第8話 冒険者様(魔王)、悩みます。
戦闘パート、終わらないかもしれません。
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時は18XX年。天の川銀河、太陽系の惑星、地球。
いわゆる「もし魔法があったら」の世界線のお話。
そこのある国、クロサス国の魔王様、カラセス様は
転生して色々あって冒険者になった。そして、、、、、
「さて、どうしようか。」
今俺は、悩んでいる。
まずはこれから何をするかだ。
一つ目は逃げた男の子の行方を探すこと。
二つ目はあいつらの目的を聞くこと。
三つ目は帰ること。
この三択なのだが、男の子の行方を探すにはあいつらに聞かなきゃいけないから二つ目からかな?
と思っていたのだが、男の子は時間が経てば経つほど遠くに行ってしまう可能性があるため、最初から探すべきかもしれない。
だが、そんなことをしていたら男の子を追いかけていた2人が増援を呼んでしまい、八方塞がりになってしまうかもしれないから早く帰るべきなのか、、、、、?
わからない。
だがここで何もせずに帰るのは論外だな。
三つ目の選択肢は消してもいいだろう。
じゃあまずは話を聞くか?
それとも男の子を探すか?
うーむ。
悩む。
いまここをはなれるのにはりすくがあるよな、、、、、
考えて止まっていても仕方ない。行動するべきだ。
とりあえず犯人どもに聞きに行こう。
そう決めた俺は、椅子から立ち上がり早歩きで扉をあけて、廃小屋を出た。
森の方へ少し進むと大木に括り付けられた男達が何かに向かって話している。
俺は慌ててしゃがんだ。
そしてバレないようにそーっと近づき、大木から5mくらいのところで聞き耳を立てた。
俺はくくりつけている大木の裏にいるから見えないはずだ。
「おい………だか……勇者………金髪……………2人t………iがしt……終わr…」
奴らが話している内容には『金髪』とかあったから見た目が関係しているっぽい。
あとは『勇者』って単語もあったし、俺を探していたのか?
『逃し』とか『終わり』みたいなのも聞こえたな。
うーん。断片的すぎてわかりにくい。もっと近づくか?
だがバレる方がリスクだな。
それにしても奴らは何に話してるんだ?
何か石板が光っているように見えたが、、、、、
魔法陣か何かか?
すると今度はあの3人以外の声が聞こえた。
「だ…ら、…………れるわk………だろ!……は狩d………なんd………。」
また断片的な声が聞こえた。
今度の声は結構高く、聞いたことのない声だった。
さっきよりも情報量が少なかったな。
だがこの声を聞いて、あいつらが何にしゃべっているか、おおよそ見当がついた。あの3人以外の声が聞こえたことから考えるに、
おそらくあいつらが使っているのは『伝達魔法陣』を利用した通信機器だ。
『伝達魔法陣』
これは、魔法陣に何かしら影響を与えると、他の魔法陣でも同じ反応が起きる。
例えばその石版を音が反射しやすいものにすれば、喋りかけると向こうにも同じ声が届く。だが、音を反射しない材質のものにすると、反応しないので他の魔法陣でも何も反応しない。
あくまでも石版の反応を伝達するのだ。
これを利用して、石版ではなく木板に魔法陣を描き、石で削ることで、文字を伝達したりもできる。
この伝達魔法陣を描いた石版に話しているのだろう。
話している相手は、男の子達を追っていった2人の男たち。
情報が増えてきたので一回、整理しよう。
俺らを誘拐したのは『ドン』の指示。
そいつは武力なり権力なりがあり、犯人たちが怯えるほどやばいやつ。
そして誘拐した理由には、町長が言っていた勇者の予言などが関係している。
予言の内容と、「金髪」と言っていたことから、こいつらは金髪の男子を誘拐していると考えられる。遠くてよく見えなかったが、おそらくあの男の子も金髪なのだろう。
ここまででわかったことだけでも十分脅しは効く。
よし、あとは本人たちに聞こう。
俺は立ち上がり、 奴らに向かって走っていく。
「おいおい、お前ら。何してんだ!?」
ビックリさせるように叫んだ。
しかし、今、俺の声は子供なので全くドスが効いていない。
つまり、全然怖くない。むしろなんか面白くなってしまった。
失敗だ。
「あぁ?うわっ!なんだよ!ビックリさせんな!
てかお前、いつの間にっ!
いや、全て聞かれてたと判断すべきだな、、、、、。
で?お前は俺らをどうするつもりなんだ?俺らが仲間と連絡を取ったから『はい、殺します』ってか?」
最初は驚いて慌てていたが、すぐに冷静になったようで、早くも開き直りはじめた。
だが、読みが甘い。
『お前は俺を殺せない』って舐め腐った目をしてる。
これから、死ぬより辛い目に遭うってのにな。ヒッヒッヒ。
おっと、性格の黒い部分が出てしまった。
「ウギャァァァァァ!やめ、やめろぉぉぉぉぉ!アツッッッッッッッッッッt!ウエェェェェ!なんか入って、ウギャァァァァァ!ア、アツイ!」
廃小屋をではむさ苦しい男どもの悲鳴が響いていた。
3人も同時に拷問してるから、そろそろ耳が壊れそうだ。
まだ初めて5分も経ってないのに、だ。ヤバイだろ?
えっ?何をしたのかって?
いやいや、別にそんな非人道的なことはしてないよ。
ちょっと半裸にして、ちょっと熱めの炎を近づけて、ちょっと魔蟲を体内に入れただけさ!(キラ!)
魔蟲ってのは色々な種類のがいるんだが、今回召喚したのは、
『這糸蟲』ってやつで、見た目が這ってる糸みたいだからその名がついたんだ。体内に入ると気持ち悪い粘液を吐き出して巣を作ろうとするんだが、消化管なら消化液が出て巣が作りにくいため大体害はない。喉に異物がある感じで凄く気持ちわるいけど、、、、、。
だが、一番最悪なのは気管に入った時だ。
こいつ気管に入ると肺胞に巣を作り、死ぬまで住む。屍は毒。
だから呼吸をすると倦怠感が伴うらしい。
そして、蟲の寿命=そいつの寿命になる。
おいたわしや。
だが吐きそうになっているところを見るに、虫が入ったのは消化管っぽい。
良かったな、犯人Aさん。
そういえばこいつらの名前、、、、、
まぁいっか。こんな奴らの名前に脳の容量圧迫されたくないし。
リーダーっぽいのがA。バカっぽい用心棒がB。計画したっぽい眼鏡がC。今いないけど、凶器持ってた優秀そうなやつがD。隠キャっぽいのがE。
ってことにしよう。
早く話してくれないかなぁ。
魔蟲の召喚は魔素消費と魔力疲労が激しいんだよな。
「はなっっっっっっすっっっっって、いっっっっってるぅぅぅぅ」
どうやらくすぐったくなってきたらしい。
縛り付けて脇をツンツンつついてたりもしたからな。
もちろん木の棒でな。触るなんてまっぴらだよ。
最後の方は炎がちょっと触れたから悲鳴になってたな。
まぁ話すって言ってるし、一回やめよっか。
「わかった。では話せ。嘘を吐いたら髪に火をつける。」
軽く脅して、話すよう促した。
するとCが話し始めた。
「最初にボスがクウェンデルで、「金髪の子供の勇者がいる」という話を聞いてきたんです。僕らはもちろん嘘だろうと考えていました。ですが、ボスが目をつけたのは「勇者がいること」ではなく「勇者がいるという噂が広まっていること」でした。
ボスは僕らに「勇者を誘拐して、町長を脅す。町長は町民の希望を奪わないために金を払わざるを得ない。これで稼ごう」と言い、僕らにそれを実行しろと言ってきたんです。」
おい町長!お前やん!そして苦しめられる予定だったのもお前やん!俺巻き込まれただけやん!
ハァ。理不尽。
「なるほどね。ハァ。わかったよ。ハァ。喋ってくれて、ハァ、ありがとう。ハァ」
理由がわかるったのに全然スッキリしねぇ。
そりゃ溜め息もつきたくなるわ。
ハァ。やってらんねぇぜ。
まぁとりあえず理由はわかったし、男の子を救出しに行きますか。
「ちなみにDとEは、いやいや他の二人はどこにいる?」
「いやそれはちょっとぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
おっと手が滑った。握力が弱まったのか燃やしていた松明が断ろうとしたAの太ももに倒れかかってしまった。
「言いますぅぅぅぅぅぅぅ!言いますからぁぁぁぁぁぁぁ!」
いやすまないねAくん。君は素直でいい子じゃないか。
俺は松明を握り直し、Aに向かって言った。
「そうか。では話せ。」
「奴らはそっちの森へ3キロほど進んだところろで、先回りして待ち伏せしています!」
どうやらよっぽど松明が熱かったらしく、めちゃめちゃ畏まって言ってきた。
だがこの森は3キロは続いてるってことだよな。
ここら辺の地形も覚えて行かねば。
「情報提供有難う。では、貴様らを再度大木に移動する。」
奴らはホッとしたようにため息をついた。
そして俺が奴らを連行し終わると、10秒ほどで寝てしまった。
まだ昼なのに、だらしない!
まぁ、それだけ拷問が堪えたのだろう。
なら拷問は成功だな。もうちょっと色々試したかったけど。
俺はゆっくり立ち上がり、森の方へ向かって走り出していくのだった。
後ろでは沈みかけの太陽が、前では山に掛かった雲が赤く染まった体で、1日の終わりが近づいていることを告げていた。
この魔王様の「ひま」は彼からに始まり、その後も多くの人を巻き込んだ伝説を作っていくことになる。
皆さんが見ているのはその一幕なのだ。
いかがだったでしょうか。
まさかの拷問でしたね。
続きが気になる!と思っていただけたら幸いです。
ポイントとブクマお願いします!