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スミレの丘で踊ってお祓い致しましょう。

次の日王妃様に拝謁した。

「あらぁ、やっぱりダメ?」

「ダメに決まってます!というかTVで見ただけですよ、あんな巨大ディスコ、行ったことありません!」

「そうなの?ディスコの帰りに、踊り疲れてコレで青春も終わりよネと呟いたりしてないの??」

「してません!」

「王妃様、TVもディスコも知りませんけども、そんな身体の線が出る格好でレイカちゃんを踊らせるなんて!いや、他の若い子でもダメです!」

アンちゃんも援護射撃だ。昨日きっちり説明したもんね。

「そうねェ。お立ち台だと下からのぞけちゃうもんねえ。私が若けりゃやったけどこの歳ではね。」


「母上!何をおっしゃるんですかっ!そんな鼻血ブーな格好をなさってはいけませんっ!!」


マザコンリード様が本気で止めに入ってる。

いや、どう考えても冗談だろ。


「ヴィヴィアンナには黒服になってもらおうと思ってたけど。」

えっ、それは似合うかも。ステキぃ。

「母上〜やめてください!ヴィーにミニスカに黒の網タイツの姿になれなんて!そ、そりゃグッとくるとは思いますけども!」


誰もそんな事言ってないない!

…リード様、もしかして足フェチか?


「ち、違うのよー、リード。ホラ、こんな感じ!」

サララと王妃様はお描きになった。流石に元漫画家だけの事はある。


「こ、これならまあ。」


お二人とも納得したようだ。


「でもねえ。そしたらどうしましょうか。」


うん?あの黒服の絵を見た私にひらめくものが。

黒服→黒の燕尾服→麗人


「王妃様。ジュリ扇はちょっとですけど。

シャンシャンはどうですか!」


「…おお!大階段!羽を背負う!そっちね!」

「こちらの世界は皆様ドレスでしょ。そっちが似合いますよ。」

「そうね!そうよね!」

※説明しよう。シャンシャンとは。

宝塚のエンディングで舞台上の人がみんな手に持っている、アレである。

丸い皿上の物にお花やらリボンやらがついている。

それにさらに紐状の物がついていて、2.5mくらいとか?

それをもってシャンシャンと振るのである。

大階段とはエンディングに皆さんが降りてくる階段であって、最後にトップスターが円形の羽を背負って降りてくる。

だいたい、殺生丸のしっぽみたいなのがついていて、とても豪華なんである。


前世、トップスターの羽根を見るたびに。

「ああ!コレよ!コレを見にきたのよ!!」

と胸アツになった。思い出すだけでたまりません。


早速、

クノイチやら若い貴族の子女の中から歌ウマ、ダンスが上手い娘さん達が集められた。


「僕も歌とダンスに自信があるのですが。」

そういう歌自慢の貴族子息がやってきたが、

「ダメ!この神事は女性のみなの!」

と、王妃様がヅカ道を押し出してらした。


「本当は未婚でやりたいけどねえ。」


それは仕方ない。王家には適当な姫がいないし。

もちろん、外せない存在のヴィヴィアンナ様も既婚者だし。

何しろ王妃様ご自身が、

「大羽根を背負って階段降りたい!!」

なんである。


さて、練習を重ねて当日がきた。

王都の劇場ホール。

関係者、各国の招待客が着席している。

スミレ色の布が座席にかかっている。

「ここで奉納舞いの神事を?」

「この色の布には魔除け効果があるそうな。」

劇場がキャトルレー○の袋の色で覆われている。

(私も最後ちょい役でシャンシャンを振らせてもらう。舞台袖での待機だ。)

厳かな音楽がかなでられ、マナカ国の王女さまが現れた。

歌のうまさを見込まれての特番ゲストなのだ。

御母堂アアシュラ様の拍手が響く。

とうとうと始まりの歌(王妃様作)を歌いあげられた。

エトワールか。さすがに上手い。

溢れる拍手。ご機嫌のアアシュラ様。


それから各国の音楽に合わせて舞の奉納がはじまった。踊らない人は舞台の後方で歌うのだ。


クノイチたちに男装をさせての群舞あり。

白の燕尾服である。

お相手のお嬢様達も楽しそうだ。白いドレスの裾がクルクル回る。お互いに白い服で清めの舞いだ。

「可愛らしいし、キレイよね。」

会場の評判もなかなかだ。

その次。

そこに男装のヴィヴィアンナ様が登場だ。


きゃあーー♡


黄色い歓声があがる。国を超えた彼女のファン達だ。

ウインクと投げキッスにキャアキャア喜ぶご婦人たち。

ん?紳士諸君も満更ではない顔をしてるよ。


そして現れたのはエラ様だ。お二人とも白い服。


「我が国の王子妃二人による、平和祈念のダンスです。」

アナウンスが流れる。


うわぁすごい。激しいステップからのリフト!

ヴィヴィアンナ様、腰大丈夫ですかっ。

二人でくるくると回る。

身体を伸ばしてくねらせて回転はいつまでも続く。

美しいスピンだ。

ダンサーになった方が良かったのでは?

こんな才能がおありとは。


情熱的なダンスのあと奥の幕があがって、大階段が現れた。


私もシャンシャンのチェックをする。小さな鈴がついていて、シャリン、と鳴る。

それにエリーフラワー様がスイッチを押すと光る仕組みを付けて下さった。

彼女は今回は座席で見ている。


私やクノイチとかダンスとか歌のみのお嬢様は階段をゆっくり降りて、左右に広がる。

そしてシャンシャンをゆっくりと振る。

エリーフラワー様がうなずきながら拍手をしてくださる。


歓声が。

ヴィヴィアンナ様と、エラ様が階段を降りてこられた。

おふたりそれぞれエメラルドがついたシャンシャンをかざしてらっしゃる。


「あれがグリーンアイ!」

「三点セットの2つね!」


さて、一瞬灯が落ちて、スポットライトが階段上に当たった。

王妃様の登場である。


私たちのシャンシャンもスイッチオン!

光りだす。


王妃様の首には王家の秘宝のエメラルドのネックレスが。

手にはシャンシャン。

もちろん背中に白い大きな羽根を背負ってらっしゃる。

白い尻尾もついている。ゆっくりと降りてこられる。



素敵だ。派手だ。得意げだ。


そして王妃様は歌いだした。唱えだした。

「はらいたまええ、きよめたまえええ♬むーねーにきらめくーエメラルドー

誰かがたたねばならぬーとーきー♬ゆうきを忘れないーでー♩

あ、はらったま、きよったま♪、はらったま、きよったま♫」


ま、まさか、ここで、ウルトラマン○オと、

○○星やつらをぶっ込んでくるとはなあ!!

はらたま、きよたまとシャンシャンを振り回す王妃様。

私たちも一緒に振る。


「うーら、うらうら、うらら♬」

おや?山本リン○?

シャンシャン、シャンシャン。


「うらうら○らべっかんこ!!!」


いきなりのあっかんべーで締めの雄叫び。


大好評のうちに公開お祓いは終了した。

ジャングル●ベエ。

あれ?伏せ字になってないかな。


追記

キャトレー○の袋の色が今はスミレ色ではなかったようです。

限定?かもしれませんが。

(2024.09.21)


あーいーそーれはー

あーまああーくーー

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