それから、それから?
懐かしいアニメハクション大魔王。
それから、それから?とかそれから、どうした?
の合いの手で有名?で、CMに行く前の傘をもったおじさん。
「それからおじさん」と言うらしいですね。
5日後。
結婚休暇があけたネモさんのところへ、温泉まんじゅう持参で、(結構上手く出来たよ。)
王妃様のお供でアンちゃんと一緒に行った。
ネモさんは屋敷の庭で犬たちといた。
王妃様が訪問の目的を述べる。
「もちろんですよ、母みたいな人を減らしたいですからね。」
ご機嫌でシェルターの件をOKしてくれた。
「元忍びの保養所の中なら警備も万全でしょ。」
うおおーん。
王妃様と話をしながら、寄って来たコヨーテや狼の背中を撫でている。
ただのわんちゃんではなかったか。
すごい。撫でるだけでコロリコロリとお腹を出して転がっていく。
イボコロリならぬ、イヌコロリだな。
(春やすこ・けいこの顔が浮かんだよ。)
10匹くらいいるかな。壮観だ。
(そして流石に犬臭い。)
「では、中でお茶をどうぞ。」
犬撫でを切り上げて手を洗うネモさん。
おもたせの温泉まんじゅうと紅茶で和やかにティータイムが始まった。
「遅くなったが、結婚祝いじゃ。」
王妃様の合図で、真珠のネックレスとイヤリングを取り出すアンちゃん。
うやうやしく手渡される。
「コレは!」
以前も言ったがネモさんとこには海がない。やはり真珠はとても喜ばれたようだ。
多分、大粒で10ミリ玉で長さは63センチと思われる。
「式の時はローリア殿は、両側の御母堂からのカラーストーンをつけていたであろう?
気をつかってそれを外して王家のものをつけたら気まずいからな。」
「ありがたき幸せ。家宝にいたします。」
「ねえ、レイカ。真珠の首飾りってグレンダイザー?」
「グレンミラーですよ。グレンダイザーはUFOロボです。」
「あ、私もTVで見た!グレンミラー物語。
何といってもムーンライトセレナーデよね!」
「茶色の小瓶もいいですね。」
王妃様はもうお仕事モードはやめたようだ。
ネモさんが話についていけなくて困ってる、
そしてアンちゃんは慣れてる。
「ところで、ここの温泉はいいわね。しばらく別荘に滞在するわ。」
「それは良かったです!ごゆっくりなさって下さいませ。
それにしても、この温泉饅頭美味しいですね!レイカさん!」
「お口にあって何よりです。」
「温泉施設で売りましょう!」
「レシピをお渡ししますわ。」
「新しい名物になりますよ、レイカさんの取り分が、こんな感じで。」
おお。一儲け出来そうだ。
王妃様もにこやかに笑って見ていた。
「背中の傷がねー、季節の変わり目にねーうずくのよ。」
「ここの温泉は傷には良いらしいですよ。切り通しの作業をしてるものが言ってました。」
「そうそう!そこの黒卵が欲しいの!」
「早速持って来させましょう。」
ネモさんは、窓を開けて小鳥を呼んで足に手紙をくくりつけた。
「ネモさん、ツチノコは身体を温めるの?」
「夏は涼しく、冬は暖かいって言いますね。
ーあ、なるほど。
王妃様、お試しになりますか?」
ネモさんの上着の一部の色がかわってペロリと剥がれてきた。
「本当にカメレオンみたいね?」
「何匹いるんですか…。」
驚くアンちゃん。
「私は、鎧代わりに貼り付けてますけど、貼っておくと暖かいと思います。」
「つまり温湿布ってことね。あら!あったかい!それに思ったより軽いわ?
もしかしたら、素肌に貼ったら毒も吸い出してくれるとか?」
「そんな、王妃様。昔のヒル療法じゃないんですから。
ところでこないだ点滅してましたけど、
何なんでしょうか?」
「あー、なんか怖かったのかな?」
「UMAもビビらせる私のナイフさばきってことね、ウフフ」
アンちゃんはご満悦だ。
「ネモ公爵。しばらくこの子借りていいかしら?
」
「差し上げますよ。それよりもう少し薄くなりますよ、そうすると背中全体的に広がります。頭をちょんと叩いて見てください。」
「あら、ホントだ。ーーほんとにね、以前この子がいたら背中の怪我をせずにすんだわ。」
アンちゃんとネモさんが切なそうな顔をした。
「インナーに貼り付けても平気かしら?アウターにも響かない?」
「ダマー○下着じゃないんですから。」
「某妃殿下もご愛用のね!
流行ったわねー!私持ってたわ。」
「私もです。」
「ところでね、ネモ。独立というか、ここを貴方を王にする国にするのはどうかしら。」
あ、あっさり言っちゃうんだ!
「はああいいい??」
ネモさんはカップを落とした。
そこへ、
「おぼぼべびだじじだ!」
黒卵のカゴを持って空気を読めずにミノタウロスが現れた!
うん、多分お待たせ致しました!と言いたかったのね。