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ごらん、パレードが行くよ。

年があけた。戦勝パレードとご成婚パレードが

行われた。

その前に殊勲式があって、アンちゃんは子爵から伯爵へ。

1番の功労者のネモさんも伯爵から侯爵になった。

ネモさんには土地も与えられた。

元ギガント領でネモさんとこに隣接していた土地と、

今回ので人が住まなくなったブルーウォーター領近く王国内の土地。

両方ともかなり荒地なんだけど、そこも塀でおおって、二重にするんだって。


「ウォール・マリ○とウォール・ロー○?」

王妃様。ソレ私も思いました。



さて、パレードだ。

「ほほほほ。豪華でデーハーでエキサイティングなパレードになるわよ。」


王妃様はご満悦だ。

なんと、中庭に作られたロイヤルボックス後方での見学を許された。

隣にはアリサさんがいる。

ネモさんもアンディもパレードに参加するから、関係者枠の席なんだそうだ。


「暖かくてお天気も良く素晴らしい1日になりそうですわ。ホホホ」

「本当にそうですわ。ウフフ。」

貴婦人らしい会話をこなしつつ、パレードを待つ。

花嫁の母、ミドリナ様も後ろにたたずんでらっしゃる。

(亡国の元王妃という立場なので少し控えめな場所だ。)


隣のボックスには先日来られた各国の代表たち。

お相手をしてるのはリード様ご夫妻だ。

ヴィヴィアンナ様は男装ではないがパンツスタイルで青いブラウス。鎖骨チラ見せが素敵。


マンナ王国のアアシュラ様はお顔がゆるみっぱなしで、ヴィヴィアンナ様に視線が釘づけだ。


リード様もにこやかに麗しのスマイルで、ご婦人方に接している。顔力がんりきパワー全開だ。

「コレはこれで素晴らしい。」

と、すっかり人気者になっている。

見かけだけは完璧な王子様だからなあ。


ちょっと腐女子疑惑がある、メンドン王国の王妃様は。

腐腐ふふ。ヴィヴィアンナ様。女体化と思えば。イケる。」


…完璧に腐っているようだ。


さて、白い鳩たちが飛んできた。その口には小さなカゴがくわえられている。

傾けると花吹雪が舞う。


楽団が歩きながらの演奏だ。

これは?アラジ○のプリンス・ア○じゃないか。

劇団○季のCDを繰り返し聞いたと王妃様が言っていた。また歌声からの完コピか。

確か歌詞だと、紫色の孔雀に白い猿、ラクダや象が通るんだっけ?


げ!本当に来てる!孔雀さん歩いて可愛い!

ラクダさんもきたぞ。

白い猿を肩に乗せて、象に付き添ってるのはマーズだ。

「音楽と歩く動物たちは王都のメインストリートまでだそうですよ。」

アリサさんがささやく。この後お城の中庭から外に出て、メインストリートを通り過ぎたら馬車のみになって、スピードアップ。

王都を軽く半周するらしい。

「双子たちにもなんとか動物が懐いてくれて。あれくらいなら扱えてます。」

「マーグさんは?」

「後ろの方とか。」

キャアキャア声をたてて王妃様は大興奮。王様も満足げだ。

外に出る道沿いにいる人たちも大興奮だ。

そこへ。お猿の馬車が現れた。ネモさんの隣りで得意げに御者席に座っている茶色いお猿さん。

可愛い。

その後ろに座ってるのは。あら、レッサーパンダじゃないの。

そうだよね、ウサギじゃ小さすぎだし。

ヤギとか羊では一般的過ぎるしな。

お手て出して。顔出して。かーわいい。

両側に2匹ずつ並んで。サービスもバッチリだ。

その間から、ひょこっと顔をだしたのは、


まさかのジャイアントパンダ???


ええええ!この世界にもいたの?


「きゃあああああー!!!パンダチャン?!」


王妃様大絶叫だ!


「ここは上野か和歌山か!うっそーん!」

「なんの符牒?」

オー・ギンさんが顔をかしげている。

(影のように潜んでいたのね。気がつかなかったわ。)

いいえ。地名です。


ネモさんがロイヤルボックスにお辞儀をする。

お猿さんもお辞儀からの一回転だ。かわいい。

パンダがおっ!とおっさんのように片手をあげる。

もう片手には笹を抱き抱えている。

歓声の渦だ。

「パンダいたんですね。知りませんでした。」

「クマさんのクチコミから判明したらしいですよ。

今日1日協力してもらうためにゴージャスな竹を用意したとか。」


アリサさんは流石に詳しく知ってるな。

ネモさんもかなりのマザコンだというウワサは本当か。毎日長々とお話してるらしい。


その後王子様たちのお出ましだ。

白馬に乗った騎士達が護衛している。

エラ様はご母堂ミドリナ様お手づくりの総レースのドレスをお召しだ。上気した頬が輝いていて、

ティアラもドレスも煌めいている。

三国一の花嫁だ。


ミドリナ様を見ると感極まって泣いていらっしゃる。そうだよね、良かったね。


アラン様もいつもにもましてフェロモン全開だ。


ロイヤルボックスに会釈をされ、周りにはウィンクのサービスだ。あちこちから嬌声があがる。


横でドヤ顔をしてるのはアンちゃんだ。

ウチのアラン様ステキでしょ。

と言いたげだ。わかってるって。


「ほほほ。2人のポートレートも飛ぶように売れそうだわ。ほほほ。」


王妃様、流石っす。


その後ろの馬車にはすごい目つきが悪い一団が乗っている。護衛の人たちだな。

何かあれば飛び降りて王子様達を守るんだろう。

スケカクとジークとフリードがいる。

げっ。白鬼もいるのかよ。


その後現れたしんがりの馬車にのってるのはマーグだ。

馬車の側面には

「ご観光はブルーウォーター領へ。」

の垂れ幕が下がっている。

「協力するからこの幕を垂らさせろと。ネモが交渉したのです。」

アリサさんが眉を下げて言う。


マーグが冷や汗をかきながらも動物たちに説得し続けている。乗っているのは。

お馴染みの?ビックフット。

隣はまさかのイエティ?白いわ!雪男だわ!

うわうわうわ。チュパカブラとツチノコだっ!

…あれはまさかのモスマン?

UMAてんこ盛りだよ!


何とかマーグの言う事を聞いて大人しくしているようだ。


あ、そうか。もし旧ギカント帝国の残党が見ていたら牽制になるのか。

彼等が暴れ回ってたと聞いている。生ける災厄を見るのは恐ろしかろう。


各国のお偉いさんも釘付けだ。

「まさか?伝説の?ええ?」「絵本で見た通りよ!」


そこへ。白い鳩がメッセージカードを運んできた。

私にもくれたよ。

「あなたも伝説を目撃しませんか?

ブルーウォーター領内で会えます!


◎プライベートを守れるコテージに泊まるプランもございます。


◎エキサイティングなサーカス!

◎美しい自然があなたを待っています!


※このカードをお待ちの方、ブルーウォーター牧場のアイスプレゼント。」



裏を返すと肉球のスタンプが押されている。

私、ホワイトタイガーの虎子よ。来てね。

とメッセージ入りだ。


うん。燃える商魂1.2.3.ダーッ!!!

山下達郎さんのパレード。良い曲です。

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― 新着の感想 ―
タイトル見てすぐ歌いました。 前にも思ったのですが、ヴィヴィアンナ様のブラウスのちら見せは、肩甲骨ではなく鎖骨では?ドレスならわかるのですが。
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