表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/288

夜の訪問者。

それからは和やかに進んだ。

お食事中もミッチーはアンちゃんの膝の上から離れない。

なんと素晴らしい。

アンちゃんはニコニコさんだ。


「サンド兄さん。猫ちゃん増えたって聞いたけど。

他の猫ちゃんは?」

「それがなあ。ここ何日か見当たらないんだよ。」




夜。

アンちゃんが身を起こす気配がした。


私に向かってシッ、と指を立てる。


何か柔らかいものがジャンプして、ドアの取手にアタックする気配。


アンちゃんの顔から警戒の色がなくなって、惚けている。

空いたドアの隙間に身体を入れてグイグイと広げて入ってきた。

猫ちゃんのお部屋訪問だ。

「ま、まあああ♡」

にゃ、と小さくないてゴロゴロ喉を鳴らしながらミッチーが入ってきた。

「あ。そうだった。良く入ってきてたな。ミッチーおいで。」

すると後ろから子猫が四匹入ってきたではないか。

その後ろからはその親ネコたちが。

「そっかー、連れてきてくれたんだねー。ヨシヨシ。嬉しいワ。」

「最近いなかったのは子猫産んでたからなのね。」


「ミッチーはえらいワネ。ヨシ、わかった!」


うん?等々力警部かな?

手をポンと叩いてるよ。


「子猫ちゃんたちの面倒はウチでみるわ。猫カフェに引き取ろう!」

「あー、確かに。総勢七匹じゃ多いよね。以前は二匹だけだったんだけど。クロタはどこいったんだろ。」

オスネコはナワバリ争いとかしていなくなったりするものね。

ミッチーはくわっと、大きなあくびをしてアンちゃんのベットに潜りこんだ。

「ま!添い寝をしてくれるの。お利口ちゃんねえ。

寝返り打てないわ。ウフフ♡」


その時、ミッチーのゴロゴロが止まって耳が激しく動きだした。

「やはりアナタも気がついたのね。

レイカちゃん、今度はモノホンの侵入者。外に出てはダメだよ。」


!!!

ガタ!バタン!!


「おい、起きな!ランちゃん!このオンナがオマエの部屋に忍び込もうとしてたぞ!」


そーっと、ドアや開けてのぞく。

アンちゃんが女をはがいじめにして、口を押さえてる。


その声に父とサンド兄さんも来た。

飛び出してくるランド兄さん。

「おまえは!パティ?隣りの領地の?」

「本当だ。パーツ家のパティだ!」

「なんだ?知り合いか?でもさ、こいつ変な瓶を持ってるぜ?」



「シクシクシクシク。」

いきなり女が泣き始めた。

「ご。ごめんなさい。兄さんがやらかしたせいで、

私に縁談が来なくなって。

お、お父さんが、ランドさんが帰ってきてるから

夜這いしてこいって。

ううう。

何、薬でぐっすり眠らせて、朝まで、一緒にいれば

おひとよしのアイツのことだから、」


「責任とるってか。けったくそわるい。」


「カスティンの妹さんなのね。かすかに覚えてるわ。」

兄の後ろを俯いた顔で歩いていた。

「レイカさん、兄が貴女とヴィヴィアンナ様にご迷惑をかけたのは聞いてます。

その後兄の部屋からヤバイものが見つかったことも。」

(この辺のことは前作、グランディ王国物語に詳しいです。)

それで縁談が来なくなったのか。


「アンタさ。この薬はカス野郎が持ってたのを

親が隠してたってワケ?持ってるだけで罪になるやつだ。」

「そんな。」

「ほらね?ランちゃん。もう少しでワナに引っかかるとこだったでしょ。良く今まで無事でいたもんだ。

なあ、パティ・パーツ。アンタを手引きした奴がいるだろ?どうやってこの家に入った?」

「そ、それは。」

「わかってんのか!ここにはな!俺たちハイバルク伯爵夫妻も泊まってるんだ!そっちの殺害未遂容疑で捕まえてもいいんだぞ!」


わあ。暗部のアンちゃんの本領発揮だ。


「さ、殺害?」


「知らねえのか?コレはな、ただの催眠薬じゃない。枕元に垂らすと、ぐっすりとしか聞いてないんだろうな。長年貴人の暗殺に使われた、死の翼と言われる薬だよ。」


王の眠りを妨げるもの

死の翼にふれるべし。

ツタン○ーメン?


「仕方ねえな。おい、白鬼!ついてきてんだろ!」

窓からハッキーが入ってきた。

「何だ。気がついてたのか、せっかく弟夫婦の寝室をのぞいてたのに。猫とばっかり遊んでるんだもんなあ。」

「けっ!出歯亀がっ!俺が手裏剣使ってたら喉慣らしやがってよう、バレバレなんだよっ!」


あー、あれはハッキーか。弟の姿に、生つばごっくんって。

ヘンタイめ。


「わかってるだろ、一大事だ。今すぐ近隣の忍びを集めてパーツ家にカチコミだ!」


「ああ、手引きした奴も捕まえておいだぜ、ホラ!」

中庭にいくと、使用人が1人転がっている。

「先月やとった若い子だ。紹介状もしっかりしてたのに。」

驚く父。


「暴れたから、スネちゃまが噛んでくれた。しばらく動けない。」

ハッキーの髪からスネちゃま2号が顔を出す。


そこへ、カラスがアンちゃんの肩に舞い降りた。

「おまえ、ネモさんとこのカラスか?」

カア。

「助かる。この手紙を届けてくれ。ネモさんに。」

闇の夜に飛んでいった。見えるのかな。


まだ、カラスは何羽も飛んでる


「わんわんわん!うーうーうー!わんわんわん!」


「れ、レイカ?気でも狂ったの?」

母が顔を青くしている。

ちょっと恥ずかしいけどね、効果はグンハツよ。


わんわんわん!うーうーうー!わんわんわん!


空中のカラスが大絶叫だ。


一時間もしないうちにスケカクさんが飛んできた。

「何があったんだ?」


「わあ!ホンモノの忍者だ!サイン下さい!」


…ミルドル。


キミの憧れの白鬼もそこにいるよ。

ヘビが髪の毛からチョロリと見えてる、キモいやつがそうだよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ