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第3話 魔王様、転生します

第3回目の投稿です。ポイントどブクマぜひお願いします。

長さは普通くらいです。

時は18XX年。天の川銀河、太陽系の惑星、地球。

いわゆる「もし魔法があったら」の世界線のお話。

そこのある国、クロサス国の魔王様、カラセス様はいま、



「早く起きなさい!人も集まってきてるのよ!」


気持ちよく二度寝をしていた。


転生魔術の本は五冊合わせて1万ページ近くあり、とても常人が1日で読み切れる量ではなかった。そんな量の内容を一気に頭に入れれば、12時間寝続けることも不思議ではないだろう。


「爆睡してる奴にはこうすればいいんだ、よっ!」


ボスッ


キュスクの持った短剣が鞘ごとカラセスの背中に突き立てられた。


下向きで寝ていたため背骨を直撃している。常人が受けたら間違いなく痛みに悶絶していただろう。

そして、キュスクの目論見は成功する。


「グハッ!」


「ほら起きただろ。」


目が覚めた。

まあ、俺にとっちゃ最悪の目覚めだがな。しかも攻撃した本人は自慢げで、めちゃくちゃ腹がたつが、起こされたことで助かったのは事実なのでむやみに当たるわけにもいかず、もやもやとした寝起きだった。


加えて今の時間は夜。朝と違い気持ちよく起きれる時間帯ではない。つまりこの起こし方だと、重ね重ね最悪の気分になる。


「起こし方にも常識ってもんがあるだろうが、ゲホッゲホッ。」


く、苦しい。

なんとかして苦しさを払わなければ。ここは気合で、


「パワァァァァァ、ダァァァァァァ!」


よし少し気が紛れた。ムムム、なにやら女性陣がドン引きしている気配がする。

だが、気にすることはない。


こんなことになったのはあちらのせいなのだから。


「いつも思うのだけど、何かあるたびに叫ぶのやめてくれないかしら。」


「転生してからもそーゆうことやってっと、変人扱いされて、ハブられるぞ。」


なんだとぉ!こいつらも大概、急に叫びたすくせに。

自分のことを棚に上げて、人のことばかり好き勝手言いやがって!


「お話中すみません。魔王様が寝起きでいらっしゃることは承知の上ですが、お急ぎで準備をお願いします。転生魔法に協力してくださる魔術師様方が、国中から集まってくださっています故、ご挨拶をお願いします。」


優秀な部下に怒られてしまった。


だが、挨拶はしなければいけないからな。


「わかった。行こうか。ちなみに何人集まってくれてるんだ?」


俺と部下が話してる間、女性陣二人はティーテーブルでお茶会を始めていた。だが、


「二百人です。」


この報告を聞いた途端に吹き出さんばかりに驚愕していた。


「ハァ!?」


無理もないだろう。俺も現に叫んでしまっているのだから。

さっき注意されたばかりだったのにな。


するとキュスクが、


「おいおいちょっと待ってくれよ。本当に二百人なのか?私が地球規模の検知魔法を使うのに集めた人員でも百人ほどだったのに、それより多いって、んなわけないだろ!」


と話に入ってきた。


だが、それは簡単なことだ。


「いや、それは別に不思議じゃないさ。

まずは魔法は大きく2種類に分けられる。

一つは無形魔法。

検知魔法や、以心伝心的な実体のない魔法だ。

二つ目は有形魔法。

火魔法や水魔法などの実体を持つ魔法だな。

当たり前だが後者の方が魔力を多く必要とする。無から有を生み出すんだからな。

転生魔法はそれの最上級なんだ。ここまで言えばわかるだろ?

いくら規模がでかくても検知は無形魔法だ。対して転生は規模が小さくても最上級の有形魔法だ。だから人数が多くてもおかしくないんだよ。」


ここまで聞けばわかると思う。魔法とは難しいんだ。


えっ?難しくない?

いやいや難しい筈だ!だって俺が理解するのが大変だったんだから難しいに決まってる。


キュスクはさらに疑問を投げかけた。


「なるほどな。でもお前の魔力があればさほど人数必要ないんじゃないか?」


それも勘違いだ。


「転生魔法に必要なのは、転生する本人の魔力じゃない。本人だけだと魔法陣は展開できても、その後維持できない。維持しないと魔法陣が霧散して、転生する途中で引き戻されるか、体と魂の接続がうまくいかず、最悪死に至る。だから、魔法が使えるやつが大勢いないといけないんだよ。」


「だから私も手伝わされるんですよ。」


そうラチスにも手伝ってもらうんだ。魔力で言えばこの国でトップクラスなんだから。


うん?一番は誰か?俺に決まってるだろ!


そんな話をしながら大講堂まで移動していく。


「ちなみに決行はいつなんだ?」


「明日の朝の予定です。そのためにみなさんに集まっていただいたんですから。」


なんだ深夜に決行かと思った。


「あなたはちなみになにに転生したいの?」


ラチスも妙なことを聞くね。


「当たり前だろ。"勇者"だ。」


そりゃそうだ。


みんなもそうだろ!剣で戦いながら魔法も使えて、仲間も回復できて、マジで強い!


こんな戦闘職他にないだろ!


あとはあいつを見て憧れてたってのもあるけどな。

あいつは超強かったからな。


そうやって回想している間に大講堂に到着した。


「魔王様!」「カラセス様!」「魔王様!」「魔王様!」「カラセス様!」「魔王様!」「あれは!レドスト国の王女様では?」


とみんなから話しかけられるが、顔を見てみるとみんなその地域で英雄扱いされているような凄腕の魔法使いばかり。


これを見て改めて、いかに大規模なことをやろうとしているかを実感し、重圧がどしんとのし掛かった。


「ああ。みんな。集まってくれてありがとう!俺の趣味に付き合ってもらってすまないな。魔法への協力、よろしく頼む。」


「当たり前だろ!」「魔王様のお願いだしな」「絶対成功させるぞ」「偉業になって教科書に載ったりして」


ありがたいことにみんな協力的だ。本当にありがたい。


「じゃあ、みんなに今回の魔法について部下から説明しよう。」


ここはあえて部下にやってもらうことで、公共事業ですよ〜ってアピール。(凄く大事)


「はい。では私から説明させていただきます。

まず皆様にやっていただく魔法は

転生魔術魂移動転生型魔法「レジェクルトン」です。

この魔法は対象者の肉体を残した状態で魂だけを転生させる魔法です。この残った肉体には魔力が残るため、魔王様には自分に結界魔法を張った状態で行っていただきます。

この魔法では、転生魔法の基礎となる魔法陣を展開し、それに重ねるように幽体離脱の魔法をかけます。転生魔法でよく使われる、肉体を消すところを省き、前後の不具合を消すため、肉体維持の魔法を間に挟むことで展開します。通達した通りの分担で行なっていただきます。」


「とゆうことだ。みんな、わからないことがあればうちの部下に遠慮なく聞いてくれ。」


流石俺の部下。なかなかの説明だったな。ウンウン(頷く)


えっ?俺にもできるのかって?もももも、もちろん出来ますよ!

でも必要がないってだけ。決して説明が苦手なわけではないですよ。はい。


「魔王様。今のうちから結界魔法を張り、体になじませておいてください。結界で転生魔法がはじかれるかもしれないので。」


「わかった。」


結界魔法なんていつぶりだろう。魔王城に張った時以来かな。


「結界魔法、対象は自分。発動準備OK。発動『クロレルト』」


ちなみになぜこんな長い文句がいるかとゆうと、周りの人たちを巻き込む可能性があるため、長めの文句で距離を取り、準備がOKかを確認するためだ。


あくまでもこの国のルールだから他の国行ったら、やらないように気をつけよう。


ファン!


よく響く綺麗な音が鳴ると同時に、俺の周りに球体の半透明な結界が張られていく。


だがまだ完成ではない。


「結界、最適化。」


結界が形を変え体に張り付くように縮小していく。


体に触れるか触れないかというギリギリのところで止まり、腕を動かしても、結界が変形することで、体に触れないようになった。


「うわぁ。久しぶりに見たぜ、お前の魔法。進化してるんじゃね?すげー硬そう。殴ってみるか。」


「やめてくれ。お前など壊されそうだ。冗談抜きでガチ目に殴ってきそう」


本当に怖い。こいつなら破りかねない。


「流石に殴らねぇよ。短剣で切りつける。」


「そっちの方があぶねぇわ!」


本当に怖い。


「あなた。そろそろ朝ですよ。転生魔法の準備も佳境です。あなたも手伝ってください。」


もうそんな時間か。確かに窓から日が差し込んできてるなー


「わかった。では、俺は真ん中の椅子に座ってればいいんだな?」


ラチスが頷いた。


俺はゆっくりと椅子に向かって歩き出す。

この椅子を見るのは何年後だろうか。


「では、魔法陣が整い次第、魔力の注入を始める。」


そう、リーダーのようなローブの男が言うと、

周りのやつらが一斉に頭を垂れた。


「「「魔王様、お帰りを心よりお待ちしております。行ってらっしゃいませ!」」」


そして魔法陣に魔力を込め始めた。


「あぁ。ありがとう。また帰ってきたら褒美をとらす!

キュスク、ラチス。行ってくる。留守を頼んだ。」


「もちろんです(だ)!」


ー転生します。ーーーーーー


『転生魔法は魔法の発動の際、魔法の声が聞こえる。

ー転生魔術上級者編より ー』


これ、本当だったんだな。



この魔王様の「ひま」は彼からに始まり、その後も多くの人を巻き込んだ伝説を作っていくことになる。


皆さんが見ているのはその一幕なのだ。

最後でお読みいただきありがとうございました。

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