第5話 魔王様は、勇者様でした、、、、?
第5回目の投稿です。意外と進んできましたね。
そしてよかったらブクマとポイントお願いします。
では本編どうぞ!(少し短めです。)
時は18XX年。天の川銀河、太陽系の惑星、地球。
いわゆる「もし魔法があったら」の世界線のお話。
そこのある国、クロサス国の魔王様、カラセス様はいま、
「もうちょっとで着くから、ちゃんとついてこいよ。坊主。」
ある男に案内されて、商店街まで歩いていた。
「はい。」
そういえばこの人の名前聞いてなかったな。
「すみません。貴方の名前をお聞きしてもいいですか?」
「あぁ。言ってなかったか。俺はグロゼルだ。テルセント グロゼル。そういやお前の名前も聞いてなかったな。なんて名前だ?」
どうしよう。もういっその事マジの名前で行くか。
「僕はカラセスって言います。苗字は、、、覚えていないんです。親とはぐれたの随分昔で、カラセスって名前呼ばれてたことだけしか覚えてなくて。なのでカラセスって呼んでください。よろしくお願いします。」
「そうか、、、、、。カラセスな。覚えた。」
まぁ大陸違うし、魔王と同じ名前とはバレねぇだろ。
でも苗字忘れたってのは無理があるか、、、?
いやでも、孤児とか意外と多そうだし、いけるかも。
それにしても、街の中心に近づいてきたからかな?凄い人の量だ。
下手したらうちの国の首都より多いんじゃないか?
国は壊滅してるのに人は多いままなんだな。
それだけ愛されてる場所ってことか。
でも、ここにはあまり冒険者が見当たらないな。
「すみません、テルセントさん。ここにはあまり冒険者がいないようですが、、。」
「あぁ。ここは商店街だからな。大体冒険者は、訓練場か、飲屋街にいる。あと呼び方はグロゼルでいいぜ。」
そうなのか。
えっ!もうここは商店街なのか!?
「今、僕らはどこに向かっているんですか?先ほどは商店街に行くとしか言われてなかったので知らないんですが。」
「言ってなかったっけ?町長のとこだよ。子供を見つけたら連れてくって決まりなんだ。」
なんか怖いな。
子供集めるってどんなことしてるんだよ。
「ほら着いたぞ!」
あぁ。どうやらボーッと話してる間に着いたらしい。
前を見ると、周りと比べて一際豪勢な、、、ってほどではないが、普通に大きめの建物があった。
看板には「町長's ハウス」って書いてある。
いやいや待ってくれ。何故そこだけ英語っぽいんだよ?
町長ってそうゆうセンスの人なのか?
世の中には不思議な感性をした人がいるもんだな。
「おい。町長!例のやつ連れてきたぞ!驚くことにマジでいたんだよ。まさか、あの預言者本物なのか?」
例のやつ?
俺のこと?
ひょっとして俺、指名手配されてんの?
このまま牢獄直行とか?!
なんか犯罪起こしたやつに転生したのか?!
いや、でも本には「転生したタイミングで体が生成される」って書いてあったぞ。
「グロゼル君!?勇者が来たとは本当か?!」
ゆ、勇者!?
誰が!?
「そうだよ。こいつだ。預言者が言ってた『金髪で、アオカシスから来た人間』だよ。びっくりだろ?俺も最初は疑ったさ。でも、こいつの話では本当にアオカシスから来たらしいんだ。」
あぁ。だからアオカシスから来たって言った時、凄い驚かれたんだな。
「坊ちゃん。きみは本当にアオカシスから来たのかね?」
びっくり。町長って言われて高齢のおじいさんを想像してたけど、40代くらいのおじさんだった。
結構イケオジだな。
「はい。僕はアオカシス大陸からやってきました。怖い男の人達に誘拐された後、色々あってこの大陸にたどり着いたんです。」
「驚いた。そこまで予言通りとは、、、。」
さっきから言ってるけど予言って何?
まさか「勇者が来る」って予言でもしたのかな?
「な?言っただろ!最初見たときは、こんな金髪のやつが荒野に立ってて、驚いたぞ。なにせ、こんな金髪はこの国じゃなかなか見ないからな。」
あぁ。俺そんな珍しい容姿なんだ。
「何はともあれ、勇者様の降臨じゃ。急いで各所に伝えねば。」
いやいや、ちょっと、話を勝手に進めすぎじゃない?
これは止めねば!
「ま、待ってください。僕には全然話が見えないんですけど。まさか僕が勇者だとは言いませんよね?言っておきますが僕にはそんな力ないですよ!」
マジで展開が急過ぎる。いきなり、「あなた勇者です。ここ統治してください。」とか言われても困るんですけど!
勇者になりたいとは言ったけど、こんな風になって欲しい言ってない。
そもそも勇者って、降臨するもんじゃなくて、革命を成功させた人に付く異名みたいなもんでしょ!そんな神みたいなものじゃないから!!
「あぁ。すまない。えっと名前は、、、、、、」
「カラセスです。」
「あぁ。カラセス君ね。君はある預言者が言っていた勇者像そのものなんだよ。『金髪の髪で、アオカシス大陸で誘拐されてこの大陸に来る』とゆう感じのね。だから、強くなくてもいいんだ。あくまでも町民たちを安心させるための救世主になってほしいんだよ。」
あぁ。そういうことね。預言者のいうことを信じてるんってわけじゃなく、信じてる町民を安心させるためにってわけね。
ふーん。
なんだ。ただの道具か。
それは、当然、
「嫌です!」
急な沈黙が訪れる。
「えっ?」
あれ?聞こえなかったのかな?
「い や で す!」
「いやいや待って。なんでよ!なれるんだよ?子供の憧れの勇者に!」
いや町長さん。そんなこと言われても。
「そんなのただの道具じゃないですか!
僕も勇者には憧れてますけど、実際にパーティを組んで、魔物を倒して、革命を成功させるような勇者に憧れてるんです。みんなに『大丈夫ですよ』なんて言って回るだけの勇者になんてなりたくありません。」
ふぅ。言ってやったぜ。これで諦めるだろ!
「だとよ、町長さん。ここまで本人が嫌がってんだ。やめてやりなよ。」
そうだグロゼルさん!どんどん言え!
と言うか、グロゼルさんはこっちの見方をしてくれるんだな。
「でも、いま町民たちは怯えながら暮らしているんだ。なんとかしてやりたいじゃないか!」
そうは言われても、そんなことやり始めたらずっと演じてなきゃいけないんだろ?
そんなのはお断りだね!
「落ち着けよ町長。ここにはたくさんの冒険者がいるし、剣の達人フェイトさんだっているんだぜ?町民もそんな不安がっちゃいねぇよ。」
グロゼルさんは俺の言いたいこと全部言ってくれるな。
これがシンパシーって奴かな?
そういえば、冒険者を鍛えてるって言う、剣の達人って『フェイト』って名前なんだな。
俺が魔王の頃にも聞いたことないわ。
まぁ他大陸のことだしな。
「しょうがない。だが名前は使わせてもらいたい。勇者様がいるって言う事実を使う時がくるかもしれん。頼む!」
まぁ、それくらいだったらいいかも。
「いいですよ。何か縛られるわけじゃないし、実害もすぐには出なさそうですし。」
だが話は思わぬ方向へ。
「グロゼル。勇者様に何かあっては困る。お主がパーティーメンバーとして守ってやってはくれないか?」
あれれ?
まだ「勇者様」なの?俺。
まぁ、それくらいいっか。なんか褒められてるみたいで悪い気はしないしな。
でもなんで俺がパーティー組もうとしてるって知ってるんだろう?勇者に憧れてるとは言ったが、それだけじゃ実際にやるとは限らないと思うけど。
これが年の功って奴なのか?
てか、早速パーティメンバー獲得できそうなんだが。
ここは俺からも強めの押しとこ。
「僕からもお願いします。グロゼルさん。僕はこの街にきたばっかで、何もわからないし、職も見当たらなそうなんで、冒険者とかをやるつもりだったんです。誰か知り合いの大人がいると助かります。」
冒険者になりたいもっともらしい理由といえば「職がない」だと思うから、これなら信じてもらえるだろ!
「まぁ。俺も一人なんで、しばらくこの街に入るつもりなんで。この子がいいって言うなら、やりますよ。なんかこの子面白いんで。」
よっしゃー。パーティメンバー、一人確保だぜ!
この魔王様の「ひま」は彼からに始まり、その後も多くの人を巻き込んだ伝説を作っていくことになる。
皆さんが見ているのはその一幕なのだ。
お読みいただきありがとうございました。これからもよろしくお願いします!そして質問や意見なども感想にぜひ!