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いい日に旅立ち。

さて、王妃様はしばらく王都に残るそうだ。

「あの人がうるさくてねえ。」

王様だな。


予定通り次の日に帰る為に準備をしていると、

「寂しいわ、、。」

エリーフラワー様が現れた。

「たびしいわ、。」

あら、ミネルヴァちゃん。

「うーん。エリーフラワー様、具合はどうですか?

昨日は普通に食べられましたよね。」

「そうなんだけどね、やはり心細くって。」


ネモさんとこに来られたらいいんだけど、妊婦に陸蒸気やら馬車やら大丈夫かしら。


そこへ、キューちゃんが来た。

じっと見つめてる。何だろ。

「自分がついて行くから大丈夫、と言ってますな。」

「そ、そうよね!キューちゃん!好きっ!!」


キュー。


おや、光ったぞ。キューちゃんはエリフラワー様に抱きつかれて満足気だ。

「大丈夫かしらあ。万が一のことがあってもワタシ責任とれないワ。」


アンちゃんは及び腰だ。


「そうですな。陸蒸気をゆっくり走らせて、エリーフラワーは拙者がずっと抱えておきますわい。」


キュ、キュー。


「キューちゃんも自分がクッションになって、隙間を埋めたり、ミネルヴァを押さえておくと言っておりもうす。逆にレイカさんと離れるとエリーフラワーが、ストレスで弱りそうなんでごわす。」


「わかったワ。ご一緒しましょうね。エドワード、くれぐれも頼むわヨ。」

「ガッテン承知のすけでごわす。」


…うん、エドワード君。キミが1番似合うよ、そのフレーズ。


さて、次の日。帰途についた。

風かおる五月、新緑の中陸蒸気は進む。

まもなくまわりに多量の犬が現れた。

一緒に走っているよ。

キューちゃんが光っている、合図かな??

「護衛だそうでござる。ネモさんさんところから走って来たとか。なー、そうでござるな。キューちゃん?」


キュー。


アシ○のゴマちゃんみたいにキューキュー鳴いて、エドワードさんと会話している。

可愛いなあ。

「撫でていいそうでござる。」

「え、ホントですか?」

「ナニ、こないだツチノコから、レイカさんがミノっちに、優しくしたと?聞いたらしいですな。」


まあ。ただ布を渡しただけなのに。。


「ふん、レイカちゃんはアイツがフル○ン野郎と呼ばれるのを救ったからさ。ーー!あ!いたっ!

ひどいわ、打つなんて。レイカちゃん。」


下ネタを言うんじゃないよ。


では、触らせていただきます!!

うおお。さらさらでフワフワっ!!そしてしっかりとした手応え!ちくしょう、たまらん。

「じょ、上等の猫ちゃんの手触り…。」

「ええっ、なんですって!」

「ワンちゃんの毛は猫ちゃんと比べて硬いでしょ。

だけどこの子はどこまでもビロードのような手触り。あああああ。」

「きい。うらやましい。きいいいっ。」

ハンカチを噛むアンちゃん。それはエリーフラワー様の専売特許では。


「ふう、ありがとう。」

いいえ、どういたしまして、みたいに耳をふるキューちゃん。

「あのなあ、無理にとは言わないけども、アンディ様に少し撫でさせてやってくれないかな、でごわす。」

ハンカチを咥えてシクシクしているアンちゃんを見かねたのだろう。

エドワード様が眉を下げてキューちゃんに、声をかけた。


…キュー。

不承不承という感じでキューちゃんが許可を出した。

「ありがとう!」

アンちゃんが触った瞬間、バッ!と毛が逆立った。

そして身を伏せた。

うん、わかる。あれは懐いていない猫の反応だ。

野良猫に餌付けしてもう、触っていいかな、と触ったときだ。うちの猫の餌を、便乗して貰いにきていたキジネコがあんな感じだったよ。

チッ(怒り)ご飯をもらってるから仕方ないけどさあ。

本当はまだまだ心を許してないんだぜ。

って、やつだな。


おや、アンちゃんが、号泣してる。

「我が人生に悔いなあああしっ!!!!」

ラ○ウになってる彼は良いとして、そろそろキューちゃんが限界のようだ。


ああっ、赤く点滅し始めた。


「アンディ殿、ま、その辺で。」

その時、キューちゃんが脱兎ならぬ脱狐となり、陸蒸気から降りていく!

そのまま、うずくまる。

するとどういう仕組みであろうか。九本の尻尾が一列にならんだ。

ピン!と並んで立つ尻尾の姿はステゴザウルスのごとし。

「キューちゃあああん!」

ミネルヴァちゃんとアンちゃんの悲鳴が響く。

すると、その尻尾が1番後ろから青く青く光り始めた!そのまま背中へと光が走って行く。

その姿はクリスマスツリーの点灯式のオーナメントのようだ!

ではなく、もっと近いのは、ゴ○ラである。

背中まで到達した青白き光。

身体を極限まで伸ばすキューちゃん。

そして、口をくわわっと開口す。


どおおおおおーん!!


その口から青白き光が放たれる。

それはまるで波動砲か。いややはりゴジ○か。


その光のパワーは森や、林をなぎ倒した!

うわ、みるみる茶色くなって枯れていくよ?


ふう、スッキリした。

とばかりにキューちゃんは陸蒸気に戻ってきた。


「な、なんだったの?」

「ナニ?ふむ、そうでござるか。なるほどでごわす。

アンディ殿から瘴気を吸い取って、放ってみたと。」

「…。」無言になるアンちゃん。

「アラ、昨日の王妃様の言葉を応用したのね、えらいわよ。」

「えらーい!」


エリーフラワー様親子に褒められて満更でもない、

キューちゃん。


「こうやって瘴気を吸って武器として放てるなら

、時々触っても良いと言っており申す。」

「えええ、何?私は毒の供給源なのっ!複雑だわ。」

「でも、アンディ殿。少し体調が良くなったのでは?」

「アラ、ホントだ。最近肩こりが酷かったのよねえ。」


まあ、アンディ殿は勤めとはいえ、三桁の人数を屠ってますからな。


…エドワードさん。さらっととんでもない事言ってるよ。


さて、陸蒸気はブルーウォーター公国についた。



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