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ブラックリスト  作者: 一宮 沙耶
第2章 物質瞬間移動(西暦2027年/ 西暦2094年)

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8話 反撃

澪さんは、私に命じて、人を特定の空間に移送する装置を開発させていた。

そして、大型爆弾を地球外生命体の宇宙船に送り、次々と爆破させる。


私が作った装置は、今回の地球外生命体には未知のテクノロジーのようだった。

理由もわからず、次々と内部から爆破される宇宙船に動揺する様子が見受けられたから。


澪さんと軍隊の幹部との間で会議が始まる。


「ドローンからの情報では、関東は全滅で、もう人間はごくわずかになっている。おそらく、このビルにいる人以外だと500人も残っていないと思う。」

「今わかっていることは、ロボットは極めて高温に熱した後、液体窒素とかで急激に冷却すると金属が粉々になるということ。だから、どこか一か所に集められるといいのだけど。」

「それだったから、彩華さんの装置を使えばすぐにできる。」


みんなが私の方を見る。


「この彩華さんが、物体の瞬間移動装置を作ったの。しかも、最近は、こんなに小さいピストルのようなもので使えるようにしてくれたわ。移動先の時間と場所の緯度経度を入力すれば、簡単に移動させることができる。」

「あの装置の開発者は、あなただったんですか・・・。」

「瓦礫がない日比谷公園にロボットと宇宙船、母船を移動させる。そこにミサイルで一気に熱量を上げ、その後速やかに上空から液体窒素を撒いて冷却する。これで、ロボットや宇宙船、母船は粉々となるはず。」

「でも、また母星から送り込まれてくるはず。」

「だから、同時に母星も破壊しないと。前の地球外生命体との戦いの時のように、敵のネットワークに入り込み、ウィルスを入れ、敵のエネルギー系統を破壊する。そして、母星ごと破壊しましょう。」

「前回は、敵が用意したネットワークに地球から侵入したけど、今回は母船に入り込み、そこからウィルスを混入することになるわね。そこが一番重要で難しい。」

「でも、やるしかない。それをお願いするのは彩華、あなた。」

「え、私なの?」

「何が起きるかわからないから、テクノロジーに精通している彩華にお願いするしかない。まず、敵のネットワークに入り込み、遠隔操作ができるようにするウィルスを作って。」

「私、何でもできるわけじゃないんですけど。」

「彩華なら大丈夫。彩華には、ITスペシャリストの紬さんと、いつも彩華を警護している竜也さんも参加させるから。」


竜也と一緒なら安心。命を預けることができる。

しばらく一緒にいて、狙撃とかは兵士の中でもダントツトップだと知った。

そして、なによりも竜也は私に優しい。


物体移送機の移送先を日比谷公園にセットする。

ミサイル、液体窒素も用意する。

これで澪さん達が、敵のロボット等を一掃してくれるはず。


私達は、ウィルスを開発し、2つの端子から敵のネットワークに入る装置も作った。

これを持って敵の母船に乗り込む。


母船に3人で入り込むと、どうも通路のような場所だった。

地球の感覚だと壁があり、ドアで部屋に入る。

でも、この母船では、壁が液体のようで、壁に手をかざすと前に進む空間が現れる。


宇宙服を脱いでも、ごく自然に息ができた。

地球が欲しい地球外生命体は私たちと同じ環境で暮らしているんだと思う。

空気中の酸素濃度とかは同じに違いない。

私達は、前に進んでいく。


この母船の構造だと、ネットワークルームはこの先にあると思う。

母船全体で効率的にデータ流通させるために、どこが一番いいかは法則がある。

テクノロジーには収斂性があって、それはどこでも変わらない。

私達は、すぐにコンピュータルームのような部屋にたどり着いた。


紬さんが、サーバーのような装置とこちらの装置の2つの端子をケーブルで繋げる。

この作業は紬さんに任せるしかない。

紬さんが言うには、これでウィルスの挿入は終わりらしい。

だったら、見つかる前に早く地球に戻らないと。


その時だった。

背後から銃弾が飛んできた。


「彩華さん、紬さん、早く地球に戻ってください。」

「竜也はどうするの?」

「僕が敵を食い止めますから。」

「一緒に帰らないと。」

「でも、敵はすぐそこにいて、食い止めないと3人ともやられる。」

「そんなのだめ。」

「彩華さん、これまでありがとう。僕に生きる意味を与えてくれて。本当は、僕は彩華さんのことが好きだったんだ。いつも、彩華さんのことばかり考えていた。絶対に死なないでね。じゃあ、行って。」


竜也は私たちを突き飛ばし、敵を攻撃し続ける。

私は、竜也のもとに駆け寄ろうとしたけど、紬さんに腕を強く掴まれ、止められた。


「私は竜也を助けたいの。もう、大切な人を失うのは嫌なの。」

「だめ、彩華さんは人類にとって大切な人。竜也さんの気持ちに感謝して帰りましょう。」

「そんなのだめ。竜也を助けないと。」


敵が迫る中、もう戻らないと3人とも殺される。

私は、自分と紬に重力波を浴びせ、竜也にも重力波を向けた。

でも、母船が傾き、竜也から反れてしまう。


地球へと私たちの体が溶けていく時、竜也に敵の銃弾があたったのが見えた。

竜也の頭に命中し、後ろ向きにゆっくりと倒れていく。

私たちの方を見て、微笑んでいるように見えた。


ごめんなさい。竜也をまた守れなかった。

地球に戻った私は、涙が止まらない。

それを見た澪さんは、私の肩に手を置き、話しかけた。


「戦争なんだから犠牲もあるわ。竜也さんにお礼を言いましょう。まず、早く、敵のネットワークに入り、エネルギーセンター、できれば母星も破壊して。それと同時に、地上のロボットや、空にいる母船を破壊するから。」


そう、犠牲になった竜也のためにも人類は必ず勝たないと。

紬さんは、早速、コンピュータを操作する。

竜也の最後の姿が何度も目に浮かび、泣いている私の横で。


ネットワークに入り込むと、母星が回る恒星からエネルギーを得ていることがわかる。

この仕組みは効率がいいのか、前の地球外生命体と同じ。

それなら、攻撃する方法も知っている。


敵の母星から、その恒星に大型ミサイルを発射することにした。

それが当たった恒星は2倍にも膨れ上がり、恒星を回る惑星を次々と飲み込んでいく。


それとともに、敵の母星の温度も急上昇して死滅していった。

ロボットや空にいる母船を破壊するのは今。


計画通り、母船も含めて日比谷公園に移送し、高温にした後、急激に冷却する。

想定どおり、金属の筐体は粉々となり破壊されていった。


澪はわずかに生き残った人たちに手を挙げて叫ぶ。


「我々は勝った。これからも決して負けない!」


この会議室に集まった人々が、一斉に歓声をあげた。

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