猫じゃ猫じゃとおっしゃいますが、オッチョコチョイのチョイ
猫カフェの建物部分は出来た。若い忍びたちの控え室と私達の居室もだ。引っ越し作業完了。
いつまでもエリーフラワー様のところに間借りでは申し訳ない。
アンちゃんがまた綺麗な布を山盛り渡してお礼をした。
「いいのに。またいつでも来てね。」
エリーフラワー様と固く抱き合って別れた。
レストラン部分はまだ建設中だ。
いざとなったら王都方面へ逃げる秘密ルートを堀っている、、らしい。
「それでね♡猫カフェの従業員ニャンコ達の面接よ!」
保護猫さん達が集められた。
面接って。アンちゃん、どの子も落とすわけないでしょ。
落とされるのはキミよ。
「あーん、どうして貴女ダメなの?」
ホラ。
アンちゃんを嫌がらない猫。それが選考基準である。本人に自覚ないのか、構いすぎるのか。
アンちゃんは高確率でネコに嫌われる。
うーん、やはり猫ちゃんはアンちゃんの影としての黒いオーラを感じるのかも。
「ブラックデビルマン…。」
「何言ってるの、レイカちゃん!
また、前世のおばさま出てるのね!
ほら、額のボタン押したげる!
戻れ!もーどーれーいー!!」
痛い!痛い!意趣返しされた。
それでも十五匹くらいの猫ちゃんが残ったよ。
ゆっくりとお店にも慣れていってもらおう。
にゃあ。あああーん。みいみいみい。
子猫が多いよ。やはり好奇心旺盛で怖いものしらずだよね。
「か、かわい。」
「それから、これ。クッキーの試作品。カレーヌ様が置いてったよ。なかなか美味しいよ。」
「かわい。うま。」
アンちゃん。猫ちゃんに気を取られて、
感想がバイオバザー○の飼育員の日記みたくなってるよ。
クッキーはマカデミアナッツ入りと、チョコクッキーとバタークッキーだ。今度猫の形に出来ないか言ってみるか。
マーブル状態の生地にしたらなんか、ブチ猫っぽいかもね。
早速カレーヌ様にお伝えした。
「なーるほどお。良いアイデアね!小さな猫ちゃんクッキーを作ってチーズケーキに乗せるのもいいわ!」
うふふふと笑って微笑みの姫健在だ。
「ミドリナ様がレースでコースターを編んでくれるそうよ。」
「ありがたいけどね、猫ちゃんがイタズラしないかな。すぐダメになりそう。」
「あら、ではレストランの方にまわせば。そっちのテーブルクロスも編んでくれるって。」
「ありがたいわー。」
おお、カレーヌ様とこんなに平和に女子トークが出来る日が来るとは。
「ええと、ホラ、もう1人猫好きがいたでしょ。
あの子も来たがってるの。今度またケーキの試作品、持って来る時に連れてきてもいい?」
「あー、霊感占い師さんね。確かにあの人、猫ちゃん好きだったわね。」
元アメリアナ姫のメアリアンさんか。
タマちゃんに嫌われてたな。
「良いけど。無理矢理のおさわり禁止って言っといて。」
「ああ♡猫カフェがワタシの天職かもしれないワ。」
今日も猫ちゃんラブのアンちゃんである。
そこへ。
「やあ、開店準備が進んでるようですね。」
ネモさんがメアリアンさんとローリア様を連れて現れた。
肩にはタマちゃんだぞ。
メアリアンさんを見て、
「ひとりじゃ行きにくいっていうから。」
カレーヌ様とくるのは明日のはず。待てなかったのね。
「ああ、猫ちゃんがいっぱい、、」
その声に店中の猫がコチラを見た。
うん、まあ、そうかなと予感はした。
全ての猫がネモさんに突進だ!!
「「ああっ!猫ちゃんたち!!」」
アンちゃんとメアリアンさんの悲しげな声が響く。
「…なんか、ごめんなさい。」
猫ダッシュされて圧で倒れ込んだネモさん。
すりすりされて、舐められてる。
十五少年漂流記ではなく十五子猫滞在記だ。
「で、出禁よおおおおおおお!!」
アンちゃん、泣かないで。ホラ、気を使ってタマちゃんが寄ってきたよ。
膝に手を置いて、
にゃ。
気にするなと言ってるよ、多分。
ヨーシヨシヨシ。良い子だねー。