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ブラックリスト  作者: 一宮 沙耶
第3章 アンドロイド(西暦3518年)

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3話 アンドロイドの調査

私達は2体のアンドロイドを調査し始めた。

驚くことに、現時点では実現できない技術が多用されている。

外から見れば人間と全く変わらない。


息遣い、体温、匂い、どれをとっても、人間と違うところを見つけられない。

人間と同じものを食べ、同じものを排出する。

運動をすれば、心拍数があがり、汗もかく。


男性のアンドロイドには精子を作る組織もある。

女性には、卵巣もあり、おそらく生理も毎月あるのだと思う。


男性ホルモンや女性ホルモンが出て、脳にも影響することも確認できた。

脳と体の性別が不一致でも、時間とともにホルモンで脳が変化していくのだと思う。


握力等は機械だから無制限ということはなく、人間らしい範囲に収まる。

一定のトレーニングで疲れるという表情もする。

しかも、筋肉は、トレーニングで強化できた。


それだけみると人間だけど、体内には、人工物が溢れている。

体にはAIが盛り込まれていて、AIを通じて体を細やかに動かすことができる。

顔の表情筋も精緻であり、複雑な表情を生み出すことができる。

これを人間の手で作ったというのは驚きしかない。


この技術があれば、体が老化しても、新たな体を用意し永遠に生き続けることができる。

画期的な技術と言える。


アンドロイドで人間を作り出すこともできるはず。

人口を増やすために、もう人間はいらない。

女性を産みの苦しみから解放し、人口のコントロールもできる。

そんなことが倫理上問題となり、アンドロイドが禁止されたのかもしれない。


アンドロイドが法律で禁止されたのを契機に、これらの技術は廃れたのだと思う。

この技術があれば、臓器障害への対応もできるはずなのに不思議。

これらの技術にあわてて封をしたようにも見える。


何があったのかしら。

ただ、私がこれを再現できれば、世界で権威のある研究者になれる。

それを応用して、私たちの暮らしを更に豊かにできる。

このアンドロイドはそれだけの価値があり、私の監視下に置くことにした。


アンドロイドは、1週間程は天井を見上げるだけで、感情はなかった。

ただ、1週間もすると、日常生活を普通に過ごせるようになる。

本人たちは、自分を人間だと疑わず、アンドロイドだと思う素振りは全くない。


不明点も多かったので、2体のアンドロイドは別々の場所で育てることにした。


男性のアンドロイドは、軍隊に入れる。

すぐに想定を超える、すばらしい成績をあげた。

動きのスピード、攻撃力は人間をはるかに超える。


アンドロイドの体は機械なのだから当然だけど、周りはそのことを知らない。

だから、誰もが羨望の目で見るようになる。

ただ、今は目立った戦争もなく、単に訓練に明け暮れる日々を過ごしている。


兵士どうしのコミュニケーションにも問題がないように見えた。

軍隊では目的が明確なので、コミュニケーションを取りやすいのかもしれない。

上長の指示にも従順に従っている。


顔は凛々しく、体形は盛り上がる筋肉ばかりで脂肪とかはほとんどない。

動揺することもなく、冷徹に目標に向かって進む顔つき。

それでいながら、周りへの配慮は欠かせず、誰からも信頼を得た。


半年も経つと、軍隊でも強いリーダーシップを発揮し始める。

ゲームの理論を活用したディベートでも、多くの奇抜な戦術を生み出した。

アンドロイドも、周りの期待に応えようと充実した日々を過ごしているように見える。


女性のアンドロイドは、軍隊の中将に養女として預け、日々の監視をすることにした。

コミュニケーション力は、男性アンドロイドより高く、周りを笑顔にしていく。


アンドロイドの体は、最初は中性的だったが、半年も経つと、性別の差は大きくなる。

女性アンドロイドは、女性らしい体に成長していった。

かわいらしい服装が欲しいと言うことも増え、その都度、与えることにする。


どこから見ても、普通の女子高生といえる。

髪も伸び、つややかな黒髪は、周りからの目を引く。

嬉しそうにはにかむ姿はどこから見ても女性として違和感はなかった。


2体とも、15歳相当と推定され、高校に通わせることにする。

男性は兵士養成高校に、女性は普通の高校に。


今はAIも浸透し、高校で知識を学ぶことはほとんどない。

小学校、中学校では、AIの使い方を学び、AIを通じて最低限の基礎知識を習得する。

高校では、人間関係とロジカルな思考方法を学び、あとは体力作りをする。


週に2日は体育の時間があり、持久走で体力をつけ、球技でチームワークを学ぶ。

あと2日は、ディベートの時間があり、ロジカルな思考方法を身に着ける。

残りの1日は、リモートで哲学や政治を学び、思考の深さを学ぶ。


アンドロイドには、最初に基礎知識をレクチャーした。

知力は標準以上で、すぐに理解し、身に着けていく。

それでも、昔の記憶は戻せそうにない。


そして、4月から、いずれも新しい環境で高校生活をスタートすることになった。

本人も、周りもアンドロイドだということを全く知らずに。

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