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気をつけてお行きよ。

「レイカさああん、会えて嬉しいわー!!」

「大丈夫ですか?エリーフラワー様。」


翌日陸蒸気で会いに行った。

あらら、やつれちゃって。

背中を撫でてやる。

「うう、落ち着きますわー、何だろ、おばあちゃんの懐に抱かれている感じ。」


はい。わかってますよ。私はみんなのおばあちゃん。

ストレスなのね、心細かったのね、ヨシヨシ。

「アンディ殿ー!お会いしたかったでごわす!」

「エドワード、ワタシもよー!」


バシーン!


おお、相撲のぶつかり稽古のような音がしている。

右四つからの、左四つ。

アンちゃんの全力のサバ折り抱擁に耐えられるのは、

エドワードくん、キミだけだよ。 

受け止めてやってくれや。


「何なら食べられる?何食べたい?」

「肉じゃが。肉うどん。」

おおう、にくにくだ。

「かつお出汁は、試した?」

「試してない。魚臭い?」

「合わせ出しにするから、大丈夫かな。」



「美味しーいい!!」

「良かったでござる。」

お口にあったようだ。エドワードも涙目だ。

最近は、ジュースとりんごと素うどんばかりだったとか。


「じゃア、腹ごしらえもしたし、ちょっとアラン様のところへ行ってくるわ。遅くなるから先に寝てて。」

「うん、言ってらっしゃい。」

今回もエリーフラワー様のところに泊まりだ。

気心しれた研究所の所員さんたち。

調理員の人たち。

警備の人たち。忍び。

そしてミネルヴァちゃあーーーん。


ええとこの子は六月生まれで。もうまもなく五月だから。

「もうすぐ、ふたちゅ。」

すげえ。はっきりしゃべる。

「ペラペラリ、ペラペラ。」

ん?今なんと?

藤子不二雄先生とかが描く、外人のセリフみたいだけど。

「もう、ミネルヴァ様はニか国語をカタコトですがお話しになるのです。」

乳母さんも得意げだ。

えっ!すごい?


「リード様の御子の王子様達も、ウチの子と一緒にいたときは、なかなか上手にお話されたの、

でも、思ったより早くあちらに行かれたから。

お元気かしら。」

「お元気です。最近人見知りですけど。外国語はエリーフラワー様が教えてらしたんですか?」

「ええ、でもね、きっとヴィヴィアンナさまの方がお上手だわ。

ーーご一家はつつがなくお暮らしなのね。」


「ええ。」


「アンディ様も大変ね。あっちにリード様と王妃様もいる。アラン様からリード様にくら替えしたというウワサが流れてる。」

そんな。

「でも、今日明日とアラン様の側をベッタリしてたら、そういう不仲説も解消されそうね。

明日は貴族達でキツネ狩りをするみたいよ。

アンディ様も伯爵になってるから、

本当はご夫人もご一緒に、って言われるけども。

彼は護衛だし、何よりレイカ夫人は私の世話で忙しいって言えば大丈夫だしね。ふふん。」


キツネ狩り。


そういえば時々行われてたな。最近は隣国との間でゴタゴタしてたけどね。


キツネ狩りは素敵だけど生還できるかな。

とか、(某有名な歌手の歌を意訳)

キミの襟巻きを見つけたとかなんとか、

(めちゃくちゃ有名な漫画)


そういう奴か。

「エドワードも久しぶりに出るの。」

「おお、腕がなりますわい。レイカ殿がエリーフラワーについていてくださるから、安心ですな。」


「そうね。私も心強くなって食欲が出てきたわ!

何か、がつん!と食べたいわ!」

「良かった!何にしますか?」


「ワラジハンバーグ!!」

手を上げてのリクエストだ!

あら、懐かしい!

「ワラ、はんだーぐ!」

ミネルヴァちゃんもマネしてる。可愛い。

いいこのミネルヴァちゃんにはちびっ子サイズでね。



夜中目を覚ますと、アンちゃんがハンバーガーを食べていた。

小さなハンバーグとパンで作っといたよ。

「お帰り。」

「ん。」

「明日、キツネ狩りなんだって?」

「そうなんだよ。急だよ。服出してくれたのか。コレでいいや。まあやるなら王都に帰らなきゃと思ってたけど。」

「エドワードさんがくれた。私もそういうのにうといから。

ウチの実家クラスではお呼びはかからないしね。」

アンちゃんはエドワードか、ふふふと、笑ってアイツ気がつくよな、と。

「まだどこに暗殺者がいるかわからないから、護衛が主なんだけど。

だからキツネ、俺取れないし。取ってもアラン様に献上だな。ごめんね?

毛皮とか襟巻き欲しいでしょ。」


「ぜっっっっっっったいに、いりません!!!」


「アラ、そう。」


「それより。ウチの世界ではキツネ狩りで落馬して落命した悲劇の話が語りつがれているのよ、、。

気をつけてね?」

にじりよって説明する。

「え、わかった。なんかこわいワよ。」


「馬がねーキツネをとるワナに足を挟まれてねー。」

「わかった、わかった。」

アンソニーの悲劇を熱く語る私に辟易するアンちゃん。


「キツネ狩りと言ってもね、今回はキツネだけを狩るわけじゃないよ。わかりやすくそう言ってるけどね。」

ん?

「明日は元ギカント領内に行って、そこを荒らし回ってる野犬を狩りにいくのさ。もしかしたらイノシシもいるかもね。」

害獣駆除じゃない。

「結構危険なんじゃ?用意されたキツネを狩るんだと。」

以前見た大河ドラマはそんな感じです。


「まー、そんな時もあるね。王都の森で貴族のお坊ちゃんたちがやる時ね。」


 

仮眠してアンちゃんは早朝出て行った。


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― 新着の感想 ―
うわー、今回は元ネタがわからない・・・ 実は、そばかすの女の子のお話はよく知らなくて。 原作もアニメも一回くらいしか見てないのです。 あの頃は違う出版社(S社)のものしか読んでなかったし友達でその系列…
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