんなの笑い声も増えていった。

人がいっぱい亡くなったのに、現実を忘れるように、みんなの顔は明るかった。


「木村。少し暗いんじゃねぇ? 明るく行くぞ。」

「そうだね。でも、怖くない?」

「そりゃ、怖いよ。でも、ここで何もしなければ、守らなければいけない人も全て失っちゃう。俺は、明るい未来のためなんて、かっこいいことは考えていない。大切な人たちを守りたいだけなんだ。そもそも、怖がっていても、逃げられるわけじゃないだろう。だったら、怖がるだけ損じゃないか。」


みんなの目はやる気に溢れ、大切な人を守ろうとしている。

死は怖いなんていう雰囲気は全くない。男性って、すごいと初めて気づいた。

みんな、自分のことは考えず、ゴールに向かって直進していく。


男性って、こんな風に厳しい現状を打破することができるのかしら。

明るい未来だけを見て前に進む生き物なのかもしれない。

男性のことは何も知らなかったけど、この世界で尊敬できる存在だと知った。


みんな汗まみれで、お風呂も入れないようだし、汗臭さが充満していた。

だけど、そんなに嫌な匂いじゃない。

むしろ、みんなが仲間だと感じられる。


みんなも怖いと思うけど、誰一人、逃げようとしない。

本当に、みんな頼もしい顔をしていて、明るく活気がある。

薄暗く感じたこの避難所は、とても暖かい空間に思えた。


それに比べ、これまでの私は現実から逃げていただけ。

自分のことばかりで、他の人のためなんて考えたこともなかった。

だから、地球外生命体につけ込まれ、飼われるだけの存在になっていたのだと思う。


大切な人を守ろうとする力に憧れてしまう。

私も、男性に守られたい。

そして、私も周りの人たちを守るために、力強く前に進まなければならない。


みんなと一緒に戦場に向かった。

敵は、突進してくる私たちに困惑し、逃げ道を失い、大混乱となった。

敵の世界では、自分を犠牲にして戦うという考えがなかったのかもしれない。


各地で爆破があり、敵は壊滅状態になったのは間違いないと思う。

でも、私は、この戦いで得た情報を持ち帰らなければならない。

だから死ぬわけにはいかなかった。


避難所に戻った時、私達は2人だけになっていた。

1人は、手を吹き飛ばされたのか、血を流し、フラフラと戻ってくる。

このまま死んでしまうかもしれない。


仲間が大勢死んでしまった。

私が生き残っていることが申し訳ない。

私は、涙を流し、その場で気分が悪くなり、陽の光が差し込む砂の上に倒れた。

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