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ブラックリスト  作者: 一宮 沙耶
第3章 アンドロイド(西暦3518年)

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1話 遺跡

「これは、素晴らしい・・・。」


1000年以上も海の奥底に眠っていた遺跡がドローンから送られた映像に映し出された。

6月12日、突然、海底から隆起してきた島の探索を開始する。

昔、地球外生命体から2度も地球を守ったと伝えられる日本という島を。


西暦2203年、数億年先と言われていた大陸移動がいきなり始まる。

その初期段階で、日本という島は海底に消えた。

それが、最近になって再び地上に出てきたことで探索が始まる。


その島が海底のどの位置にあるかは分かっていた。

ただ、深度1,000mを超え、容易にはその姿を見ることはできなかった。

それが、今、私達の目の前にある。


日本の記録はもちろん残っている。

2回目の世界大戦に敗戦し、どん底の生活に陥る。

ただ、その後、奇跡的な経済成長を果たした。

1980年頃には、こんな小さな島が世界経済のトップになったらしい。


2030年頃、地球外生命体によって日本以外の人類は殲滅されたと聞く。

どうして日本だけが生き残ったかは伝わっていない。

そして、澪というリーダーが人類を地球外生命体から2度も救った。


その後、人類は繁栄し、日本以外の国々にも生活圏が広がる。

だから、今いる人達の遺伝子はいずれも日本にルーツがある。

日本語は世界の共通語でもある。


ただ、2205年、日本は海の底に沈んだ。

事前に予知できたことで、日本に住む人々の多くは他の大陸に避難できた。

日本が海底に沈むときは無人の都会が轟音を立て海水に飲み込まれたと伝わっている。


今、日本について伝わっているのは、だいたい、そんなところ。

だから、今、我々のルーツである日本に全世界の関心が集まっている。


1000年以上が経ち、これらの情報が正しいかは分からないことも多い。

大陸移動で世界は混乱し、情報が散逸してしまっていることも原因。

私は探索チームの隊長の美玲で、6人の隊員と一緒に進む。


長い間、海底に沈んでいたこの島は、泥と砂に覆われていた。

多くの金属は錆び、途中で折れ曲がったり、切れたりしている。

ビルの壁には、フジツボがびっしりとこびりついている。


公園らしいエリアはあるけど、瓦礫と砂でその面影はない。

樹木は、海の底で陽の光を浴びることができず、塩水のために姿を消していた。


山は多く、起伏に富んだ地形。

おそらく、地上にあった頃は、緑あふれる美しい風景が広がっていたのだと思う。

平地には川が流れ、農作物も豊富だったに違いない。


大きく湾曲した海岸の中央には高層ビル街が並んでいる。

東京と言われていた地区なのだろう。

今と変わらないレベルの文明が栄えていたように見える。


途中で崩れ去ったマンションの一室が露出している。

海底の泥で覆われつつも、キッチンらしいその部屋には家族の幸せが想像できた。


ポンペイのような人骨は見られない。

多くは避難し、あえて残った人々は海に流されたに違いない。

ただ、ひっそりと建造物が佇む。


私達は、高層ビルとは違う、威厳のあるドーム型の建物を目指す。

標高から考えると、浅いとはいえ、かつては地底に埋まっていたと考えられる。

海底に沈み、土壌が流され、地底から顔を出したのだろう。


どうして、こんな荘厳な建物を地下に作ったのかしら。

モニュメントとかであれば、誰もがみえる地表に作ればいい。

崇拝をしつつ、隠さなければならない事情があったのだと思う。


広いアスファルトの道路を進む。

ただ、海底から隆起するときに巻き上げられた海藻も多く、進みづらい。

しかも、海底に沈むときの地震で、ビルが崩壊し、瓦礫が散乱している。


やっとのことで、その建物に到着することができた。

大理石で作られたその建物は廟ような姿をしている。

壁にはつなぎ目はなく、巨大な1つの大理石からできている。


建物は低いドーム状で、大型の地震、津波にも耐えられるように作ったのだと思う。

他の高層ビルの多くがねじ曲がり、崩れているのとは違う。


よほど大切なものを守るための建物だと期待は高まる。

堅牢な入口をレーザーで焼き切り、中に入った。

建物の中は、外からの敵を守ろうとしたのか、迷路のような構造。


いきなり硫酸などが噴射されるかもしれず、慎重に進む。

通路は入口のスイッチをつけると、薄暗く不気味だが明かりが灯る。

こんなに長期間が経ちながら、自家発電によって電気は通っている。


壁は不思議なことに、真っ白で艶やかであり、カビやフジツボなどは全くない。

長く海底にあったとは思えない姿だ。

気温、湿度は適切に維持されていたのだと思う。


中央の廊下の先にある部屋に入ると、目の前には、想像を超える光景が広がっていた。

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