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ブラックリスト  作者: 一宮 沙耶
プロローグ

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プロローグ

人類に謝りたいことがある。

私は、人類を地球外生命体に売ってしまった。

しかも、一旦狙われると、勝っても、次から次へと別の敵から狙われてしまう。

宇宙での侵略ブラックリストに載ってしまうと、あの世で聞いた。


何かの対価を得たかったわけではない。

ただ、更なる技術革新をする世界を見たかっただけ。

それが、こんなことになるなんて考えもしなかった。


私は、地球外生命体から得た知見を使い、脳に埋め込むメタバース用チップを開発した。

脳に埋め込んだチップは、現実世界と全く変わらない映像、味覚、聴覚等を脳に伝達する。

そのチップにより、メタバースの世界で、現実世界と全く変わらない経験ができた。


味も、香りも、温度も、自分の空間にいながらメタバース上でリアルに再現できる。

研究を重ねることで、そよ風、横を通る人の気配、微妙な感触も感じ取れるようになる。

全く現実世界と変わらないメタバースが実現した。


私の革新的技術のおかげで、多くの人は、ほとんどの時間をメタバースで暮していた。

それが、地球外生命体の罠だと知らずに。

私は、地球外生命体に、情報提供の対価として、メタバースへのアクセス権を渡す。

その後、地球外生命体は、瞬く間に人類の飼育化を進めていく。


地球外生命体からは、人間は、自らの血液を差し出す家畜になれと伝えられる。

大人しくしていれば、メタバースの中で楽しく過ごせることを約束すると。


20歳以上の人の血液は使えないので、毒を注入され、知らぬ間に殺されていた。

気づいたときには、世界の人口はすでに半分以下になっていた。


軍部は、メタバース使用の禁止を人類に強要し、地球外生命体への徹底抗戦に移る。

しかし、地球外生命体のテクノロジーの下では、無駄な抵抗に過ぎなかった。

抗えない衝撃波が打ち込まれ、直後の熱風で人間は骨までも粉々になる。


自由の女神が見守るニューヨークも、瓦礫しか残っていない荒野と化した。

スイスの緑豊かな山林も、灰だらけのみすぼらしい焼け野原に一変した。

宇宙から見た地球は、あらゆる所で光が炸裂し、その度に多数の命が奪われていった。


ただ、1箇所だけ生き残った国があった。昔、日本と言われていた国。

今の人類では、この地球外生命体には勝てる見込みがない。

そうであれば、未来での勝利に賭け、今は地球外生命体の家畜に甘んじることを決めた。


日本でも、ある男性が、好きな女性を殺させないと、徒党を組み、立ち上がる。

頭の中に埋め込まれたAIチップを取り外し、地球外生命体の施設を攻撃する人も現れた。

この結果、博多、大阪、横浜等の都市は破壊され、人間は東京に集約された。


地球外生命体は、男性は、異性を守ろうと集団行動を取るリスクがあると理解する。

それを踏まえ、男性はメタバースの中でも、生涯1人で過ごすように見直した。

子供は、人間の卵子と精子で、地球外生命体が計画的に作り、数を統制する。


生まれてから、家畜として飼育されていることに違和感を感じずに育つ。

与えられた知識の中で、自分の力で生きていると思わされて生きていく。

こうして、地球外生命体が目指す血液の生産拠点が確立していった。


10年も経つ頃には、人間は誰も地球外生命体から飼育されていることに気づいていない。

異性がいることや、子供は地球外生命体が産み出していることも知らない。

完全に、地球外生命体に従順に育てられる家畜になっていった。


ただ、限られた人達には、地球外生命体への屈辱を晴らすべきことが言い伝えられる。

今、無駄死にするよりは、人類のDNAを残しておく方がいい。

そうすれば、どこかの未来で、人類は、再起をかけた戦いに挑める。

再び、立ち上がるために生き延びろと。

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